- 講談社 (2012年4月11日発売)
本棚登録 : 380人
感想 : 40件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784062921084
作品紹介・あらすじ
過去の景観の残片は、さまざまな形で地図に姿を留めている。地名や地形、道路、寺社などの位置関係と実地の検分から、そこに生きた人々の「地表経営」とその意図を解明する<歴史地理学>の楽しみ。聖武天皇の都・恭仁京の全貌、信長の城地選定基準、江戸建設と富士山の関係など、通常の歴史学ではアプローチできない日本史の側面に新たな光をあてる。
原本は、『景観から歴史を読む―地図を解く楽しみ』(1998年、日本放送出版協会刊)
みんなの感想まとめ
地図を通じて歴史を探求する楽しさを伝える本で、古地図や地名、地形を手掛かりに、過去の都市形成や人々の営みを解明します。特に「歴史地理学」の視点から、古代・中世・近世の三つの章で、都や荘園の町割り、信長...
感想・レビュー・書評
-
古地図を元にして歴史を研究する本、という感じでしょうか。地名や道の有様などを史料として昔の都市の様子や、都市づくりのプランがどんなものだったかなどを考えていく。
こうした視点の本になかなか出会えないので面白かった。
底本・「景観から歴史を読む -地図を解く楽しみ」 日本放送出版協会 1998年詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
地図に記された地名や町割り、地形などから、都市の形成史や地名の由来など様々なことを解明していく「歴史地理学」の面白さを伝えてくれる本。
過去の地理や景観を知るための貴重な「固有の資料」として、筆者は地図を長年研究してきており、文献や出土品とはまた違った角度から歴史にアプローチできるということを知ることができ、大変興味深かった。
本書では、「古代・中世編」、「近世編」、「地名編」という3つの章立てで、筆者がこれまでに地図を通じて解き明してきたことを紹介している。
古代編では、都や国府の町割り、田畑の条里などを手がかりに、都市や荘園などがどのような形で形成されており、その痕跡が今の地図にも残っているのかを探るというテーマが取り上げられている。
この時代について、特に荘園など都を離れたところでの土地利用については史料が残っていないことが多いが、地図に記された道の形や集落の地名などを空いたピースを埋めるようにつなぎ合わせることで、古代の荘園の景観などが浮かび上がってくる。
近世編では、織田信長の城地選定、豊臣秀吉や徳川家康の「首都」の作り方に対する考え方について取り上げている。地形やそこから見える風景を丁寧に解析することで、それぞれの個性が見えてくる。特に、家康が江戸に関東の拠点を置いた大きな理由の一つが、「富士山が見えること」だったのではないかという仮説は、これまでになく興味深かった。
地名編では「野」とつく地名の由来、溜池はどのような場所に多くつくられるか、飛鳥や日下などの特殊な読み方をする地名はどのような経緯でその字が充てられたのかなど、歴史と地理の融合を感じさせるような内容を紹介している。
いずれの章でも、一般的によく紹介される説とは異なる仮説や、より深く掘り下げた解釈を検討しているところが、面白かった。
地図は、現在の地理を示すだけではなく、そこにある地名や道、地形といったものが過去の姿を部分的に示しており、それらをヒントに推理をつなげていくことで、様々な景観や人の営みが豊かに浮かび上がってくるものであるということを、教えてくれる本だった。 -
面白そうと思ったところを読む短編小説的な感じでした。信長の安土、家康の江戸なんかはブラタモリと重ねながら見た。
-
ブラタモリを飽きずに見られるならと思い読む。
都ができた頃から戦国〜江戸と、地図から歴史を紐解いていく。さらには土地の名称や読み方、溜池や市内道路の呼び名などまで様々な話も。
学術的な裏付けとともに説明される様子は、歴史側からも地理側からも興味深いストーリーで読んでいて楽しい。 -
いったいどうしてこのような地名が付いたのか、古道はどのあたりを通っていたのか、そしてどうしてそのことがわかるのか、ということを解説してくれている。楽しい読み物ではなくて、おそらくは古代の歴史をしらべる作業はすべてそうなのだろうが、地味である。そして自分の地元のことであればもう少し興味を持って読めるのかもしれないが、あまりなじみのない地方こととなるといまいち実感もわきにくい。歴史を調べるというのはこういうことなんだ、という雰囲気を知るのにはいいと思うが、とにかくまじめな固い本。
-
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/740837 -
地名の由来はその土地の歴史が詰まっていて、知的好奇心を刺激する。
なぜそんな読み方なのかとか、理由を知るとその土地の見え方も変わってくる。
自分の住んでいるところとか、身近な所をまず深掘りしたくなる。 -
地図を読む事が楽しくなる内容だった。
特にNHKの『ブラタモリ』を楽しく視れた人なら確実に楽しめると思う。
[more]
自分としては特に楽しく読めたのが戦国時代を代表する大名である信長、秀吉、家康の築城や街づくりから当時の状況が浮かび上がってくるのが面白い。また、三者三様の考え方が伺えた。
また、最後の道に関する解説は普段から聞き馴染んでいる『通り』、『筋』が特別な物に見えてきて大変に面白かった。 -
-
多分再読。すべてを理解できたわけでもないが、なるほどという感じ。
-
地形地図から歴史を読み解く。面白いが、どうしても西日本中心なので土地勘がなくイメージがわきづらい。
-
史実では無く地形から歴史を考察する観点が新鮮。
特に秀吉の築城地の狙いに対する考察は興味深い。 -
20150810B&Bで購入。図書館未所蔵。
条里制って何なのか知りたかったこともあって購入。
歴史地理学なんて興味深い学問があるなんて、素敵すぎる。
なぜその場所にある特定の役割が持たされたのか、城が築かれ、都が置かれ、道が作られたのか。なぜ山にそんな名がついたのか。地理学的な視点から説明していく足利先生の思い入れたっぷりさに、ドン引き手前ギリギリである。しかしこの熱さがスバラシイ! -
地図に残された歴史的事情を読み解く
-
2014年7月27日に行われた、第17回ビブリオバトルin生駒で発表された本です。テーマは「海・山」。
-
全く違った視点から歴史を眺めることができて非常に面白い。予備知識の多かった信長・秀吉・家康編はとくに新しい見方が出来てワクワク読み進めることができた。
-
地図こそ歴史を知る一級資料である。地形や地名、道路や遺跡の位置関係から過去の景観と人々の営みを復元する、歴史地理学への入門。
過去の景観の残片は、さまざまな形で地図に姿を留めている。地名や地形、道路、寺社などの位置関係と実地の検分から、そこに生きた人々の「地表経営」とその意図を解明する“歴史地理学”の楽しみ。聖武天皇の都・恭仁京の全貌、信長の域地選定基準、江戸建設と富士山の関係など、通常の歴史学ではアプローチできない日本史の側面に新たな光をあてる。
「歴史地理学」という分野の本を初めて読みました。地図・・・地名、道路、地形などから人々の生活を想像・推理し、当時の景観に思いをはせ、すべての情報を統合して歴史を紡ぐという学問であり、その論理のアクロバットは圧巻です。著者の足利先生はすでに亡くなっていますが、没後十数年を経て文庫化された本書は、あっという間に版を重ね、読み継がれているようです。 -
面白い。
あまりに自信たっぷりに書かれているので、信じてよいのか心配になった。
古代の話は、自分では全く調べようもないのだが、大阪の「筋」が南北に通り、東西が「町通り」であるという話は、現代の地図でも明らかに読み取れるので、主張に納得するしかない。そこから類推して、他の話も信用すべきなのだろうと思った。
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
足利健亮の作品
