青春の賭け 小説織田作之助 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062900850

作品紹介・あらすじ

戦後、虚脱と混乱の世相を体現するかのような烈しい生を、「可能性の文学」に殉じて壮絶な死で終わらせた織田作之助。三高での出会い、関西から東京へと共にした街歩きの青春、文学への熱情とデカダンスに駆られ自滅への道をひた走る流行作家の貌…。四篇の実名小説は、著者が親友に捧げた鎮魂の書であり、その文学の火種を九五歳でなくなるまで燃やし続けた"最後の無頼派"青山光二自身の青春の書である。

感想・レビュー・書評

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  • 織田作之助のギラギラした書くことへの執着がちょっと怖いくらいに感じた。読んでると悪い男だな!?と思うことが多々あったけど、なんだか憎めないかわいいところもあって魅力的な人だったのだな〜。

  • この本を借りたきっかけは、Twitterで見かけたオダサクの「やがて死ぬことを忘れていた」という26歳の時に書いた文章が載っていたから。
    死臭と、友人の死に様に注がれる眼差しが凄まじい。オダサクの大量喀血のシーンにはゾクゾクした。尋常じゃない友人の死を小説にしてしまう時点で正気じゃないなというのが正直な感想。同時にその濃い関係性には憧れる。

    著者自ら、オダサクと白崎さんとのエピソードについて「三角関係的な友情」とか「同棲」とか言っちゃってて楽しすぎるし、著者の視点に感情移入しすぎて、エキセントリックで苦しいほど愛しい友人を亡くした孤独が沁みてくる。これは間違いなく一つの沼だ。

    作品解説と著者の年表見たら、文筆活動も含めた人生のかなりの部分を友人・オダサクに捧げててもう凄いとしか言いようがなかった。30代で亡くした親友のことを壮年になるまでかけて実名小説として完成させるって、「青春の内部で生きた作家」という例えはまさにふさわしい。

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