- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062920575
感想・レビュー・書評
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寺田寅彦が大正〜昭和初期に書いた災害に関する随筆の再構成集。
古さを感じないのは、作者の視点と行動の原則が的確だから。そして人が変わっていないから。この後の戦争や災害を経ても哀しいくらい人は変わっていない。ロジカルに考えず忘れっぽい。
文明が進化するほど非常時の被害は甚大になる皮肉。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
名大の福和先生が著書で何度も引用していたけれど、そこまでの濃密さがある訳ではない。
むしろ、雑記的な性格の強い本と思った。
そんな中でも、
「人が絡んでいるからこそ完全な対策は無理」
「優先学的災害論(防災できる人が生き残る)」
「災害とメディア(大げさに切り取る?)」
といった点は印象的。
また、ラストの「厄年とetc.」は、40前後にして惑っているような哲学的内容。 -
震災直後によく取り上げられたエッセイ。
「為政の枢機に参与する人々だけは、この健忘症に対する診療を常々怠らないようにしてもらいたいと思う次第である」
「数千年来の災禍の試練によって日本国民特有のいろいろな国民性のすぐれた諸相が作り上げられたことも事実」 -
関東大震災の頃に書かれたとは思えないくらい今の状況にぴったりと当てはまる意見が多かった。人間は学ばないいきものなのね。
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残念ながら地震雑感とそれほど変わりない。重要な事を言っているのはわかるけど、出版社側のちょっとした怠慢じゃないだろうか?