宗教改革三大文書 付「九五箇条の提題」 (講談社学術文庫)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062924566

作品紹介・あらすじ

今を遡ること500年、1517年にマルティン・ルター(1483-1546年)は「贖宥の効力を明らかにするための討論」を公表した。これこそが、ヨーロッパに激震を走らせる宗教改革の発端となる歴史的文書「95箇条の提題」にほかならない。
この文書によって時代は確実に動き始めた。ルターはバチカンの教皇から審問を受けて、自説を撤回しなければ破門とする旨を告げられ、皇帝カール5世にも厄介者とみなされた。それらに屈することなく強い意志を持ち続けたルターは、「95箇条の提題」で説かれた内容を、その後の変化や論争を踏まえつつ、より正確に、そしてより多くの人々に伝えることを目指す。そうして不眠不休で執筆を続けたルターが頂点を迎えるのは、3年後の1520年である。この年に発表された『キリスト教界の改善について』(8月刊)、『教会のバビロン捕囚について』(10月刊)、『キリスト者の自由について』(12月刊)の三冊は、のちに「宗教改革三大文書」と称されるに至る。
本書には、従来、文庫版では『キリスト者の自由について』しか読むことができなかった「宗教改革三大文書」をすべて収めるとともに、「95箇条の提題」をも収録した。
キリスト教思想はもちろん、ドイツ思想史にも知悉した第一人者が手がけた決定版新訳、ここになる。必携の1冊がついに登場!

感想・レビュー・書評

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/741819

  • 「九五箇条の提題」
    「キリスト教界の改善について」
    「教会のバビロン捕囚について」
    「キリスト者の自由について」
    の邦訳が掲載。
    「教会のバビロン捕囚について」のみ、飛ばした。
    西洋思想を追いかけていくにあたって、ルネサンス期が何か、を少しでも知るには、ルターは通らなければならない、と思って読んだのだけども(あと、本屋に並んだタイミングがまさに僕の読むべきタイミングだったのだ)、全部読むにはかなりの量があるのと、読みたい本はまだまだあるけども人生は限られているので、省略した。
    とはいえ、得るものは多く。こういう本は解説をサラッと読んでおいて悪くはない。
    「九五箇条の、、、」については、意外と教皇を否定してないところに驚いた。これは遠慮なのか?そこの意図を知るには、もっと色々なルターを読み込まねばならないのだろう。
    でも、そこはいい。
    「キリスト教界の改善について」では、ローマに搾取される神聖ローマ帝国たるドイツの目線で、書かれている。これも驚いた。そういう目線をもつか。もっと、特定の視点になってしまわない思想なのかと思っていた。これも、この書物の目的に応じて解釈すべきものなのかもしれない。とにかくローマ・カトリックの腐敗の凄まじさが描かれる。
    「キリスト者の自由について」では、うってかわって、キリスト者はいかにあるべきか、という話である。驚いたのは、他力本願に、親鸞に通ずるようなところを感じるところ。聖書には、戒めと契約がある。戒めにより、人は戒め通りには生きれない、という自覚に至る。そこで、救いの契約がある。という。だから、人は行いではなく、信仰によってよいとされる。という。信仰は、自分を義とするもの。行いは、他者に仕えるためのもの、と、僕は理解した。これはなかなかシンプルだがその分強固な真実であり、素晴らしい。行いでは自らを義にすることはできない、というのが素晴らしい。そんな行いはできない、もしくは、有り得ない、と。

    カトリックが、ローマ主義者がめちゃくちゃにしたキリスト教を、聖書によってReformationしよう、というシンプルさ。
    そんなことは聖書には書いてない。そんなことはキリストは言ってない。
    密教に対する鎌倉仏教のような。

  • 当時のローマの腐敗っぷりがルターの言い方から分かる。
    ルターは教派を立ち上げようとしたのではなく、カトリック教会の改革を訴えたのであった。
    また、贖宥状も当時の人民が死後の世界の安寧のために求めていたものであった。

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著者プロフィール

宗教改革者。

「2021年 『主はわたしの羊飼い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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