建築文学傑作選 (講談社文芸文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062903400

作品紹介・あらすじ

建築学科の必読書は谷崎「陰翳礼讃」であるという。
文学と建築。まったく異なるジャンルでありながら、
そのたたずまいやなりたちに文学を思わせる建築、
そして構造、手法に建築を思わせる文学がある。
構成、位相、運動、幾何学、連続/不連続――
日本を代表する建築家が選び抜いた、
既存の読みを覆す傑作“建築文学”十篇。

収録作品
須賀敦子「ヴェネチアの悲しみ」
開高健「流亡記」
筒井康隆「中隊長」
川崎長太郎「蝋燭」
青木淳悟「ふるさと以外のことは知らない」
澁澤龍彦「鳥と少女」
芥川龍之介「蜃気楼」
幸田文「台所のおと」
平出隆「日は階段なり」
立原道造「長崎紀行」

感想・レビュー・書評

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  • 久々の読了。
    何か知識の支えとなればということで祖父よりお勧めされて読み始める。
    個人的に好きだったのは「流亡記」である。始皇帝が中華統一し、万里の長城を建設するに至るまでを末端の街の男の視点から描かれる。これがとても残忍。
    一般的に人が集まり、何かを作るということは徐々に生まれる一体感や完成に近づく高揚感の共有こそ醍醐味であるのに、万里の長城は巨大さゆえにそれがない。人は部品でしかない。

    それでいて出来上がったものは土を練り上げて立ち上げたもの。プロセスだけを見れば建築とも土木とも丘陵とも取れる皮肉である。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50205378

  • うーん、、わからない… 想像以上に文学的。青木淳の解説が一番面白かった。

  • 開高健の「流亡記」の文体が異様。

  • P.2020/3/16

  • 2019.03.19 図書館

  • 建築、それは構造である。

  • 建築家の青木淳さんによる「建築文学」アンソロジー。
    「建築文学」とはなにか。
    建築が出てくるから「建築文学」ではなく、
    その文学のつくりそのもので、
    建築的な問題をはらんでいるように思えるものをそう呼ぶと青木さんは定義している。
    開高健さんの「流亡記」、筒井康隆さんの「中隊長」など十の作品が収められている。
    しかし真に読むべきは巻末の青木さんによる 54 ページにもおよぶ解説かもしれない。
    青木さん自身がもともとそうなのか、あるいは建築家であるがゆえになのか、
    なかなか鋭い読み口に瞠目する。
    収録作家の一人である平出隆さんとの刊行記念特別対談(http://bit.ly/2h1lhLH)。

  • あとがきが一番面白かったかも

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著者プロフィール

1956年横浜市生まれ。建築家。東京大学大学院修士課程を修了。91年青木淳建築計画事務所(現在、AS )を設立。住宅、公共建築、商業施設など作品は多岐に渡る。《潟博物館》で日本建築学会作品賞を受賞。京都市美術館の改修に西澤徹夫とともに携わり、2回目の日本建築学会作品賞を受賞。2019年4月から同館の館長に就任。東京藝術大学教授。著書に『原っぱと遊園地』など。04年度芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。

「2022年 『イケズな東京』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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