- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062922401
作品紹介・あらすじ
私とはなにか、私たちはどこからきてどこへ行くのか――。この根源的な問いにたいし、分析と還元を旗印とする科学、とりわけ「生命科学」は、有効に答えてきただろうか。「生命誌」は、科学によって得られる知識を大切にしながら、生き物すべての歴史と関係を知り、生命の歴史物語を読み取る作業である。博物学や進化論、DNA、ゲノム、クローン技術など、人類の「生命への関心」を歴史的に整理し、科学を文化としてとらえる。
DNAの解析やゲノムの解読、ワトソン『二重らせん』の翻訳など、日本の生命科学を牽引し、一般読者への啓蒙にも功績の大きい著者が、この20年あまり提唱してきた新たな学知、「生命誌」とは何か。1999年、NHK『人間講座』として放送されて好評を博したテキストをもとに、「生命誌」の基本的な考え方と今後の展望をまとめた好著。
私とはなにか、私たちはどこからきてどこへ行くのか――。この根源的な問いにたいして、分析・還元・論理・客観を旗印にしてきた科学、とりわけ「生命科学」は、有効に答えてきただろうか。著者の唱える「生命誌」は、科学によって得られる知識を大切にしながら、それを包み込んで新たな世界観を作るべく更に広く展開するものだという。それは、生き物すべての歴史と関係を知り、生命の歴史物語を読み取る作業である。
博物学や進化論、DNAの発見、ゲノムという考え方、性と死、クローン技術をめぐる議論など、人類の「生命への関心」を歴史的に整理し、科学を文化としてとらえ、社会の中に生かしていこうとする「生命誌」の取り組みと展望を語る。
『生命誌の世界』(2000年、日本放送出版協会刊)の文庫化。
感想・レビュー・書評
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「アリとフクロウとサクラを一列に並べてどちらが進歩しているか、優れているかと順位をつけようとしても無理です。それぞれに特徴がある『多様さ』こそ生きものの神髄です。」(30-31頁)
著者が発したこの言葉をネットで見かけて、興味を持った為、本書を手に取りました。
科学的視点から生き物全ての関係と歴史を読み取ることを「生命誌」と呼び、その内容を説明しています。生物について、このレベルでしっかり勉強するのは高校の授業以来(しかも、その時は真面目に聞いていなかった)ので、とても興味深かったです。
•多様だが共通、共通だが多様
•安定だが変化し、変化するが安定
•巧妙、精密だが遊びがある
•偶然が必然となり、必然の中に偶然がある
•合理的だがムダがある
•精巧なプランが積み上げ方式でつくられる
•正常と異常に明確な境はない
一見、禅問答の様にも見える、これらの生物の特徴は、そのまま、組織づくりや人生の指針に使えそうな程、奥深いです。生命の構造や歴史を知ることは、単に実用的な技術の発展に貢献することのみならず、価値観の形成に大きく役立つのだと知り、目が覚める思いでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
背ラベル:460-ナ
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/16211 -
著者の提唱する「生命誌」という考え方を説いた本。科学に
よって得ることのできる生命共通の知識を大事にしながら、
個体や種、生命全体の多様性を大事にし、その歴史物語を
読み解いていく。もとは2000年刊行という20年も前の本
なのだが、今読んでも古さを感じないのは当時の著者の慧眼
を現しているのだろう。細かな説ではなく、考え方だったり
生き方の問題。 -
以前から気にはなっていたけれど、買うまでいかなかった一冊。
今回の旅を歩く中で、自然と手にした本です。(じん) -
請求記号 460.4/N 37
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NDC(9版) 460 : 生物科学.一般生物学
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生物学、生命科学ではなく、生命誌。
遺伝子ではなくゲノムという視点から、個々の個性ある生命とともに、生命誕生からの現在に至る生物の共通性を、生物学だけではなく関連する学問や環境、文化までを含めた生きていることそのものから探るという主旨。
具体的な手法はあくまでも既知の遺伝子科学を用いながらも、その結果を単なる遺伝子の働きとみなすのではなく、過去からの生物を含めてそのことの持つ意味、その生命活動自体を把握していこうとする取り組み。
生物は遺伝子の乗り物などでは決してなく、ゲノムはまさに生命誕生から今に至るまでの生き抜くための情報を延々と伝えるために、散々使いまわしてきた冗長で非効率的だが結果として自由度のある、生命にとっての大事なバトンのようなイメージとして感じられた。 -
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★科学道100 / 未来のはじまり
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