- 講談社 (2015年12月11日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784062923415
作品紹介・あらすじ
秩禄処分とは、明治9年、華族・士族に与えられていた家禄を廃止し、「武士」という特権的身分を解体した変革である。現代にたとえれば、公務員をいったん全員解雇して公職を再編するようなこの措置は、なぜ、曲折を経つつも順調に実施され、武士という身分はほとんど無抵抗のまま解消されたのか。江戸時代以来、「武士」はどのように位置付けられ、没落する士族たちは、新たな時代にどう立ち向かっていったのかを明らかにする。
「秩禄処分」とは、明治9年、それまで華族・士族に世襲的に与えられていた家禄を廃止し、「武士」という特権的身分を最終的に解体した改革である。
明治維新の「三大改革」といえば、「徴兵制」「学制」「地租改正」といわれるが、本書の著者によれば、「秩禄処分」はそれに匹敵する大改革であるという。
現代にたとえるならば、公務員をいったん全員解雇して退職金も国債での支給とし、そのうえで必要最低限の人員で公職を再編するというような措置である。
この旧支配層の特権を廃止し、社会全体を再構築する政策は、曲折を経つつも順調に実施され、武家はほとんど無抵抗のまま王政復古からほぼ10年で解体されたのだが、なぜ、このようなことが可能だったのか。
本書では、そもそも江戸時代以来、「武士」とはどのようなものと位置付けられていたか、そして、没落する士族たちは、新たな時代にどのように立ち向かっていったのかを明らかにしていく。
既得権を解消して社会を再構築するという本来の意味の「リストラ」に成功した歴史から、現代の私たちが学ぶべきことは多いだろう。
〔1999年、中央公論新社刊の同名書籍の文庫化〕
みんなの感想まとめ
社会の再構築を目指した「秩禄処分」は、明治維新における重要な改革の一つであり、特権的身分である武士を解体しました。この改革がどのように実施され、武士たちがほとんど無抵抗でその地位を失ったのかを探る本書...
感想・レビュー・書評
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家禄や秩禄が漸減的に処理されましたことがわかります。始めに土佐藩など一部地方が家禄を売買可能な禄券化し、政府も後に採用します。その後大久保政権下で家禄奉還制がとられ、金禄化もしました。そして最後に強制的な金禄公債の発行、秩禄処分の完成です。士族の扱いについて当時の新聞の論調には、性急なものから慎重なものまで様々あったようですが、士族にとっては真綿で首が締まるように既得権が奪われたように見えました。
第1章で秩禄処分とは直接的には無関係に見える江戸期の武家について深く解説しています。これが後々の理解に大変有意義でした。武家は戦闘集団の最小単位を構成し、戦時への備えを義務とする代わりに家禄を得ていました。あくまで組織は戦時体制を維持しているため、普段武士が出仕する行政組織も戦時の体系に組み込まれていました。それが明治になり、軍事義務を解かれたのだから家禄が時の流れとともに流動的になるのは如何にも当然の理です。
本書は士族の中で、無為徒食と思われたくない者たち、また家禄維持に期待する者たちが征韓論を主張した可能性を述べています。しかし家禄が本来、家の保有する武力に期待して支給されたことを思い出すとき、不平士族の反抗は大変時代遅れに見えてしまいます。むしろ士族の大多数は武家の役割とそれに伴う家禄の役割が終了したことを感じていたのだと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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