カント「視霊者の夢」 (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062921619

作品紹介・あらすじ

理性によって認識できないものは、形而上学の対象になりうるか-。哲学者カントが、同時代の神秘思想家スヴェーデンボリの「視霊現象」を徹底的に検証。当時当い世評を得ていた霊能者へのシニカルかつ鋭利な批判を通して、人間の「霊魂」に対する哲学者としての見解を示す。『純粋理性批判』に至るステップとなった、重要著作。

感想・レビュー・書評

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  •  カントらしい物の見方であるけれど、何より面白いのは「仕方なく書いた」感がひしひしと伝わってくるところである。カントにとって「霊魂」というものは議論に値しないものではあるが、霊界を観てきたとスヴェーデンボリとの対決を周囲から望まれ仕方なく書いた、とうふうである。しかしながら、スヴェーデンボリを批判するように見せかけて形而上学を批判しており、煽り文句にある通り三批判への前段ともとれる興味深い内容となっている。

  • 面白かった⁉️

  • カントによるスウェーデンボリへの見解。哲学者がオカルトについて語る。大意は想像したとおり。割と誠実に語っていると思う。バッサリと切り離しつつ、慎重にディスっている。その微妙な歯切れが面白いといえる。でも、想像している大意以上でもないのでカントならそりゃこうかもねって感じ。

  • 10年以上前に坂部恵と柄谷行人の対談をネットで読んで興味を覚え岩波カント全集を大きな図書館から取り寄せ読んだ。参考のためコピーを取り何回か読んでみたけれどどうしても読み切れない。自分で理解できている感触がない。

    この文庫で再挑戦してみたら意外に読みやすい。なるほどいままで解らなかったのが嘘のようである。こういった本は少しの解り易くする工夫でこんなにも読みやすくなるものなんだなって感動した。

    この本も図書館で借りたけれど、感動するほど良かったので買ってしまいました。

  • 何とか現代でも通じる論理なのは流石

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著者プロフィール

1724-1804年。ドイツの哲学者。主な著書に、本書(1795年)のほか、『純粋理性批判』(1781年)、『実践理性批判』(1788年)、『判断力批判』(1790年)ほか。

「2022年 『永遠の平和のために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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