おたのしみ弁当 吉田健一未収録エッセイ (講談社文芸文庫)

  • 講談社 (2014年1月11日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784062902182

作品紹介・あらすじ

様々な紙誌に掲載された単行本未収録エッセイを集成。
酒食、身辺雑記から政治、文学・書評まで、機知とユーモアに満ちた待望の一冊。

みんなの感想まとめ

多彩なテーマにわたるエッセイが収められたこの作品は、著者のユーモアと機知に満ちた視点が光ります。生活のために多くの原稿を書いた著者の未収録エッセイが一堂に会し、読者に新たな発見をもたらします。紀行文や...

感想・レビュー・書評

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  • 他の職業につかず、純粋に文士であった吉田健一は生活のために大量に原稿を書いたので、初出誌にしか見出せないものも多々あるらしい。それらが少しずつ世に出てきているのはありがたい限りである。講談社文芸文庫ばんざい。これまで書籍に採録されなかったものを集めたもので、「おたのしみ弁当」とはそのうちの1編のタイトルで、編者のセンスを感じさせるすばらしい選択。編者自身も「おたのしみ弁当とは、まさに吉田健一の文学といっていいのでは」と書いているが、首肯することしきりだ。
    ラジオについて書いた文章がいくつか載っていたのがおもしろかった。選局が難しかったらしく「正確ないじくり方が解らない」ためめったに聞くことがないから、人にあげてしまったとかなんとか。「ウィーンの歌劇団が来た時、余りよかったのでその中継放送を後で又聞いた」というのだが、それはいったい何の演目だったのか、誰の演奏だったのか、妙に気になる。ウィーン国立歌劇場の初来日公演より前の話なので、具体的にどういうものだったのかわからない。
    「金銭について」というちょっと長めの文章もおもしろかった。お金は使うためにあるので、貯めこんで子々孫々に負担をかけるなど愚の骨頂、ほしいものがあるなら借金してでも手に入れるべきで、それで幸せになったのだから借金の返し甲斐もあろう云々、でもやっぱりないと困るんだが、といった調子で続く。
    来月にも講談社文芸文庫から未収録エッセイがもう1冊でるらしいし、新潮社からもいつの間にか吉田健一に関する本が出ていた。なかなかいそがしいが、ヨシケンファンとしては実にありがたい。

  • 吉田健一の単行本未収録エッセイ集。
    前半は紀行文、食、時事など多彩なテーマを取り上げ、後半は文学について、という二部構成。
    どれを読んでも吉田健一らしい文章で、こういったエッセイがまだ埋もれていたことに驚く。矢張り掲載誌がマイナーだったせいだろうか。
    編者の解説によると、まだ収録されていないエッセイもあるようで、続刊がありそうな書きぶりだった。早いうちに刊行されるといいのだが……。

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著者プロフィール

島内裕子(しまうち・ゆうこ)
東京都に生まれる
1979年 東京大学文学部国文科卒業
1987年 東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専門課程博士課程単位取得退学
現在  放送大学教授 博士(文学)(東京大学)
専攻 『徒然草』を中心とする日本文学

主な著書  
『徒然草の変貌』(ぺりかん社)、『兼好─露もわが身も置きどころなし』(ミネルヴァ書房)、『徒然草文化圏の生成と展開』(笠間書院)、『徒然草をどう読むか』(左右社)、『方丈記と住まいの文学』(左右社)、『批評文学としての「枕草子」「徒然草」』(NHK出版)、『校訂・訳 徒然草』(ちくま学芸文庫)、『校訂・訳 枕草子』(上・下、ちくま学芸文庫)

「2020年 『響映する日本文学史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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