大阪文学名作選 (講談社文芸文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062901406

作品紹介・あらすじ

西鶴、近松から脈々と連なる大阪文学は、ユーモアの陰に鋭い批評性を秘め、色と欲に翻弄される愛しき人の世をリアルに描く。川端康成「十六歳の日記」、折口信夫「身毒丸」、宇野浩二「子の来歴」、武田麟太郎「井原西鶴」、織田作之助「木の都」、庄野潤三「相客」、河野多惠子「みち潮」、野坂昭如「浣腸とマリア」、小野十三郎「大阪」(抄)、山崎豊子「船場狂い」、阪田寛夫「わが町」(抄)の名品十一。

感想・レビュー・書評

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  • 大阪出身、また大阪に縁の深い作家の短編作品を集めたもの。特に大正後期から第二次大戦直後の作品が多い。作品がつくられて100年もたってはいないが、読んでいると既に古典の域に達していると感じられる作品が多い。その情景、また言葉遣いが現代とこれほどまでに違ってきているのかと驚かされる。大阪が舞台のものが多いので、大阪弁で表現される会話が、船場言葉、大阪の南のことば、河内のことば、船場以外の大阪中心部の言葉でこれほどまで方言がちがうのか、と日本の言葉の繊細さを感じる。今の関西はここまで細分化されず、大阪弁の美しさもなくなってしまっているように感じる。言葉を大切にしなくてはいけないと思わずにはいられない本であった。

  • 大阪樟蔭女子大学図書館OPACへのリンク
    https://library.osaka-shoin.ac.jp/opac/volume/661937

  • 大阪には独特の温気がある、と言っていたのは誰だったか。郷土の文学選集とは一味違った、大阪を感じる作品集だった。ムッとするような熱気、よどみ、軽み、そっけなさ。こんな選集、東京や他地域は想像できない。

    阪田寛夫 「わが町(抄)」
    野坂昭如 「浣腸とマリア」
    河野多惠子 「みち潮」
    庄野潤三 「相客」
    山崎豊子 「船場狂い」
    織田作之助 「木の都」
    小野十三郎 「大阪(抄)」
    武田麟太郎 「井原西鶴」
    宇野浩二 「子の来歴」
    折口信夫 「身毒丸」
    川端康成 「十六歳の日記」

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著者プロフィール

一八九九(明治三十二)年、大阪生まれ。幼くして父母を失い、十五歳で祖父も失って孤児となり、叔父に引き取られる。東京帝国大学国文学科卒業。東大在学中に同人誌「新思潮」の第六次を発刊し、菊池寛らの好評を得て文壇に登場する。一九二六(大正十五・昭和元)年に発表した『伊豆の踊子』以来、昭和文壇の第一人者として『雪国』『千羽鶴』『山の音』『眠れる美女』などを発表。六八(昭和四十三)年、日本人初のノーベル文学賞を受賞。七二(昭和四十七)年四月、自殺。

「2022年 『川端康成異相短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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