兄 小林秀雄との対話 人生について (講談社文芸文庫)

  • 講談社 (2011年10月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784062901376

作品紹介・あらすじ

人間小林秀雄を妹が伝えた言葉

敬愛する兄 小林秀雄の考え方を、妹 潤子がわかりやすく伝える

小林秀雄の妹であり、田河水泡の妻である作者が、敬愛してやまない兄の生き方や心、そして難しい作品の意味を、兄との対話によって、わかりやすく伝える。小林秀雄の誠実なものの考え方や精神を、身近にいるからこそ書き表した魂の言葉。美について、批評精神について、読書について……、人間小林秀雄と妹の美しい愛情に溢れた書。

高見沢潤子
わたしは、兄の作品を全部読みかえしました。そして兄を訪ねては、いろいろと質問し、話しあいました。兄の顔をじっとみつめ、その一言一言をかみしめるようにききました。ときには、茶の間でむかいあって晩しゃくのお相伴をしながら、あるいは応接間で音楽をききながら、また鎌倉の美しい山々をながめながら。――<「初刊本まえがき」より>

※本書の底本は、講談社刊『兄 小林秀雄との対話――人生について』(1968年6月刊)としました。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

人間小林秀雄の思想や生き方を、妹が対話を通じて優しく伝える本です。小林の作品が難解とされる中、著者は兄との交流を通じて得た理解をわかりやすく表現しています。彼の批評精神や美に対する愛情が、日常の会話の...

感想・レビュー・書評

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  • 小林秀雄の妹である著者が、小林とのあいだで交わされた対話をしるすかたちで彼の考えを紹介している本です。

    小林の文章は難解だという世評があります。本書のなかでも、著者が知人からむずかしいという苦情を受けたことを明かして、「もうすこし、やさしく書いてもらえないものかしら」とたずねていますが、小林は「やさしくしようとすれば、ちがったことを書いてしまう」と語っています。そうした難解とされる小林の批評の根幹にある思想が、気の置けない相手との対話を通して、著作とは異なるわかりやすくことばで説明されており、小林の批評に関心のある読者にとってはある程度おもしろく読めるのではないでしょうか。

    その一方で、そもそも小林自身がやさしく語りなおすことはできないと述べている以上、本書の内容をそのまま彼の思想と同一視することは避けるべきなのでしょう。「にいさんの話をきいていると、なんでもみんな、おんなじところにいくわね。美というものをわかろうとすることも、批評精神というようなものも、歴史を学ぼうとすることも、まず、無条件に、なにも考えずに、その対象を愛し、その対象の中にとびこんで、その対象とひとつになって、感動することになるのね」というしかたで、著者は小林の考えをまとめているところがありますが、まさしくこのような態度で複雑な現実のひだをていねいにたどっていった小林の批評を簡潔にまとめることは、もとより不可能だというべきでしょう。

  • 令和6年度第5回大人のためのゆるい読書会
    図書館に所蔵なし

  • 小林秀雄との対話を通して、彼の人生観、人間観を易しく伝えてくれる。文章を書くに時間をかけ苦しんで完成させる。書き上げるに自分の努力だけではない天賦のなかで生まれる、と悟りを開いた僧のような人に思えてきた。2022.6.25

  • 2021/8/17

    間違いなく今年のベスト本!

    小林秀雄の文章から滲み出てくる彼の人柄、思想、そして「姿」がこの一冊に凝縮されている。彼は、難しいことを易しくするほど難しいことはない、とある種本書の皮肉を語るが、兄を慕う高見沢潤子は文章からしっかりと「姿」を映す仕事を徹底している。
    兄妹が仲睦まじく語らう様子がありありと浮かんでくる。

    小林秀雄全集を読む前に『学生との対話』は有用だが、本書も同程度有用な一冊だと思う。

  • 【由来】


    【期待したもの】


    【要約】


    【ノート】
    ・やはりよい。どこまでが本人の言葉で、どこからがそうでないのかというにはあるけど、声が聞こえてきそうな語り口には惹きつけられるものがある。

    【目次】

  • 小林秀雄も読まなければと思いました。

    愛を持って作品にあたるということは、自らの魂をどれほど削って戦わなければいけない行為だったのかと考えると、その偉大さに圧倒されます。
    その愛ゆえに、きっと全身全霊をかけて「わかり」たかったのかなと、おもいます。

  • 評論家・小林秀雄の妹さんが兄・小林秀雄について書いた書籍。
    最初に手にしたのは高校生の時。小林秀雄の評論は、当時の入試問題によく取り上げられていました。難解…というイメージがはじめはありましたが、無駄なものがいっさいない、徹底して吟味された文章がとても好きでした。ここに書かれてあった藝術作品との出会い方は、以後のぼくの藝術や社会との接し方に大きな影響を与えました。
    本書で小林秀雄の評論をより身近に感じて読めるようになった思いがあります。
    今あらためて読み直しても、とても深い、文章です。

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