- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062923200
作品紹介・あらすじ
仁と礼に基づく理想社会とは何か。『論語』の実践的な読み方と、その魅力の伝え方を中国哲学史研究の泰斗が平易に説く『論語』再発見
感想・レビュー・書評
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とにかく分かりやすいです。日本語に取り入れられている論語であっても、前後にある話はあまり知りませんでした。読み終わった後でも「もう一回!」と思ってしまうほど面白いので、誰かに贈るのもいいと思います。
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日本をはじめ、東北アジアの人々に長く愛読されてきた中国古典『論語』。
孔子の名句などを引きながら、同書が論じる道徳、人生の知恵をわかりやすく解説する。
『論語』の大部分は、孔子と弟子、あるいは弟子たちの間の話が語り継がれ、書き継がれたもの。孔子の頃は話し言葉による表現が主であったため、文献は対話・語録・講義といった形式をとる。
孔子は人間を、物事がきちんとわかる人と、わからない人とに区別した。その後者を〈民〉とし、彼らには高度なことを教えることはできないと述べた。
孔子のいう民は、己の幸福を第一に求める。彼らは今の幸福な生活を失うまいとして、利己主義に走る。また、道徳的であることを忘れ、法を犯さなければ何をしてもいいと考える。
孔子は何よりも徳性(人格・人間性・人間的常識・人生観等)を重んじた。
こうした徳性や道徳を重視するのが儒教であり、人間社会の規範(礼)を守れ、と説く。
『論語』は〈理不尽の世〉を生きていく上で用心すべきことを説いている。その代表例が「君子三戒」。
・青年期の用心は「色に在あり」:
若者は血気盛んであるが、知性や徳性が乏しく、性欲が行動の前面に出てしまう。
・壮年期の用心は「闘いに在り」:
壮年期になり、自信や見識ができてくると、財産や地位をめぐって競争となる。
・老年期の用心は「得(物欲)に在り」:
老年になると友人や財産を失い、人を信じず、物だけを信じることになる。
『論語』の言葉には、古今東西における普遍性がある。
だからこそ、東北アジア地域(中国・朝鮮半島・日本・ベトナム北部)で多くの人が同書を愛読し、知恵を共有してきた。 -
今さらながらだが、もちろん論語を通読したことはない。
書かれている内容も、おそらく酒見賢一を読んでいなければ、判然としないものも多かったかもしれない。
最後のほうの死生観とか、素直に読んでみるところとか、確かにその通りだなーと。