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- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062902878
作品紹介・あらすじ
『抹香町』によって、時代の寵児となった川崎長太郎。
しかし短篇群〈抹香町もの〉の全体像は、纏められたことがない。
初期作「夜の家にて」から、売春防止法施行、「抹香町」の消滅、その後日譚まで、
十四篇を精選した本書は、『新編 抹香町』ともいいうる。
扇情的な私娼小説を超え、孤独な男女の魂の道行、
虚飾を剥ぎ取り、危険水域に生きる者たちの生の原形質へと迫る。
長太郎文学の核心を余すところなく示した、歿後三十年記念出版。
感想・レビュー・書評
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単なる風俗小説ではなく、孤独な初老の作家の世間との繋がりの彷徨なのだろう。厳しい私小説だとおもう。
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人間はどっちみち天国には行けない
川崎長太郎は、終始小説の中で、日陰の日向の境目のあたりの日陰の中を歩いている気がしている。
その陰の中で、ちらちらと日向を見、無理無理ってため息ついている。
若い頃の、小津ものより、抹香町あたりから晩年の作品の方が、年を重ねてきた味わいというのか、深みというものが感じられて、私は好き。やはり経験というのは馬鹿にはできない。
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