- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062921756
作品紹介・あらすじ
トマス・クーンの「パラダイム論」を日本に紹介した科学史の第一人者による「学問の歴史」。科学革命で生まれた新たなパラダイムが学問的伝統を形成していく過程を解明する。「記録的学問」と「論争的学問」という古代以来の東西学統の比較から、学会誌などのメディアの発明、職業的科学者の誕生、現代の巨大科学とデジタル化まで、社会的現象としての科学と科学者集団を分析。
『歴史としての学問』(1974年、中央公論社刊)を学術文庫化にあたって改題し、新たに「学問のデジタル化・グローバル化」を論じた補章を加筆。
感想・レビュー・書評
-
#科学道100冊2022
毎年恒例の企画展示「科学道100冊」に、今年新たに加わった本。
金沢大学附属図書館所在情報
▼▼▼▼▼
https://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BB12705922詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
提唱者クーン以上にパラダイム分析をされた著者による科学史。東洋「記録的学問」と西洋「論争的学問」の比較。紙の有無もこの分かれ方に大きく影響。雑誌の発展によってグーテンベルク以降の西欧では雑誌による論争が栄えるなど。面白い話盛りだくさん。再読予定。
④ -
第1章 記録的学問と論争的学問
第2章 パラダイムの形成
第3章 紙・印刷と学問的伝統
第4章 近代科学の成立と雑誌・学会
第5章 専門職業化の世紀
第6章 パラダイムの移植
補章 その後の変革とデジタル化―四十年の時を経
著者:中山茂(1928-、尼崎市、科学史) -
140726 中央図書館
科学史というよりも、大学などアカデミズムの役割や意味についてのエッセイのようだ。 -
本書の原典である『歴史としての学問』のその後を知りたく、手に取った。あとがきでは著者自身が「自分の仕事について論じる最後の機会」と述べている。学問のデジタル化により、議論が双方向的に促進されることを推定し、学問がさらに市民社会に広がるとした。最後に「学問論も科学革命」を受けると指摘している。このことから学問と科学を扱う大学も、革命を受け入れざるを得ない時代だと感じた。
-
2013 8/28 第3章まで読了。札幌の紀伊國屋書店で購入。
図書・図書館史授業用。札幌の紀伊國屋をぶらぶらしていて目に入り、これ使えるんじゃないか・・・と気付き買った。
とりあえず中世ヨーロッパにあたる部分まで読了。
特に「天変占星術型の記録的学問」と「ソフィスト-諸子百家流の論争的学問」を対比していて、東洋・中国が前者より、西洋が前者も多く入りつつ後者の要素を含むものであるとして、ギリシアまわりの話をいろいろ入れてくれているところが有難い。
授業の学問史的な側面で参考になりそう・・・パラダイム概念の拡大的利用にはいささか疑問も覚えるけど。 -
【選書者コメント】クーンのパラダイム論が理解しやすくなる。
-
30年ほど前に出した「歴史としての学問」というタイトルの復刊本。トマス・クーンの「パラダイム論」を中心に科学史について論じている。「パラダイムシフト」に代表されるように言葉だけが本来の意味を見失い、暴走している感があったが、源流はここにあったようです。