魔法昔話の研究 口承文芸学とは何か (講談社学術文庫)

著者 : V.プロップ
制作 : 齋藤 君子 
  • 講談社 (2009年6月10日発売)
3.73
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  • 本棚登録 :80
  • レビュー :3
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062919548

作品紹介

『昔話の形態学』で世界に衝撃を与えたプロップ。その構造的研究、歴史的研究とはいかなるものか。レヴィ=ストロースへの反論のかたちで方法論を明快に示し、処女懐胎などの異常出生譚、「笑わない王女」の昔話、「オイディプス」の類話を題材に、民間伝承の構造と歴史的現実との関係を鮮やかに分析する。口承文芸の豊かな世界に誘う最適の入門書。

魔法昔話の研究 口承文芸学とは何か (講談社学術文庫)の感想・レビュー・書評

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  • このジャンルではマックス・リューティ『昔話の本質』『昔話の解釈』以来のエキサイティングな読み物だ。(書かれたのはこちらの方が先)。灰と主人公の密接な関係や娘婿による王殺しなど、興味深いテーマがもりだくさん。白雪姫の母親が指に針を刺したのは「うっかり」ではなく子を望む呪術である、というのは、息を呑むような洞察である。
    笑いを取り上げた3章では、なんと天岩戸神話が例に引かれている。生命の創造を可能にする呪術としての「身体的露出」および「笑い」、という文脈である。天岩戸神話のこのような読み方は、日本神話ばかりを研究していたら出てこないであろう。ちなみに、ここで引用されているのはアメノウズメの踊りとアマテラス再臨。八百万の神々の哄笑については触れられておらず、著者はこれについては知らなかった可能性がある。知っていたらさぞ喜んだろう。気になるのは、アマテラスが、ともに引用されているデメーテールとは違って農耕神ではないことだ。が、岩戸隠れの原因がスサノオの農耕妨害行為であることを考えると辻褄があわなくもない。おもしろいなあ!
    さて本書では笑いを伴う行事として春の復活祭が挙げられている。キリストの復活を祝う祭りだが、自然の復活を祝う行事でもあり、農耕的性格を強く感じる。いっぽう日本には、笑いを伴う山の神の神事が冬にある。これが天岩戸神話を思わせなくもない。とすると、岩戸隠れは日蝕ではなく冬至をあらわしているという推測が成り立ちそうだ。弱いかな?
    天岩戸神話について本書で触れているのは実際のところ3行だけなのだが、それでこんなに楽しめるなんて!なんともお得。

  • 11.2.4

  • フィンランド行きの飛行機の中で読んだ。肩こったけどわくわくした。分類ってほんと面白いなあーと感じさせてくれる。でも、やっぱり、分類したものが、どこからヒントを得て作られて、語られて、というか語られるわれわれはどこまで広く考えていたのかとか、そこまで知りたい。暖炉に関する考察はさすがの一言。これはなんとかのシンボルで〜みたいな本を予想していたら、そんなことは全くなく、解剖学の本みたいだった。うーんやっぱこのジャンルは面白い!

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