擬音語・擬態語辞典 (講談社学術文庫)

制作 : 山口 仲美 
  • 講談社
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本棚登録 : 68
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062922951

作品紹介・あらすじ

「しくしく痛む」と「きりきり痛む」はどう違う? 江戸時代には、鶏の声を「とーてんこー」と聞いていた?――。日本語表現力の決め手となる「擬音語・擬態語」約2000語を集大成した、決定版のオノマトペ辞典。
擬音語・擬態語の歴史的研究を開拓したことで知られ、テレビでもおなじみの編者を中心に、14人の研究者が執筆した。用例を豊富に収載し、実際の使い方、用法も紹介。俳句・短歌の創作や、翻訳などにも役立つ。
「類義語」欄を設け、「ふっくら」「ぷっくり」など、似たような言葉の微妙な意味の違いも解説。
「参考」欄では、「あっさり」は「浅い」からできた語、「徳利」は酒を注ぐ音「とくとく」から、など、擬音語・擬態語にまつわる歴史的・文化的背景など興味深い薀蓄も満載。著名マンガ家の作品に現れる用例も収録し、見て楽しめるビジュアルな編集。外国人の日本語学習者にも最適。
『暮らしのことば擬音・擬態語辞典』(2003年、小社刊)を改題し、文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 辞典というタイトルですが、読み物としても面白いです。
    今は廃れてしまった言葉、時代を経てから現れた言葉、日本語の擬音語・擬態語はこれほど豊富なのかと、まずそれが驚きですね。
    この辞典は言葉のニュアンス、使用例だけでなく時代によっての意味の変遷まで解説してありますので、昔はこういう意味があったのかなどと楽しいです。
    ただ新聞・雑誌、文学作品など使用例は多岐に渡っているのですが、取り上げる作家が偏っているかな、と。脚注も同じことが何度も出てきますし、これほどの労作にケチをつけるようで心苦しいですが、その辺はちょっとどうなのって思いました。
    文字が小さいので読むには根気がいりますが、時折コラムが現れて一息つけます。そのコラムも面白いです。

  • ・山口仲美編「擬音語・擬態語辞典」(講談社学術文庫)が 出て既に10年以上になるといふ。買はうかとも思つたのだが、やはり辞書は図書館にあればよいと思ひ直して買ふのはやめた。実際、この種の辞書、それほど 必要ではない。普通の国語辞典で十分間にあふ。ニュアンスの違ひ等もある程度は書いてあるから、使ひ分けに困つても何とかなる。手許には普通の国語辞典が 何冊かあれば足りる。だからこの「擬音語・擬態語辞典」は図書館用でよい、といふより、図書館には絶対に必要欠くべからざる辞典なのである。どうしても手許の辞書で間あはなかつた時にはこれを使つた。しかし、それはめつたにないことであつた。私にはそれほど特殊な辞書であつた。それが文庫になつた。いかに 学術文庫であつても文庫は文庫である。小型になり安価になる。これは元版が売れたからこそできることではないのか。世間ではそれほどかういふ辞書を必要としてゐたのかと思ふ。皆さん、きちんと調べるのだ、私のやうに適当にはすまさないのだと思ふ。そこで本書巻頭にある「学術文庫版刊行にあたって」を見る。 最初の見出しは「読んで楽しむ辞典」(3頁)である。書評や読者カードによる分析結果である。調べて意味を知るに止まらず、語誌、語史等に及ぶ記述がおも しろいといふことである。私もそれを感じはしたが、それでも買はずにすませてきた。それで何の問題もないのだが、ここで文庫が出たのである。文庫になつた のなら買ふ、さういふことである。だから買つた。手元にあれば楽しめる。
    ・例へば最終項「わんわん」、その第一義は「犬の吠え声」(580頁)、これに続いて「江戸時代から犬の吠え声を写す語として一般的になった。」とある。 普通はここで終はるのかもしれないが、本書はここでは終はらない。この項の執筆は編者山口氏である。この人は犬の鳴き声の語史的な文章を書いてゐる。それ がここに出てくる。「江戸時代以前は、犬の吠え声は、『びよ』『びょう』と写していた。云々」辞書ゆゑにほぼこれだけの説明だが、その使用例まで載るのは 本書が「擬音語・擬態語辞典」だからであらう。全体の最後には「参考」として、「中国でも犬の声は、『ワンワン』。」とある。丁寧である。もちろん「わんわん」の他の意味も載せてある。人の泣き声、響く音、押し寄せる様、普通の意味である。これで良い。この項目、語史的説明がなければ普通の辞書である。他の項目でもこれは多い。さすがに特化された辞書である。この差が読み物として読まれることになるのであらう。今一つ、本書でおもしろいのは最下段の注である。本文2段組、その下に注である。この注は本文に対する注であるが、ほとんどは例の採られた作品の作者に対する注である。最終項「わんわん」については、内田魯庵、吉川英治、そして狂言「柿山伏」である。これがまた丁寧である。普通の辞書にこんなものはない。一々引用書やその作者に注はつけないといふ 決まりがあるのかどうか。これに助けられることもずいぶんありさうである。こちらはやや少な目であるが、コミック等からその語の使はれた場面を注として示 してある。目で見る擬音語である。言葉が見えるのはおもしろい。これもまた本書を読物に近づける一つの仕掛けであらう。かくして本書の如き辞書もまたやつ ぱり必要なのである。国語辞典の隣に擬音語辞典、類義語や反意語の辞典を持つのなら、これもまたあつてほしいものである。ちなみに、私はこの見出しを見ると短歌になりさうだと思ふ。「ちょん、ちょんちょん、ちらちら、ちらほら、ちらり、ちらりほらり、ちりちり、ちりりん、ちりん」こんな感じである。如何?

  • 基本的にこういう本は好きなのだった。

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