古事記とはなにか 天皇の世界の物語 (講談社学術文庫)

  • 講談社 (2013年9月11日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (344ページ) / ISBN・EAN: 9784062921909

作品紹介・あらすじ

アマテラスとは高天原にあって葦原中国まで貫く秩序の原理である。スサノヲは秩序を根源からゆり動かす巨大なエネルギーだ。オホクニヌシはスサノヲの力を得て国作りを完成する――明快な論理と一貫した作品論的態度による読解で析出される『古事記』の全体構造と世界像とは。天皇の世界たる「天下」を語る物語として、厳密な読みを示した画期的力作!


黄泉国は地上にある!
高天原は『古事記』にあって『日本書紀』にはない!
詳細な読解で『古事記』論の画期をなした力作登場!

アマテラスとは高天原にあって葦原中国まで貫く秩序の原理である。スサノヲは秩序を根源からゆり動かす巨大なエネルギーだ。オホクニヌシはスサノヲの力を得て国作りを完成する――明快な論理と一貫した作品論的態度による読解で析出される『古事記』の全体構造と世界像とは。天皇の世界たる「天下」を語る物語として、厳密な読みを示した画期的力作!

天と地とが動きはじめる世界のはじめ、天の世界高天原に神々があらわれる、そのときに、地上は「ただよへる」のみで、世界とはいえないということなのである。後に見るように、地上が世界となるのは、イザナキ・イザナミの働きによってである。つまり、地上の世界=「国」は、天の世界にあらわれた神のもとにはじめて世界となる。逆にいえば、天の世界の関与なしには地上は世界としては成り立たない。(略)これが『古事記』の語る世界のはじまりなのである。――<本書「世界の成り立ちの物語」より>

※本書の原本『古事記』は、1995年、日本放送出版協会より刊行されました。

感想・レビュー・書評

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/740899

  • 『古事記の達成―その論理と方法』(1983年、東京大学出版会)や『古事記の世界観』(1986年、吉川弘文館)などの著書で『古事記』と『日本書紀』を一体のものとして捉える「記紀神話」という枠組みを批判してきた著者が、『古事記』のテクストに沿って、その一貫した世界観を読み解いている本です。

    著者は、『古事記』と『日本書紀』を一つにすることで、日本民族の神話として「記紀神話」とみなす解釈が、従来の『古事記』についての研究では支配的だったと考えています。こうした解釈の枠組みは、津田左右吉の神代史形成論において明確にされ、さらに多元的な構成要素が体系化され、さらに古代政権におけるイデオロギーのもとで一つに取りまとめられていったという発展段階説として流布していきます。著者は、岡田精司や水林彪の祭儀神話論、あるいは大林太良や吉田敦彦の比較神話学論などにおいてもこうした枠組みが採用されていることを指摘し、批判しています。

    『古事記』は神の世界の物語であり、その枠組みのもとで天皇の支配の正統性を語った一つのテクストとして理解されなければならないと著者は考えます。著者は、『日本書紀』のコスモロジーとの比較などを通して、『古事記』に固有の物語の枠組みを解明することをめざしています。

    著者の「記紀神話」批判の概要については他の著作でも繰り返し述べられていて新鮮さは感じませんでしたが、著者による『古事記』の具体的な解釈がおおむね『古事記』のテクストの順序にしたがって語られており、その一貫した世界観を理解することができるという点でおもしろく読みました。

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著者プロフィール

<神野志>1946年和歌山県生まれ。東京大学大学院国語国文博士課程修了。現在、同大大学院教授。著書に「古事記注解」「古事記と日本書紀」などがある。

「1999年 『古事記の現在』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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