天災と国防 (講談社学術文庫)

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感想 : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062920575

感想・レビュー・書評

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  • [ 内容 ]
    標題作「天災と国防」ほか、自らの関東大震災経験を綴った「震災日記より」、デマに対する考察「流言蜚語」など、地震・津波・火災・噴火などについての論考やエッセイ全十二編を収録。
    平時における備えと災害教育の必要性など、物理学者にして名随筆家ならではの議論はいまだに有効である。
    天災について再考するための必読書。

    [ 目次 ]
    天災と国防
    火事教育
    災難雑考
    地震雑感
    静岡地震被害見学記
    小爆発二件
    震災日記より
    函館の大火について
    流言蜚語
    神話と地球物理学
    津波と人間
    厄年とetc.

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 今に通じる内容。
    陸海空軍以外に、第4ジャンルとして新たな天災対策軍を作った方が良いのでは、というのには納得させられた。今ではそういうのもあるんだろうけど。
    あと、旧来からの建物がなぜ壊れないかと言う論で「自然淘汰」の話が出てきたのが興味深かった。天災に逆らおうというのは現実的ではない。だからその天災から安全地帯に逃げた結果、被害が少なくて済む場所に自然に集落ができた、と。
    今回の大震災の津波被害も、沿岸部から山に集落が移動するきっかけになるんだろうか。どこが安全だなんて言い切れないのが現実だが。

  • 震災直後によく取り上げられたエッセイ。

    「為政の枢機に参与する人々だけは、この健忘症に対する診療を常々怠らないようにしてもらいたいと思う次第である」
    「数千年来の災禍の試練によって日本国民特有のいろいろな国民性のすぐれた諸相が作り上げられたことも事実」

  • 東日本大震災から2年を過ぎ、あのときのこわい思いを少しずつ忘れている。こわい思いを忘れることは、前を向いて歩いていくためにはよいことでもあるけれど、やはり忘れてはいけないこともある。
    この本は大正~昭和に書かれたものであるのに、今なお、私たちに教訓を伝えてくれる。地震や津波だけではなく、火事についても示唆に富んでいる。マスコミのあり方も、当時も今も全く変わっていないようである。もともとは物理科学者だけあって、とても冷静で分析的な文章で、説得力に富む。個人的には、関東大震災について、当日から数日間の様子が書かれた「震災日記」が大変参考になった。やはり経験しなければ書くことができない内容だと思う。
    一方で、解説については、もっと解説に徹するべきだと思った・・・解説を担当した畑村洋太郎氏の自説の量が多く、これでは解説にならないのでは?と思ってしまった。もちろん、畑村氏の自説は大変参考になるのだが、それならば畑村氏の本として読みたいわけで、あくまでも解説を担当しているわけだから、もっと解説に徹するべきなのではと感じてしまった。

  • 昭和初期に発表された文章が今現在でも当てはまってしまうという事は、
    人は基本的には変わらないのかもしれない。
    人は忘れる、考えたくない事は考えなくなる。
    だけど、
    教育によって経験によって誰かの記憶によって歴史によって少しづつ前進出来ると信じたい。
    天災が起こり人災も起こる。
    自分達の次、それから先までの時代に伝えていかなければ
    いけないんだろう。
    あとがきも読み応えがありました。

  • 関東大震災の頃に書かれたとは思えないくらい今の状況にぴったりと当てはまる意見が多かった。人間は学ばないいきものなのね。

  •  著者は大正から昭和にかけて活躍した物理学者。稀代の随筆家としても知られ、その作品の多くは今も読み継がれている。
     本書は、そんな著者が災害について書いた文章をまとめた一冊。「20世紀の現代では日本全体が1つの高等な有機体」であり、「文明が進めば進むほど天然の爆威による災害がその劇烈の度を増す」というように、文明を物理学者の立場から批評する視点が新鮮だ。「あらゆる災難は一見不可抗的のようであるが実は人為的のもの」だと説く著者は、全編を通して過去に学ぶことの大切さを強調する。
     著者の思想は失敗学の先駆けとも言えるコンテンポラリー性を持ち、まったく古びていない。

  • 寺田寅彦の災害に関する随筆集。文明が進めば進むほど天然の暴威による災害がその劇烈な度を増すこと、平生からそれに対する防御策を講じなければならないことを再認識できた。

  • 2012/05/29-20:57 古い、今でも有効だが新しくもない。しかも解説が鬱陶しい

  • 地球物理学者にして、夏目漱石の文学上の弟子でもあった寺田寅彦のエッセイ。

    特に、昭和八年に東北を襲った大津波に関するエッセイ『津浪と人間』は、そのまま今回の東日本大震災に用いることができるものだ。三陸大津波、昭和八年の大津波での教訓を、後世のわれわれに伝える内容である。

    逆に言えば、われわれは何も進歩していないということか。

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著者プロフィール

1878年‐1935年。東京生まれ(高知県出身)。熊本の五校で夏目漱石に英語を習う。東大物理学科を卒業し、ヨーロッパ留学後、東大教授。理化学研究所、東大地震研究所の研究員としても活躍。物理学者、俳人、随筆家。

「2022年 『万華鏡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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