天災と国防 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 257
感想 : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062920575

作品紹介・あらすじ

標題作「天災と国防」ほか、自らの関東大震災経験を綴った「震災日記より」、デマに対する考察「流言蜚語」など、地震・津波・火災・噴火などについての論考やエッセイ全十二編を収録。平時における備えと災害教育の必要性など、物理学者にして名随筆家ならではの議論はいまだに有効である。天災について再考するための必読書。

感想・レビュー・書評

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  • 名大の福和先生が著書で何度も引用していたけれど、そこまでの濃密さがある訳ではない。
    むしろ、雑記的な性格の強い本と思った。

    そんな中でも、
    「人が絡んでいるからこそ完全な対策は無理」
    「優先学的災害論(防災できる人が生き残る)」
    「災害とメディア(大げさに切り取る?)」
    といった点は印象的。
    また、ラストの「厄年とetc.」は、40前後にして惑っているような哲学的内容。

  • 天災にあうと人はなぜ、と理不尽な思いをするが、天災は一定のスパンで一定の確率で必ず起こるものだし、それを防ぐための科学的思考が大事なのだと思う。本書の刊行は2011年なので東日本大震災を機に改めて脚光を浴びたものと思うが、それ自体我々の忘れやすさを表しているようにも思うが、少なくとも科学的思考をもって意識することはできるのだと、そう前向きにとらえたい。

  • 519.9||T||B10049177

  • ‪寺田寅彦が大正〜昭和初期に書いた災害に関する随筆の再構成集。
    古さを感じないのは、作者の視点と行動の原則が的確だから。そして人が変わっていないから。この後の戦争や災害を経ても哀しいくらい人は変わっていない。ロジカルに考えず忘れっぽい。
    文明が進化するほど非常時の被害は甚大になる皮肉。‬

  • 天災についての色褪せない金言がたくさん。特に津波と人間は今のことのよう。

  • 文学
    サイエンス
    東日本大震災

  • いかにも科学者的で冷静な文調で、妙にいきりたっていないところに好感。寺田寅彦だったら、今の原発事故について、どう分析するのだろう。畑村洋太郎さんの解説文も読みごたえアリ。へたな原発本より読後にすっきりできた。

  • 18/5/31 7年ぶりに再読

  • 新書文庫

  • あまりに淡々と、至極真っ当な真実の警鐘が書かれていることに、大いなるショックを受けた。
    そして、本論文を著したのが、戦前に活躍した物理学者 寺田寅彦先生であるということに、二度目のショックを受ける。

    表題タイトルの論文を含む寺田虎彦先生の随筆集。
    天災に対する備えを説いた本小論文は、充分に現代であっても通用する考え方。
    現在の利益至上主義であり防災、国土保全、そして未来を考えることを忘れた官僚や国会議員達は、まず本論文を熟読し性根を叩き直す必要があろう。

    長くなるが、本文を引く「悪い年回りはむしろいつかは回ってい来るのが自然の鉄則であると覚悟を定めて、良い年回りの間に充分の用意をしておかなければならないということは、実に明白すぎるほど明白なことであるが、またこれほど万人がきれいに忘れがちなこともまれである。
    もっともこれを忘れているおかげで今日を楽しむことができるのだという人があるかもしれないのであるが、それは個人めいめいの哲学に任せるとして、少なくも一国の為政の枢機に参与する人々だけは、この健忘症に対する診療を常々怠らないようにしてもらいたいと思う次第である。」
    熊本地震でいち早くテント村を立ち上げた野口健氏。そして彼を支えた総社市との連携は、まさにこの思想の具現化であると思われる。 http://www.noguchi-ken.com/M/2016/05/post-836.html
    昭和9年に書かれた小論文「天災と国防」、これこそ、国会議員に読ませたい論文である。

    表題先のほかにも、白木屋火災、函館大火、関東大震災、台湾地震の記録などがまとめられている。
    また、災難雑考には、このような一節が
    「もっともだいじなことは、今後いかにしてこういう災難を少なくするかを慎重に研究することだろうと思われる。」
    「しかし、多くの場合位に、責任者に対するとがめ立て、それに対する責任者の一応の弁解、ないしは引責というだけでその問題が完全に落着したようが気がして....」
    原発事故、オリンピック招致(災害だったんだ)、都知事....多くの災害に通じる考え方であると思う。

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著者プロフィール



「2022年 『寺田寅彦随筆集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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