更紗の絵 (講談社文芸文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062901468

作品紹介・あらすじ

敗戦後の復興の時代-。学園を再建しようと努力する義父のもとで、中学主事を引き受けた青年教師・吉野君。進駐軍と旧軍需工場との交渉役を押しつけられ、できの悪い生徒のいたずらや教師同士のもめごと、喰いつめた友人の泣きごとにも向きあいながら、吉野君は淡々として身を処していく。時代の混乱と復興の日々を、独特なユーモア漂うほのぼのとした温かい筆致で描いた青春学園ドラマ。

感想・レビュー・書評

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  • 敗戦後、義父の依頼で学園主任になる主人公吉田君。英語が話せる彼は、大学講師、進駐軍との折衝役など、複数の職を掛け持つ。
    著者特有のさらりと淡々として文章で語られる当時の住宅事情や職場の人間模様、吉田君の病気。
    徐々に復興していく様が彼の生活から窺え、穏やかな景色で幕を閉じる。穏やかな気持ちで本の題名の意味を噛み締めつつ、巻末の解説を読んで胸を突かれました。
    過ぎた日々を穏やかに描写する心の強さ、女性ならタオヤメと言うのでしょうが、男性にはなんという言葉をあてればよいのやら。心打たれました。

  • このゆったりした筆使い、やっぱり好きだな。

  • 戦後、疎開先から帰って来た主人公が学校の再建にのんびり関わりながら戦後復興の日本を見つめる。全体的に柔らかい雰囲気ながら戦争の爪後が感じられた。小沼丹の文章自体が光に透かした更紗の布のよう。

  • 久々の小沼丹。一ページづつ、ゆっくり読む。
    書名の「更紗の絵」はいつ出てくるのだろうと途中から思いつつ、最後になってようやく出てくる。
    小沼丹は会話の入れ方が上手ということをあらためて思う。
    この文庫本で初めて写真を見る。やはりイメージと違ってしまった。

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著者プロフィール

東京生まれ。1942年、早稲田大学を繰り上げ卒業。井伏鱒二に師事。高校教員を経て、1958年より早稲田大学英文科教授。1970年、『懐中時計』で読売文学賞、1975年、『椋鳥日記』で平林たい子文学賞を受賞。1989年、日本芸術院会員。

「2018年 『ゴンゾオ叔父』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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