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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784062903493
作品紹介・あらすじ
みんなの感想まとめ
戦後の日本が抱える見えない問題を浮き彫りにする物語が描かれています。米兵との間に生まれた混血孤児や、地震と放射能の影響を受けた人々の苦悩が、幼少期の忌まわしい出来事を通じて深く掘り下げられています。読...
感想・レビュー・書評
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凄まじくて、これまで読んだどの小説とも似ていなかった。
戦争に負けて以来、日本が見ないふりをしてきた様々な事象。米兵が置き去りにした混血の孤児、ひきこもり、地震と放射能。これらがオレンジの警戒色としてちらつき続ける。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
敗戦から3.11まで。米兵との間に生まれた混血孤児等の苦悩の人生が、幼少時の忌まわしい出来事を核に描かれる。読了後、放心状態に陥った。争いも災害も後を立たず疫病の流行もあった。平和も安全も脆く崩れる。都合の悪いものから目を背け蓋をすることへの警笛にも感じた。いとうせいこう『想像ラジオ』が読みたくなった。
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著者:津島佑子(1947-2016、三鷹市、小説家)
解説:石原燃(劇作家)、安藤礼二(1967-、東京都、文芸評論家)、与那覇恵子(1952-、那覇市、日本文学) -
混血児のミキちゃんが池に落ちて死んだ
オレンジ色の鮮やかなスカートをつけて浮かんでいた
不審な少年が一緒にいるところを、他の混血児たちは目撃していたが
大人の機転で、事故死として処理された
ミキちゃんが池に落ちる瞬間は誰も見てなかったし
取調べで子供たちを傷つけたくもなかったから
しかしそれから数年後
あの池の近くで
オレンジ色を身につけた女の死体が、時々発見されていることに
成長した混血児たちは気づいてしまう
それらの女の死が、あの少年のしわざによるものか
もちろん誰にもわからない
学校では低脳あつかいでいつも孤独だったその少年への偏見を
混血児たちは認めたくなかったが
一方には、あのとき蓋をすべきではなかったという後悔もたしかにあった
しかしいずれにせよ
いまさら蒸し返すこともできやしない
なぜなら、ミキちゃんを突き落としたのが自分たちではないと
証明することもできないのだから
それが戦後まもなく…といっても昭和30年代半ば頃?の話
その後、混血児たちは不安を抱えながらも大人になって
それぞれの道を歩んでいく
そして時は流れ2011年、東日本大震災が発生した
かつての子供たちも、既に死者の声を聞く年齢だったが
煮凝りのように充満した放射性物質を幻視して
生と死が交じり合う世界への確信を得ると
ようやく過去との和解を果たすこともできたのだった
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著者プロフィール
津島佑子の作品
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