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- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062923125
作品紹介・あらすじ
埴谷雄高は、『死霊』という難解なことで有名な小説の作者として知られています。一方で、『死霊』は、みごとな情景描写もちりばめられた、きわめて魅力的な小説でもあります。
埴谷の有名な言葉に「自同律の不快」があります。埴谷の哲学を象徴する言葉と言っていいでしょう。
では、これは、いったいどういう意味なのか。そして、小説の形で表現された、埴谷の哲学とは、どのようなものなのか。
伝記的な事実を持ち出せば、戦前の日本共産党の非合法活動に参加し、逮捕されたあと、未決囚の独房の中で、天野貞祐訳、カント『純粋理性批判』と出会います。そこから、埴谷は、終生、哲学的思索を続けるわけです。
本書は、自身、カント『純粋理性批判』をはじめとするいわゆる「三批判書」のきわめて優れた翻訳を世に問うた哲学者による、渾身の埴谷雄高論です。
『死霊』によりそいながら、「私はほんとうに私なのか」という埴谷の「存在の哲学」を読み解き、戦後日本を代表する哲学的思索の全貌を、端正な文体で明らかにする力作です。
感想・レビュー・書評
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『再発見 日本の哲学』シリーズの1冊。
このシリーズを読むのは初めてだが、最初の1冊に埴谷雄高論を選んだのは良いのか悪いのか、自分でもよく解らないw なんというか、シリーズ全体でも異色のような気がする……。
余り著者と作品を同一視するのはどうかなぁというスタンスではあるのだが、埴谷雄高がカントに傾倒したきっかけが、『逮捕された時』というのは、その後にかなり影響があったのだろう……と思わせる。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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