周縁から見た中世日本 日本の歴史14 (講談社学術文庫 1914 日本の歴史 14)

  • 講談社 (2009年8月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784062919142

作品紹介・あらすじ

列島「周縁」に湧き上がる活力、繁栄、交流
12~15世紀、奥州十三湊、琉球王国、南西の海域世界では、交易を基盤とした自立的な権力が生まれていた。京都中心の国家の枠組を越えた、もう一つの中世史。

みんなの感想まとめ

周縁部での人々の自由な活動を描いた本書は、12世紀から15世紀にかけての日本の歴史を新たな視点から探求しています。京都を中心とした歴史の枠を超え、北の周縁や琉球、さらには東アジア海域の交流に焦点を当て...

感想・レビュー・書評

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  • シリーズの全体的にリベラル色が強いが、本刊第二部の琉球は特に強い。「(琉球の『おもろさうし』には)残念ながら朝鮮の名は出てこない152」「(グスク時代到来は日本の影響と)想定せざるをえない160」「グスク時代は島どうしの『政治の季節』だ(島どうしが戦争していた)164」「朝鮮侵略戦争(朝鮮出兵)258」

    「アチャール」名古屋大学の大橋厚子はアチャールという言葉が南アフリカから東アジアまで浸透していると研究。インドの漬け物アチャールが有名だが、日本のダイコン甘酢漬けも「あちゃら漬け」と言う274

    「倭寇は日本人を指すとは限らない」という言い方を他刊でもしているが、これは倭寇が主に対馬を拠点としていたことと関係があるかもしれない。つまり「対馬は日本の領土とほ限らない」ということ289

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    本書では日本の中心ではなく、日本の周縁として、北の周縁、琉球、そして東アジア海域に関する歴史がまとめて解説されている。
    北の周縁は日本という国が成立したから常に東へと拡大する内容となっており、奥州藤原氏が東北地方で大きな勢力であったことや蝦夷のアイヌ達との関係性などが解説されている。
    琉球については戦国時代末期に島津氏による琉球侵攻が行われるまでは東アジア海域で独立した国家として、日本、中国、朝鮮、東南アジアなどとの貿易国家として反映していたことが解説されている。
    東アジア海域に関しては日本、中国、朝鮮のそれぞれの周縁地域として、海上で生きる人々についてが解説されている。

  • 国家の求心力が弱かった12~15世紀、列島「周縁部」で起こった国境を越えた人々の自由な活動。安藤氏による津軽・十三湊の繁栄、琉球王国の成立と中継貿易の展開等、海域での国境を越えた交流により、交易を基盤とした自立的な権力は形成された。多様な民俗と文化が織りなす、もう一つの日本史を追い、京都中心の一元的な歴史展開を相対化する。

  • 沖縄自体が琉球王国としてその中に宮古や奄美という周縁を抱えていたというフラクタル構造。どこまでいっても中心はあるし、周縁もある。
    海洋民をめぐる様々なトラブルは文禄・慶長の役に関するひとつの見方を与える。
    前記の2冊とも沖縄の問題に奇しくも触れているが、今沖縄が日本の県であることは当然の事実ではない。

  • 東の果ての青森、西の果ての鬼界、そして中国にたいしダントツの朝貢回数を誇る貿易国家琉球、朝鮮と日本の間で揺れていた対馬など、複数の研究者によって語られる日本の周縁
    第一部、第二部はとても素晴らしい内容なのだが、第三部はやや毛並みが揃っていない

  • 講談社『日本の歴史』の第14巻。通史の中で○○時代としてではなく、「中世史の論点」としてテーマ設定した一冊。列島東北部、琉球、海域世界の三部構成となっている。東北はともかく琉球と海域世界は日本史のまさに周縁部分で、外国史のようなもの。興味深く読めました。

  • 周縁というのは、身分的な周縁ではなく土地的周縁でした。
    北と南の境界について。
    古代だったらいちいち中央のことを言われなくても分かったけど、中世は年号を言われてぱっと中央がどういう状態か分からなかったので、少ししんどかったかもしれない。

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著者プロフィール

1931年、東京都生まれ。東北大学助手、東北学院大学文学部教授。2021年6月没
【主要編著書】『宮城県の歴史』(共著、山川出版社、1999年)、『奥州藤原氏の時代』(吉川弘文館、2001年)

「2022年 『中世奥羽の世界(新装版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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