イスラームの「英雄」 サラディン――十字軍と戦った男 (講談社学術文庫)

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  • 講談社 (2011年11月11日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784062920834

作品紹介・あらすじ

マムルーク朝のバイバルスとともに、イスラーム史上の英雄と称されるアイユーブ朝のサラディン。アラブと十字軍の50年以上にわたる覇権争いに終止符を打ち、十字軍から聖地エルサレムを奪回した「イスラーム世界の英雄」として知られる彼は、同時代のアラビア語史料や伝説に「アラブ騎士道の達人」「慈悲深い高潔な人物」と謳われ、ヨーロッパでも智者、果敢な騎士、寛大な性格の人物と評されました。アラブ側は異教徒と勇敢に戦った英雄として、ヨーロッパ側はアラブ騎士道の体現者として、サラディンを描きつづけています。そのような伝説に彩られた人物の実像とはどのようなものだったのでしょうか。本書は、サラディンが、どのような政治・経済・社会状況にあって、どのように考え、どのように行動したかを明らかにします。さらに、伝説と事実を峻別したうえで、架空の伝説も人々の願望の表れとしてとりあげ、「人間としてのサラディン像」をあざやかに描き出す、「英雄」の実像に迫った本格的伝記です。
〔原本/1996年、講談社選書メチエ〕


【本書の内容】

プロローグ――サラディンの生きた時代

第一章 修行時代
 1 誕生
 2 カリフ権力の衰退と十字軍の侵攻
 3 少年サラディン
 4 ヌール・アッディーンとの出会い
 5 エジプト遠征

第二章 エジプトの若きスルタン
 1 アイユーブ朝の創設
 2 バイナル・カスラインの戦い
 3 サラディンの補佐役たち
 4 イエメン征服の謎
 5 シリアへの進出
 6 新体制の確立

第三章 カイロからエルサレムへ
 1 エジプト経済の繁栄
 2 聖戦(ジハード)へ向けて
 3 エルサレム奪回
 4 アッカーをめぐる攻防
 5 サラディンの死

エピローグ――サラディン以後

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

イスラーム史上の英雄として知られるサラディンの実像に迫る本書は、彼の生涯や治績を詳細に描写しています。著者は、アラビア語の伝記史料を基に、サラディンがどのように指導者として成長し、アイユーブ朝を創設し...

感想・レビュー・書評

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  •  イスラームの「英雄」と呼ばれるサラディン。エルサレムを奪回し、十字軍と戦った人物という程度の知識しか持っていなかったので、もう少し詳しくその生涯や治績等を知りたかったことから、読んでみたもの。
     サラディンは1100年代の人であるが、アラビア語の伝記史料が何点もあり、後半生についてはかなり詳しく記録があるということに先ずは驚いた。そうした史料を元に著者はサラディンの行動を跡付けていく。
     メインは、サラディンが指導者、支配者へと駆け上がっていく過程や統治者として行ったこと、また、軍事面での動きが描かれるのだが、それらとともに、生地タクリート、子ども時代を過ごしたバールベック、少年時代から30代始めを父とともに過ごしたダマスクス、政権を取りアイユーブ朝を創設したエジプトの都カイロといった主要な町の様相が簡潔に描かれる。また、イクタ―制や軍団編成といった当時の政治経済、軍事等の状況が説明される。

     サラディンは、分裂していたイスラーム世界を統一した訳だが、エジプトとシリア地域の関係、ジハードというものの意義、十字軍国家との単純ではない関係など、いろいろと学ぶべきことが多かった。

  • 新書文庫

  • サラディン研究で非常に役に立った。
    むっちゃ熱狂して2日で読了。読んでいるのが本当に面白かった。

    内容は実に冷静な分析で
    英雄視しがちなサラディンを客観的に叙述している。
    最後の方ではエピソードを通してサラディンの人間性を垣間見れ
    そこを取り上げる著者のユーモアさを感じた。

    2011年春に著者・佐藤次高先生が亡くなったとのことで
    ご冥福とお祈りすると共に、このような名著を残してくれたことに感謝します。

  •  ヨーロッパでも英雄として扱われるサラディンの真の姿に迫ることを目的とした本。伝説や後世の記述抜きで考察している。
     サラディンの行動は実際のところ寛容と言えるのか、サラディン独自の性格によるものなのかということに迫っていて興味深かった。

  • 少年ジャンプの主人公!?のようなサラディンの生涯をエピーソードを交えつつ、当時の社会情勢、文化など多角的な視点で解説した本。
    十字軍はキリスト教徒vsイスラム教徒の対立だけでなく、十字軍とムスリムが手を組んで対抗勢力のムスリムと戦ったこと、サラディンがヴェネツィアなどのイタリア諸都市と協約を結んで鉄や木材を調達していたなど、当時一筋縄ではいかない社会状況が戦争に密接に絡んでいることが分かる。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/740796

  • 2011-11-18

  • 読了。

    イスラームの「英雄」サラディン ~十字軍と戦った男~ / 佐藤次高

    イスラームの英雄と言われるサラディンを追ったサラディン伝です。

    十字軍系の本を読んで、西洋が必ずしも正ではないと知った後に、イスラーム側からの本「アラブが見た十字軍」を読み、サラディンの特化した物語が読んでみたいなと思って買った本でございまして、すごーく長い間積んでありました...w

    イスラムからも英雄と呼ばれ、西洋からも英雄と呼ばれる所以などを見たく、
    またCivilization4の動画を前にみてて、「絶望サラディン」と呼ばれるくらいサラディンは弱いらしく(Civilization4はやったことはない)
    そのイメージを引きずりながらのサラディンとはどんな人かを見たくなった次第です。

    サラディンは名前ではなく、尊称でサラーフ・アッディーン(宗教の救い)の西洋訛りらしい。驚きです。
    名前じゃなかったのかよ!という思いです。
    ユースフらしいですね。
    後に確立するアイユーブ朝のアイユーブは父ちゃんの名前です。
    サラディンの本名にもミドルネームの何個か目にアイユーブが入ってるはずですね。

    シリア国内での戦い、エジプトへの遠征、十字軍との戦い。なかなか人生すべて戦いみたいなど真ん中な地域であり時代でありますね。おつかれさまです。

    たいへん面白く読みました。

    アルスラーン二世とか名前だけ出てきたので、アルスラーンっていう人いるんだ...と再確認しましたw

  • 塩野七生の十字軍物語3を読んでたので、同時代のイスラム側(というかサラディン)視点で読めて良かった。偉大な英雄も、あちらこちらに気を使いながらぎりぎり政治的なバランスをとって動いてたのね。内容は、ページ数も少なくあっさりしすぎて物足りなかった。読みものとしてはよろしくない。構成がちぐはぐで読みにくい。

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著者プロフィール

東京大学東洋史学科卒業、同大学院人文科学研究科博士課程中退。東京大学、早稲田大学で教授を歴任。東洋文庫研究部長。史学会理事長を務める。文学博士。東京大学名誉教授。専攻は、アラブ・イスラーム史。著書に『中世イスラム国家とアラブ社会』『マムルーク』『イスラーム世界の興隆』『イスラームの国家と王権』ほか多数ある。1942~2011。

「2011年 『イスラームの「英雄」 サラディン――十字軍と戦った男』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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