ひとはなぜ戦争をするのか (講談社学術文庫)

  • 講談社
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レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062923682

作品紹介・あらすじ

1932年、国際連盟がアインシュタインに依頼した。
「今の文明においてもっとも大事だと思われる事柄について、いちばん意見を交換したい相手と書簡を交わしてください。」
選んだ相手はフロイト、テーマは「戦争」だった――。
宇宙と心、二つの闇に理を見出した二人が、戦争と平和、そして人間の本性について真摯に語り合う。

養老孟司氏・斎藤環氏による書きおろし解説も収録。

感想・レビュー・書評

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  • 文化の発展を促せば、戦争の終焉へ向けて歩み出すことができる!(byフロイト 55p)

    読み始めた時には、実はこんな感想を持つだろうと予想していた。「最も重要な問題意識ではあるが、大した発見はないだろう。なぜならば、世界的な知識人の2人の往復書簡なのに、有名でないから」しかし、今は違う感想を持っている。「もっとこの2人の発言は知られるべきだ。まだまだ、この問いに対する、2人の見解は議論され尽くされてはいない」。

    見解の大要については、異例の二つ目の解説、斎藤環さんの要約が参考になる。心理学については不案内な私だったので、フロイトがここまで個人では無く人類の課題について明確に述べていたのが、とても感慨深かった。

    そして、改めて私は佐原真さんが述べていた「人類史で戦争を始めたのは一年に換算すると大晦日のことだから、必ず人類によって終わらすことができる」という見解に確信を持つことが出来た。養老孟司さんも、脳科学の立場から、戦争は新しい社会システムから言えば古くなるだろうと予測している。養老孟司氏の云うのは、数百年数千年単位の変化なので、私はこの問いには直接答えていないと思う。フロイトの答も数百年単位の話であり、今ひとつだった。しかし、問題意識はとても大切なことを述べていた。議論をすれば、それも数十年単位に縮むかもしれない。実際これが書かれて既に84年も経っているのだ。
    2016年10月25日読了

    追記。アインシュタインのふと述べていた疑問、
    「私の経験に照らして見ると、「教養のない人」よりも「知識人」と言われる人たちのほうが、暗示にかかりやすいと言えます。「知識人」こそ、大衆操作による暗示にかかり、致命的な行動に走りやすいのです。なぜでしょうか?彼らは現実を、生の現実を、自分の目と自分の耳で捉えないからです。紙の上の文字、それを頼りに複雑に練り上げられた現実を安直に捉えようとするのです」(16p)は、
    フロイトは無視してしまった。私は見逃すことが出来ない。誰か、答えて欲しい。

  • 人間の本性ゆえに戦争はなくならないとする二人の考えはほぼ全面的に一致。
    フロイトは、タナトス(死の欲動)があるかぎり人間の攻撃性・暴力が取り除かれることは不可能だが、
    文化の発展が人間の肉体や心のあり方に変化をおこし、それにより戦争をなくす方向に人間を動かすと期待できると。

  • 少ないページでしたが、2人の手紙のやり取りを読むことができて嬉しく思います。
    特にフロイトが最後に語っている文化の発展が人間に押し付けた心のあり方が戦争と対立すると言う安心感のある意見でした。
    また後日、ゆっくり読みたいと思います。

  • アインシュタインとフロイトが戦争について手紙を交わすという事実だけですでにお腹いっぱいになりそうな内容だったが、交わされた内容も現代、とりわけ今に大きなヒントがあった。

  • 「人間にとって最も大事だと思われる問題をとりあげ、一番意見を交換したい相手と書簡を交わしてください」という国際連盟(国際連合ではない)からの依頼を受けたのはアインシュタイン。選んだテーマは「戦争」。選んだ相手はフロイト。
    二人の手紙は示唆に富むが、アインシュタインの手紙が1通、フロイトの手紙が1通で、議論が深まらない。議論の続きが知りたい。というか、ぼくも質問したい。
    当代随一の知性が「戦争をなくす方法」にそれぞれ解を出しているが、数年後には史上最悪の戦争が始まり、アインシュタインもフロイトも亡命を余儀なくされた。国際連盟も崩壊した。彼らの解は間違っていたのか。あるいは解なんかないのか。ぼくも知りたい。

  • 知のスーパースターの対談(といっても手紙のやり取りやけどね)。非常に短いが、プリミティブな質問であるだけに、以前から興味のあった一冊でした。
    1932年(昭和7年)のことなので、当時は切実な問題やし、やりきれなさとか焦りなんかもあったやろう。ましてやユダヤ系の2人ということもあり。
    手紙自体は非常に短い内容ですが、解説の2人の見解が面白い。

  • 20/09/07 #読了

  • 非常に薄い本なので本屋さんの立ち読みで読み終わってしまったものの、再読したくなり購入。それくらい良いってこと。。

  • 人はなぜ戦争をするのか
    エロスとタナトスによるところである。
    人は愛するという欲と破壊(支配)したいという両方の欲を持っている。
    これにより、人は戦争を止められないでいる。
    反対に、戦争を嫌うのは文化的なものという。
    恐らく、戦争は悪いこと、人を殺すことは悪いことと多くの人が思っているから、そのような文化になったのだろうと思う。

  • 現代人は文化的に生きるべきやなって。
    大真面目に世界平和について考えた。

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