論語のこころ (講談社学術文庫)

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  • 講談社
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本棚登録 : 47
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062923200

作品紹介・あらすじ

仁と礼に基づく理想社会とは何か。『論語』の実践的な読み方と、その魅力の伝え方を中国哲学史研究の泰斗が平易に説く『論語』再発見

感想・レビュー・書評

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  • とにかく分かりやすいです。日本語に取り入れられている論語であっても、前後にある話はあまり知りませんでした。読み終わった後でも「もう一回!」と思ってしまうほど面白いので、誰かに贈るのもいいと思います。

  • 日本をはじめ、東北アジアの人々に長く愛読されてきた中国古典『論語』。
    孔子の名句などを引きながら、同書が論じる道徳、人生の知恵をわかりやすく解説する。

    『論語』の大部分は、孔子と弟子、あるいは弟子たちの間の話が語り継がれ、書き継がれたもの。孔子の頃は話し言葉による表現が主であったため、文献は対話・語録・講義といった形式をとる。

    孔子は人間を、物事がきちんとわかる人と、わからない人とに区別した。その後者を〈民〉とし、彼らには高度なことを教えることはできないと述べた。

    孔子のいう民は、己の幸福を第一に求める。彼らは今の幸福な生活を失うまいとして、利己主義に走る。また、道徳的であることを忘れ、法を犯さなければ何をしてもいいと考える。

    孔子は何よりも徳性(人格・人間性・人間的常識・人生観等)を重んじた。
    こうした徳性や道徳を重視するのが儒教であり、人間社会の規範(礼)を守れ、と説く。

    『論語』は〈理不尽の世〉を生きていく上で用心すべきことを説いている。その代表例が「君子三戒」。
    ・青年期の用心は「色に在あり」:
    若者は血気盛んであるが、知性や徳性が乏しく、性欲が行動の前面に出てしまう。
    ・壮年期の用心は「闘いに在り」:
    壮年期になり、自信や見識ができてくると、財産や地位をめぐって競争となる。
    ・老年期の用心は「得(物欲)に在り」:
    老年になると友人や財産を失い、人を信じず、物だけを信じることになる。

    『論語』の言葉には、古今東西における普遍性がある。
    だからこそ、東北アジア地域(中国・朝鮮半島・日本・ベトナム北部)で多くの人が同書を愛読し、知恵を共有してきた。

  • 今さらながらだが、もちろん論語を通読したことはない。

    書かれている内容も、おそらく酒見賢一を読んでいなければ、判然としないものも多かったかもしれない。

    最後のほうの死生観とか、素直に読んでみるところとか、確かにその通りだなーと。

  • 『すらすら読める論語』に大幅な加筆を施し再編集したもの。
    論語は学校教科書で触れた程度で、日本人たるもの四書くらいは読むべしという著者の想いには遠く及ばないが、論語や孔子の生涯と時代、日本への影響も含めて、各省の冒頭部分の説明が分かりやすかった。
    論語の本文についても、テーマごとにピックアップした125文の原文、書き下し文、現代語訳、そして参考の解説では別解釈も含めて丁寧に、かつ分かりやすく編まれている。
    著者の個人的見解というか、アクの強さも端々に感じられるが、それも潔いと好感を持った。
    君子、小人、民の違い、日本仏教と儒教との関わりなど、初めて教えてもらった。
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著者プロフィール

1936年生まれ。京都大学文学部卒業。中国哲学専攻。文学博士。高野山大学助教授、名古屋大学助教授、大阪大学教授、同志社大学フェロー、立命館大学教授を歴任。現在、大阪大学名誉教授。主な著書に『論語 増補版』『孝経 全訳註』(講談社)、『儒教とは何か』(中央公論新社)、『沈黙の宗教-儒教』(筑摩書房)など多数。わが国における儒教研究者の第一人者である。

「2022年 『論語と冠婚葬祭 儒教と日本人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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