- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062901376
作品紹介・あらすじ
小林秀雄の妹であり、田河水泡の妻である作者が、敬愛してやまない兄の生き方や心、そして難しい作品の意味を、兄との対話によって、わかりやすく伝える。小林秀雄の誠実なものの考え方や精神を、身近にいるからこそ書き表した魂の言葉。美について、批評精神について、読書について…、人間小林秀雄と妹の美しい愛情に溢れた書。
感想・レビュー・書評
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小林秀雄との対話を通して、彼の人生観、人間観を易しく伝えてくれる。文章を書くに時間をかけ苦しんで完成させる。書き上げるに自分の努力だけではない天賦のなかで生まれる、と悟りを開いた僧のような人に思えてきた。2022.6.25
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2021/8/17
間違いなく今年のベスト本!
小林秀雄の文章から滲み出てくる彼の人柄、思想、そして「姿」がこの一冊に凝縮されている。彼は、難しいことを易しくするほど難しいことはない、とある種本書の皮肉を語るが、兄を慕う高見沢潤子は文章からしっかりと「姿」を映す仕事を徹底している。
兄妹が仲睦まじく語らう様子がありありと浮かんでくる。
小林秀雄全集を読む前に『学生との対話』は有用だが、本書も同程度有用な一冊だと思う。 -
【由来】
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【期待したもの】
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【要約】
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【ノート】
・やはりよい。どこまでが本人の言葉で、どこからがそうでないのかというにはあるけど、声が聞こえてきそうな語り口には惹きつけられるものがある。
【目次】 -
小林秀雄も読まなければと思いました。
愛を持って作品にあたるということは、自らの魂をどれほど削って戦わなければいけない行為だったのかと考えると、その偉大さに圧倒されます。
その愛ゆえに、きっと全身全霊をかけて「わかり」たかったのかなと、おもいます。 -
評論家・小林秀雄の妹さんが兄・小林秀雄について書いた書籍。
最初に手にしたのは高校生の時。小林秀雄の評論は、当時の入試問題によく取り上げられていました。難解…というイメージがはじめはありましたが、無駄なものがいっさいない、徹底して吟味された文章がとても好きでした。ここに書かれてあった藝術作品との出会い方は、以後のぼくの藝術や社会との接し方に大きな影響を与えました。
本書で小林秀雄の評論をより身近に感じて読めるようになった思いがあります。
今あらためて読み直しても、とても深い、文章です。