狂い凧 (講談社文芸文庫)

  • 講談社 (2013年10月11日発売)
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感想 : 5
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  • 本 ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062902106

作品紹介・あらすじ

虚無とアイロニーをまとい、人生の不条理を見つめ続けた異色の戦後派作家、梅崎春生。『桜島』『日の果て』で戦時の極限下における心象を、『蜆』『ボロ屋の春秋』で市井にひそむ人間の本質を描いた著者が、過去の戦争と現在の日常とを
緻密な構成でゆるぎなく繋ぎあげた、晩年の集大成。芸術選奨受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 観察の鬼。
    直接描写を避け、わざわざ主人公の視点から、旧友の現在と過去を少しずつ浮き彫りにしていく。無駄だが超有効なプロセスに。
    人生は風に煽られた凧の様な...あまり無い独特の読後感。良かった。

  • 狂い凧が風にあおられ、なすすべもなくはたはたやっているように、私達は人生にあおられがちだ。
    生きることに伴うコントロール不能感を意識させられた。

  • 栄介の中で、死んではならなかったはずの城介が死に、とっくに死んでいなくてはならないはずの伯父が生きている。
    どこかおかしい、運命はどこから狂ったんだろう。
    その狂った運命は、はたして制御することができなかったのだろうか。
    凧を見つめる栄介の姿からそんなことを感じた。

  • 気になってる本。。わくわく。

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著者プロフィール

梅崎 春生(うめざき・はるお):1915年福岡市生まれ。東京帝国大学国文学科卒業。在学中に「風宴」発表。42年陸軍に、44年海軍に召集、暗号通信分遣隊長として坊ノ津で終戦を迎える。復員後、戦争体験をもとに『桜島』『日の果て』を発表、一躍第一次戦後派作家の代表的存在となる。『ボロ家の春秋』で直木賞、『砂時計』で新潮社文学賞、『狂い凧』で芸術選奨文部大臣賞、『幻化』で毎日出版文化賞。1965年没。

「2025年 『ウスバカ談義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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