幽 花腐し (講談社文芸文庫)

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  • 講談社 (2017年1月11日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784062903356

作品紹介・あらすじ

中華街のバーで、二十年以上前に遇った女の幻影に翻弄される男の一夜を描く、事実上の初小説「シャンチーの宵」、芥川賞候補作「幽」、同受賞作「花腐し」ほか全6篇。知的かつ幻想的で、悲哀と官能を湛えた初期秀作群。社会から外れた男が生きる過去と現在を、類稀な魅力を放つ文体で生々しく再現し、小説の醍醐味が横溢する作品集。

みんなの感想まとめ

幻想的で知的な雰囲気が漂うこの作品集は、社会から外れた男たちの過去と現在を描き出しています。特に心情の描写が豊かで、独特の言語使いが生み出す雰囲気は、読者に得も言われぬ感覚を強制的に味わわせます。難解...

感想・レビュー・書評

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  • 『名誉と恍惚』でこの作者にはまったのだが、本作はその初期の作品集。その『名誉と恍惚』に比べると難解といえば難解なのだが(以前読んだ『不可能』もそうだった)、何とも言えぬ魅力があって、たとえていうなら、何か生ぬるいものになぶられつづけらるような(少しアブノーマルな表現だが)、現実世界では体験しえない、得も言われぬ感覚を味わうことができる。というか、強制的に味わわせられると言った方がいいか。この著者の独特の言語の使いようが、おそらくそうした独特のものを醸し出し、なんだか癖になってしまう、不思議な作家です。

  • 少々難解ですが、ほとんどが心情の描写で構成されていて、個人的には好みの文章でした。奇妙だけれど、わからなくもないような、人間の不思議さのようなものを感じる作品ばかりで、興味深かったです。

  • 「花腐し」と「ひたひたと」は再読になるのだけど、ほぼ内容を忘れてました(苦笑)意外と生臭い描写も多かったのだなと今更のように。

    個人的に松浦寿輝は『あやめ 鰈 ひかがみ』が好きで、自分が死んでることに気づかずいつまでも生きてる人に混じって生活してる系が好みのため、本書でいちばん気に入ったのは「幽」でした。病気療養のためぶらぶら兄弟の家に居候している中年の主人公が昔の同僚にばったり会い、彼が留守にするという古い一軒家に住むことになるも、どうもそういえばアイツは死んだって誰かに聞いた気もするし、住んでみればその家はいつのまにかちょいちょい間取りが変わったりもしていて、仲良くなった隣の女ももしかして生者ではないのではないかと思われる節があり、となるとそもそも、自分自身もホントに生きてるんだかいつのまにか死んでたのに忘れてるだけなんだか・・・という。

    初期の短編では「無縁」が好きでした。序盤はわりと定番の、中年男がぶらぶらしてるだけの話かと思いきや、意外にも衝撃的なオチがありちょっと怖い。

    ※収録作品
    無縁/ふるえる水滴の奏でるカデンツァ/シャンチーの宵/幽(かすか)/ひたひたと/花腐し

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著者プロフィール

1954年生れ。詩人、作家、評論家。
1988年に詩集『冬の本』で高見順賞、95年に評論『エッフェル塔試論』で吉田秀和賞、2000年に小説『花腐し』で芥川賞、05年に小説『半島』で読売文学賞を受賞するなど、縦横の活躍を続けている。
2012年3月まで、東京大学大学院総合文化研究科教授を務めた。

「2013年 『波打ち際に生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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