本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784062902885
作品紹介・あらすじ
1975年以降に発表された名作を5年単位で厳選する全8巻シリーズ第7弾。ゼロ年代作家たちの登場で、現代文学は新たなるシーンへ
みんなの感想まとめ
現代文学の新たな潮流を感じさせる短編作品集は、2005年から2009年に発表された多彩な作品を収めています。収録作には、江國香織や平野啓一郎といった著名作家が名を連ね、各作品は独自の視点や世界観を展開...
感想・レビュー・書評
-
話題になっていた「ヌード・マン・ウォーキング」が読みたくて。他作品は実験的なものが多くてツボらなかった。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『現代小説クロニクル』7冊目は2005年〜2009年に発表された短編を収録。江國香織、佐伯一麦、平野啓一郎、小川洋子、川上未映子……等々、第一線で活躍している著者の名前がズラッと並んでいる。
江國香織は若い頃に読んでいて、最近はあまり手を伸ばしていなかったのだが、久しぶりに読んだ『寝室』は良かった。不倫相手に捨てられた男性を主人公にした短編で、余り現実感の無い筆致がひとときの夢を見たような印象。
『現実感の無さ』が共通点になっているのが、平野啓一郎『モノクロウムの街と四人の女』、小川洋子『ひよこトラック』の2編。前者は不条理小説のような味わいで、後者は小川洋子らしい短編。そういえば平野啓一郎も暫く手を伸ばしてないなぁ……。
逆に現実に立脚した視点からの短編は、佐伯一麦『むかご』。マンションの管理人の視点から、日常の生活を描いた短編。心温まるタイプの作風ではないが、何処にでもありそうな風景と、理由もなく感じる寂寥感が良かった。同様に伊井直行『ヌード・マン・ウォーキング』も、誰もが心の何処かに抱えている破滅願望、破壊願望のようなものを、『全裸で外を歩き回る男』の目を通して描いている。但しオチでそれまでの内容が全部ひっくり返ったのは驚いた。
田中慎弥『蛹』、楊逸『ワンちゃん』の2編からは、妙なエネルギーを感じる。作風はまったく違うのだが、とにかく、作中世界に読者を引きずり込もうとするエネルギーが強い作品だと思う。
さて、このアンソロジーも次巻で完結。次はどんな作品が収録されるのだろう……。
アンソロジーの作品
本棚登録 :
感想 :
