新井白石「読史余論」 現代語訳 (講談社学術文庫)

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  • 講談社 (2012年11月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784062921404

作品紹介・あらすじ

「正徳の治」で名高い大儒学者による歴史研究の代表作。古代天皇制から、武家の発展を経て江戸幕府成立にいたる歴史を九変・五変に時代区分して論じ、徳川政権の正当性を主張する。天皇家や源頼朝、足利幕府への客観的で冷徹な評価、為政者の不徳と失政に対して天命が革まる「易姓革命」への警鐘など、実証的で先駆的な史論の現代語訳。(講談社学術文庫)


江戸期の大知識人による先駆的な歴史研究
天皇家の衰退から秀吉の天下統一への過程を実証的に描き、徳川政権の正当性を主張。
独自の歴史観を読みやすい訳文で。

「正徳の治」で名高い大儒学者による歴史研究の代表作。古代天皇制から、武家の発展を経て江戸幕府成立にいたる歴史を九変・五変に時代区分して論じ、徳川政権の正当性を主張する。天皇家や源頼朝、足利幕府への客観的で冷徹な評価、為政者の不徳と失政に対して天命が革まる「易姓革命」への警鐘など、実証的で先駆的な史論の現代語訳。(解説・藤田覚)

おおよそこれらの人びとのふるまいは、どう考えても大臣らしい行いとはいえない。思えば、よくよく恥を知らぬ人びとであった。(中略)世の中がすこしでも平穏になると尊位厚禄にあぐらをかき、武士をまるで奴婢や雑人のようにしか思わず、世間が乱れたときにはこそこそするばかりで、一人として身を投げだして忠功をはげむ者もいなかったのは、公家と僧徒だけ。まことに国家の害毒というのは、こういう連中のことをいうのであろう。だから、天道は、天に代わって功を立てる人に報いるのが道理ゆえ、その後に武家が世を治めたのも、理由のあることだと考える。――<本書第三巻より>

※本書の原本は、1969年、「日本の名著 15『新井白石』」として、中央公論社より刊行されました。本書は、中公バックス版「日本の名著 15」(1983年刊)を底本としました。

みんなの感想まとめ

歴史の流れを九変・五変に分けて論じ、古代から江戸時代までの日本史を実証的に描写する作品は、徳川政権の正当性を主張しつつ、為政者の不徳や失政を冷静に評価しています。著者は、天皇家や源頼朝、足利幕府など歴...

感想・レビュー・書評

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  • 神武天皇から天武天皇以前の頃まで熊襲や蝦夷の反乱が起きれば、天皇自ら討伐を行い、将軍に任せて座っているだけということはなかった。
    天慶の乱から平家が滅びるまで戦乱は12度に及んだ。神武以来14度に過ぎなかった戦乱が非常に増えた時代だった。
    東国や仏門の謀反を鎮圧するため源氏平氏が派遣されるようになり、何れかに不正があれば他方が討伐の命を受けたため、仇敵のような関係が生じた。
    源頼朝は乱れた世を平定したが、猜疑心が強く親族を多く殺したため、その子孫は北条氏に滅ぼされた。
    北条義時は帝を廃し、源氏一族を多数忙殺した我が国の歴史を通じ、第一の小人物である。
    足利尊氏は後醍醐天皇、弟直義と争い天下は乱れた。尊氏が武家の棟梁となれたのは源氏の血筋の良さと建武新政という朝廷政権への世間の悪評があったためである。
    信長は残虐な性格であり、一族を誅殺し、妹を政争に巻き込み、臣下に殺された。子孫が絶えたことは当然である。
    秀吉が明智を討ったことが評価されているが、実際は信長の子信孝の功績が大きい。自分の功績と宣伝したことはみっともない。

  • [転政の理]江戸幕府成立に至るまでの日本史を、「九変・五変」の時代区分を用いて解説した作品。不徳と失政を原因として天が改まる「易姓革命」への言及など、儒学の影響が色濃く現れた考え方が提示されています。著者は、江戸時代中期のを代表する儒学者の新井白石。現代語訳は富山大学や桃山学院大学の教授を歴任された横井清。

    歴史の教科書で著作名だけ覚えた記憶があったのですが、読んでみるとあまりに膨大かつ長大な歴史記述に驚かされました。訳者あとがきにもありますが、現在に比して入手可能な資料が限られる中での著述だったことを考えれば、その精緻な日本史に関する知識には敬服を覚えるほかありません。今日の言葉を用いれば、新井白石をして「再構築」された日本史が,どのような流れを湛えているかを知ることができる点が本作の妙かと思います。

    〜悪心を抱いて南朝天皇の系統を絶やしてしまったことこそ、けしからぬことである。......しかし、南朝がこのように彼らのためにあざむかれたのも、みな後醍醐天皇の過失が子孫におよんだことであるから、みだりに彼らを恨むべきではないだろう。〜

    久しぶりの日本古典でした☆5つ

  • 因果応報と正名思想。

  • 一般読書人にとって、通勤時間は貴重な読書時間であることが多い。岩波の「日本思想体系」は持ち歩いて読む本ではない。この点で講談社の学術文庫は重宝している。古典を現代語訳までして読むのであるから、重要な本なのである。
    さて、本書が「日本の名著15『新井白石 』」(中央公論社、1969)に載ってから久しい年月が過ぎた。第一巻の総論に続く部分が編集上の制約から割愛されていた。今回も残念ながら項目を箇条書きしただけで読むことはできなかった。その代わり、藤田覚氏の解説が加わった。
    また、新井白石が家宣に進講した当日の歴史研究の限界からの原典の錯誤については詳細な補注で補っており、注意が必要である。
    いずれにしても、教科書に載っている本がサクッと読めるのはありがたい。

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著者プロフィール

1935年、京都市生まれ。立命館大学大学院博士課程中退。部落問題研究所、京都市史編さん所などに勤務したほか、富山大学教授、桃山学院大学教授を歴任。おもな著書に『中世民衆の生活文化』『東山文化』『下剋上の文化』『的と胞衣』『光あるうちに』『中世日本文化史論考』『室町時代の一皇族の生涯』などがある。

「2012年 『新井白石「読史余論」 現代語訳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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