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Amazon.co.jp ・本 (222ページ) / ISBN・EAN: 9784062901390
みんなの感想まとめ
志賀直哉への深い愛情が織り込まれた作品であり、藤枝静男の視点から志賀直哉の魅力が丁寧に描かれています。著者は志賀直哉に対する自身の思いを交えながら、彼の作品や人間性を鋭く分析しており、特に志賀と中野重...
感想・レビュー・書評
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もともと藤枝静男をどうやって知っただろう、と思い出すと笙野頼子さんの文章がきっかけではなかったかと思う。「田紳有楽」「空気頭」すごくヘンテコな小説を書く人だ、というイメージだった。題に「志賀直哉」とあり、阿川弘之「志賀直哉」を最近読んだところでもあったので、何となく読んでみたいと思った。
中身はほぼほぼ全編、志賀直哉のことについて書いてある。藤枝静男ってこんなに志賀直哉が好きだったのか・・・と思う。そういえば藤枝静男の小説も「私小説」とくくられるよなあ、と思いつつ自分の近辺を書く作家としての興味が志賀直哉に対してあるのかな、などと思いながら読み進める。
途中で平板に思えてきて、普段はあまりしないのだけれど、何となく解説から読んでみたりしてみた。解説は何と若手の朝吹真理子さんである。なんとまあシブいものをお好みで・・・と文章を見てみると、なかなか興味深い考察がある。「死人が書く小説があるとしたらこういうものだろうと思った」ふむ、なかなか鋭い気がする。その感覚で藤枝静男の随筆に戻ると、また違って見えてきた。
そして最後に収録されている表題でもある「志賀直哉・天皇・中野重治」という文章。途中「ここはとても大事なことが書いてある」という感覚に何度かなり、幾度も行きつ戻りつして読んだ。この本はこれを読むだけでも価値があると思った。それぐらい面白い。
志賀直哉と中野重治が喧嘩をするのは阿川弘之氏の「志賀直哉」でも読んでいたので何となく予備知識がある状態だった。その手紙のやりとりを挙げながら、冷静に分析していく藤枝静男の文章が非常に鋭いのである。ちょっと異様に感じるぐらいである。けっこうな部分が引用に費やされているが、その引用のされた文章がずっと流れていく様も、何かこう被験者をじっと観察する医者のような(藤枝静男は眼医者だった)迫るものがある。「敬意を感じた」とか「よく理解できた」といった言葉が非常に慎重な手続きを持って繰り出される様もまるで実験をする研究者のような雰囲気を感じさせた。ううむこんな作家だったか。
また再読したい人が増えてしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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