虹の理論 (講談社文芸文庫)

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本棚登録 : 56
感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062900751

作品紹介・あらすじ

オーストラリア・レッドロックのアボリジニーに伝わる「虹の蛇」の神話、カトマンズ盆地・「虹の立つ村」のマヤ・クマリの千里眼、そしてラマ僧の語る虹を中心とした世界の成り立ち-意識と物質の発生をイメージさせる虹の体験は、両義性という終わりなき解釈のらせん階段から自己と文化を解き放つ「野性的な科学」へと我々を誘う。メタフィジカルな八つの物語が紡ぎだす新しい世界。

感想・レビュー・書評

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  • 中沢新一 「虹の理論」 形而上学の物語集? 前半「虹の理論」は 天地創造のような神話から 自然や生物の世界の仕組みやパラドックスを 説明している。後半は意味がわからなかった。


    毒と虹、蜘蛛と蠅(生物コード)、虹と大地、虹と市 などのテーマは 野生の思考的なアプローチで面白い。カイエソバージュ のように 野生の思考 から 対称性を取り出して、人間の原理を直観的に探求しているのかもしれない。

    命題は「パラドックスこそ自分たちの世界を突き動かしている論理である」


    虹の理論
    *大地と虹の関係性
    *大地の両義性
    *私とは何か

    私とは何か
    *転生〜生きものの記憶が 個体や遺伝子の違いを超えて 永続する
    *あなたは〜世界を生気あるものとして産み出し続けている 巨大な多様体。その多様体が そのまま あなたであり、私でもある

    大地と虹の関係性
    *大地のエネルギー→虹→光と色彩
    *大地の欲望が〜空中に飛び散るとき〜虹が立つ
    *大地の欲望や強度や生産力を、大地への呪縛から解き放って、自由でより高度な存在にジャンプ

    大地の両義性
    *生命力、欲望、快楽であり 破壊、病気、苦痛もたらすもの

    人類学者の手記
    *ライトモチーフ=毒、人間と動物との結婚→タブーに対する罰
    *毒と虹は似ている→両義性?→生と同時に死をもたらす
    *生物界の原理=生物コードの違い、生と死の移行

    生物界の原理
    *生と死が玉虫色の状態で お互いの間で〜移行をくりかえす
    *それぞれの生きものは 違うやり方で まわりの世界を知覚し、その世界のなかで〜生きている
    *蜘蛛と蠅は、生物としての構造(生物コード)が違う〜蜘蛛の巣がなければ、同じ空間のなかの違う世界を棲み分ける〜捕食行為は 異質な動物どうしの接触の瞬間

    作庭家の手記
    *虹がたったところに市が立つ→市を立てることで 虹の破壊性を鎮めたい
    *市は「結ばれ」をほどき、あらためて結び直す空間〜自分のまわりの古いしがらみをとき、新しい世界と自由な関係を結ぶ
    *虹と市は 一神教の現れ

  • バリ島の呪術合戦の様子が描かれていて、今の時代にこんなこと実際にやってるのかとびっくりした。

  • 何とも柔らかい。人にお勧めしたい本のひとつ。

  • 小説家か評論か、はたまた特定不能か、謎の文章を構築する中沢。初めて読んだけれど、一発でハマりました!もっと読みます。すごいぞ!

  • 本書は、切り出すことが困難である。なぜならそれは、脳の連合野だからである。視覚や聴覚に関する一時の感覚中枢や、身体運動を起こさせる一次の運動中枢なら、切り出せといわれれば、私にだって切り出せないことはなかろう。しかし、連合野は、そうした特定の具体的機能を示す中枢を切り出した「後に残る」部分として、定義されるものである。文句をいうわけではないが、切り出しにくいこと、おびただしい。

  • 10/01/13購入。

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著者プロフィール

1950年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。京都大学特任教授、
千葉工大日本文化再生研究センター長、秋田公立美術大学客員教授。思想家。
著書に、『チベットのモーツァルト』『雪片曲線論』『森のバロック』『カイエ・ソバージュ』シリーズ、『アースダイバー』シリーズ、『レンマ学』『野生の科学』ほか多数ある。


「2021年 『日本の古式捕鯨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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