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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784062902670
作品紹介・あらすじ
毎朝、何者かに家の前の「カド」にお供えを置かれ、身に覚えのないまま神様に祀り上げられていく平凡な未亡人。山菜摘みで迷い込んだ死者たちの宴から帰れない女。平穏な日常生活が、ある一線を境にこの世ならぬ異界と交錯し、社会の規範も自我の輪郭さえも溶融した、人間存在の奥底に潜む極限の姿が浮かび上がる七作品。川端康成文学賞受賞。
毎朝、何者かに家の前の「カド」にお供えを置かれ、身に覚えのないまま神様に祀り上げられていく平凡な未亡人。
山菜摘みで迷い込んだ死者たちの宴から帰れない女。
平穏な日常生活が、ある一線を境にこの世ならぬ異界と交錯し、社会の規範も自我の輪郭さえも溶融した、人間存在の奥底に潜む極限の姿が浮かび上がる七作品。
川端康成文学賞受賞。
みんなの感想まとめ
人間存在の奥底に潜む極限の姿を描く短編集で、日常が異界と交錯する様子が鮮烈に表現されています。平凡な未亡人の視点から、毎朝の不気味なお供えや、迷い込んだ死者たちの宴を通じて、生と死、夢と現実、過去と現...
感想・レビュー・書評
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怖いような、嫌な感じのような話の連続。しかも感覚でいえば水を吸った畳に寝ているような、映画でいえばJホラー前の昭和の角川映画のような雰囲気が漂っていて気持ちがざわつくが、それを求めて先へ先へと読み進めてしまう。
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2冊目の吉田知子。
お供えだけは先に読んでいた。
こちらは、わりと似たかんじのストーリーが多い気がした。
迷蕨、海梯がなんとなく良かった。
でもどれも怖い。怖いの強さはこの一冊はなかなか大きかった。生と死の堺も、夢と現実の堺も、過去と今の境も移動するうちに全て溶けていき、自分がとろとろと消えていく。やっぱり怖いし、この人の文は凄い。
本人によるあとがきというか、読者へのメッセージが読めて得した気分。 -
短編集なのに
どれも繋がっている
そしてどれも暗い
暗すぎるほど
落ち込んでいくわ -
二ヶ月くらいかけてぼちぼち読み終えた 昭和50年代くらいの日本の田舎の空気がことこまかく描写されていて、その中で少しずつ違和感が増殖してゆくような作品群 ホラーではないが、悪夢的な世界 個人的には「海梯」が良かった なんともない落書きが増殖するかのようにふえてゆくのがよい
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闕貞キ晄エ区イサ縲朱℃蜴サ繧偵b縺、莠コ縲上h繧翫?
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想像力が必要な本
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少しずつ、確かに、踏
み
外
す
気にも留めない程度のわずかな違和感の蓄積が閾値を超えたときに非日常が現れるのだろうか。そうではない。日常なんてどこもかしこも穴だらけなのだ。悪意にみちた笑みをたたえる黒い口に飲み込まれてしまった人びとは円環する悪夢の底へ置き去りにされ、永遠にさまよい続ける。焦りと苛立ちは募るのに、流れにも似た何かの強大な力に抗うことが不可能なことを頭の片隅では理解して諦めている。
どうしてこんなことに…
一作目の【祇樹院】からすこぶる怖かった。終始、不穏な空気がからみつく。私はあなたを知らないし、私は私の知らない人。それなら「私」はもうどこにも存在しないのだ。
《2015.06.19》 -
いくつかのアンソロジーで「お供え」と「大広間」を読んでいたく気に入ってから、ちゃんとまとめて読みたかった吉田知子。しかしほとんど絶版で、苦し紛れに文芸文庫のアンケートはがきに吉田知子が読みたいと書いて出したことがあったので、この文庫みつけたときはとても嬉しかった!期待通り、どの短編も好みで満足。
基本的にアウトラインはどれも類似していて、主人公がどこかへ赴く→初めて行く場所のはずなのにどうもよく知っている→そのうち死んだはずの人が当然のように現れたりして、過去と現在、死者と生者の境界が曖昧に混濁していく。悪夢系不条理、とでも呼びましょうか。
過去や死者の世界にふわっと移行してしまうあたりは百閒などにも通じるけれど、方向音痴を自認する著者の言葉を読むと、どちらかというと「猫町」なのかもと思ったりもする。猫町の前半で朔太郎が書いている、いつもと違う方向から歩いただけで知らない町に来たように感じてしまうあれ、あの感覚にとても近い。夢の展開のように理不尽なのに、風景(植物)や家の中の描写などが細々とリアルで、しかしそのその細部ばかりクローズアップされる感じがまた怖い。
お気に入りは何度も読んでる表題作の「お供え」のほかは、伯母の香典を届けに行ったのに当の伯母は生きていて別の死者が顕れる「海梯」、唯一男性主人公、しかも逃亡する殺人鬼の「艮」は、同じ時空間を永遠にループしてる感じでとても怖かった。
※収録作品
「祇樹院」「迷蕨」「門」「海梯」「お供え」「逆旅」「艮」 -
どれも不穏な作品。どれも設定が似てるように思うのは同じ頃に書かれたものだからか。気に入ったのは『迷蕨』『門』『お供え』。『迷蕨』と『門』はどちらも死者と生者が同じ場所にいて時間と空間が歪められ閉じる。どこへも逃れられない。こうやって百年歩いている。階段はもう決してみつからないだろうということだけだった。この文章でふたつの物語は閉じられる。伯母や祖母がいる。死者として。平穏ではない世界に主人公たちは絡めとられ、諦めてしまう。なんとも奇妙な読後感だ。『お供え』いつの間にか神にされてしまう初老の女性。女性のせいなのか、それとも土地のせいなのか。石を投げられる神様になんかなりたくないと思う。
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著者プロフィール
吉田知子の作品
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