丸谷才一編・花柳小説傑作選 (講談社文芸文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062901789

作品紹介・あらすじ

『花柳小説名作選』に続く小説集は、永井荷風から吉行淳之介、そして島村洋子まで、丸谷才一氏が長年あたためていた企画がここに実現。

最後の編纂本は「艶やか」

感想・レビュー・書評

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  • 島田洋子の『一九二一年・梅雨 稲葉正武』『一九四一年・春 稲葉正武』がおもしろかった。いままで阿部定はなんだか興味がなかったけど、阿部定のとは気づかずこれを読んで、とてもおもしろかった。血肉がかよった、友だちの話みたいに親近感が湧いた。

    永井荷風の『葡萄棚』と徳田秋声の『町の踊り場』を並べたのは、葡萄棚、葡萄の葉陰つながりなんじゃないかなと思った。

  • 丸谷才一が最後に編纂したアンソロジー。花柳小説といっても幅広く、あまり花柳とは関係ない、バーのマダム、女給、私娼も含まれている。そのような花柳小説は明治以後の日本文学に多いが無視されている。日本文学史の再評価の為に編んだ、らしい。吉行淳之介は安定の面白さだが、初読みの作家が多かった。島村洋子、永井龍男、里見弴、永井荷風が面白かった。特に島村洋子「一九二一年・梅雨 稲葉正武」「一九四一年・春 稲葉正武」は衝撃的!永井荷風「妾宅」は和風『さかしま』の趣があり、里見弴「妻を買う経験」は読んで納得。

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著者プロフィール

大正14年8月27日、山形県生まれ。昭和25年東京大学文学部英文学科卒。作家。日本芸術院会員。大学卒業後、昭和40年まで國學院大學に勤務。小説・評論・随筆・翻訳・対談と幅広く活躍。43年芥川賞を、47年谷崎賞を、49年谷崎賞・読売文学賞を、60年野間文芸賞を、63年川端賞を、平成3年インデペンデント外国文学賞を受賞するなど受賞多数。平成23年、文化勲章受章。著書に『笹まくら』(昭41 河出書房)『丸谷才一批評集』全6巻(平7〜8 文藝春秋)『耀く日の宮』(平15 講談社)『持ち重りする薔薇の花』(平24 新潮社)など。

「2012年 『久保田淳座談集 暁の明星 歌の流れ、歌のひろがり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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