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Amazon.co.jp ・本 (168ページ) / ISBN・EAN: 9784062924597
作品紹介・あらすじ
美少年リュシスとその友人メネクセノスの二人を相手にして「友」とは何か、「友愛」とは何かを論じていく『リュシス』は、後世に幅広い影響を与えた名作として知られる。同じく二人の少年を相手にして「知を愛すること」としての「哲学(ピロソピア)」という主題を追求していく『恋がたき』をも併録した。「愛すること」という根本的な主題で貫かれた二つの対話篇、待望の新訳が登場!
「友愛について」という副題をもつ『リュシス』は、初期から中期への移行期の作品と推定される。ここでは、老年期にさしかかったソクラテスが、美少年リュシスとその友人メネクセノスを相手に「友」とは何か、「友愛」とは何かを論じていく。この主題は「誰かが誰かを愛するとき、どちらがどちらの友になるのか」という問いを追求していく形で展開され、対話がアポリアーに陥ったことを宣言したところで閉じられる。本作は、のちにアリストテレスの友愛論の土台となったように、今日まで広く読み継がれている。
この主題は、もう一篇の『恋がたき』に連なる。偽作との説も根強くある本作であるが、「哲学について」という副題を冠されているように、「知を愛すること」としての「哲学(ピロソピア)」という主題は、「愛すること」という根本的な問題を介して『リュシス』につながっている。同じように二人の少年にスポットライトがあてられる本作は、真作か偽作か、という問題とは別に、味読する価値を十分にそなえたものである。
「愛すること」で貫かれた二つの対話篇、待望の文庫版新訳!
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
「友愛」や「哲学」といった根本的なテーマを探求する二つの対話篇が収録されており、ソクラテスと若者たちの対話を通じて、真理を求める過程が描かれています。議論は複雑で精緻に展開され、問いを立てた結果、最終...
感想・レビュー・書評
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プラトン著作の中から『リュシス』と『恋がたき』の2編を所収。(但し『恋がたき』は偽書の可能性があるとのこと)
『リュシス』は「友」とはどういう人か、さらに「愛する」とはどういうことかを問うた対話篇で、『恋がたき』は「哲学」とは何か、さらにどんな「知」を愛することなのかを問うた対話篇である。
根本としてどちらも「愛すること」「愛するとは」をテーマとした対話篇であるが、非常に短い短編となっていて、プラトンの対話篇に親しむにはとっつきやすい作品であるといえる。
それぞれの対話の構造的解釈は本書の「解説」に詳しい。
『リュシス』では美少年2人を相手に(しかも、ソクラテスの知人が対話の一方である美少年リュシスに恋をしている!)、『恋がたき』では哲学オタクの文系少年と体育会系少年を相手に、例によってソクラテスは議論をふっかけているのであるが、議論のテーマや対話相手(美少年!)にも関わらず、期待に反して(?)艶やかな場面は一切ない。(笑)
むしろ、ソクラテスのいつもの議論主導にもかかわらず、『リュシス』では「友とは、友のために、敵のゆえに友の友である」とか「本当の友とは、何かある友のために友であるのではないことになる」とかのようにややこしい議論に発展していき(笑)、結局は似た者同士もお互いに足りないところを補う者同士も友ではないという結論になってしまい、「友」とは何かわからなかった・・・という結末を迎えることになってしまって、読んでいるこちらも頭がくらくらと混乱したままの放置プレイ状態であった。
大体、病人が医者が友で愛するというのと、父が息子を愛するというのと、同一比較できる対象でないし・・・。逐次、話の論点がすり替わっていくので、議論経過でも頭がくらくらとした・・・。(笑)
また、『恋がたき』では、哲学が好き!と言っていた文系少年は実は一通りの知識があり専門知識に精通していなくても世の名声は得られるよね!との考えの持ち主であることが判明、哲学魂に火が点いたソクラテスの「哲学ってえのはなあ」という質問攻撃でぼこぼこにして自称・哲学オタクの文系少年を恥じ入らせるという話で、最後はスカっ!とくるものの、いつもの我田引水的な議論の誘導にまたもや頭がくらくらしてしまった。(笑)
反対に、善い人間と悪い人間の区別がつかないような人間は自分自身も知らないということ、つまり節度がない人間であり正義を全うできない人間で、その「知」を得るのが哲学するということで知識を得るのに2等賞に甘んじてはダメ!というくだりは、自分自身にも身につまされる思いがして、哲学オタク少年とともに恥じ入りそうになってしまった・・・。
両篇ともに議論の結末としては中途半端さがあるものの、議論だけをみるならテーマがテーマなだけに割と真面目な議論だったのではなないかな。
いつもの通り議論の展開の仕方に疑問点は相当湧くものの(笑)、プラトンの思想のとっかかりとプラトンそのものに親しむには格好の短さで、そうした議論のわかりにくさの故か「解説」の方は充実しているので、これからプラトンを手にとりたい方にもぴったりの一書かもしれない。
但し、すぐに結論に飛びつきやすい人、求めやすい人には・・・!?(笑) -
「○○とはなにか?」と問いがたてられ、いろいろ議論したあげく、「○○ということについて、わたしたちは知らない」ということが確認される、ソクラテス対話シリーズかな?
こうした「知らない」対話篇は、初期プラトンの特徴なんだけど、解説によると、中期に近い性質もあるとのこと。
たしかに、議論の展開が複雑というか、精緻で、いろいろな角度から問題にアプローチして、それぞれが論理的に間違っていることが証明されていく。
その手際は、なぜかデリダの脱構築を思い起こさせる。
プラトンのなかでは、比較的マイナーな作品とのことだが、議論されているのが「愛」とか、「知」で、知を愛するという意味の「フィロソフィー」であることを考えれば、かなり重要な作品でもあるのかな? -
自分が哲学に詳しくないせいか、結論を見てもピンと来ませんでした。
友愛とは何か、哲学とは何かを前提知識を使わず検証していくのは面白かったです。 -
友愛について探る“リュシス”と、哲学と知について探る“恋がたき”の2つの対話篇が収録されています。
ソクラテスと若者が対話を通して真理を求める内容です。
短編ですが、きちんと理解して読み進める必要があります。
読み応えもあり、楽しみながらプラトンに触れられる一冊。
著者プロフィール
プラトンの作品
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感想 :

コメントいただきありがとうございます!(^o^)/
この本は先月出版されたばかりで、本屋をぶらついてい...
コメントいただきありがとうございます!(^o^)/
この本は先月出版されたばかりで、本屋をぶらついていて(笑)私もたまたま見つけました!
岩波文庫でも全巻出ているわけではなく、岩波文庫にないものを見つけると嬉しくなってしまいます。(^o^)
本書はとても短いのですぐに読めると思いますが、『リュシス』の方はせっかく出した結論をソクラテスが再三にわたって自分自身でくつがえし、話を流動化させてしまいますので、内容が少しややこしいです。(^_^;
また、『リュシス』『恋がたき』ともに、こんなのとこんなのを比較するんだ!?と毎度お馴染みの現代人にはついていけない議論が割と多く、話は短いですが理解に苦しむことも請け合いです!(笑)
逆に短すぎて、哲学オタクをやっつける辺りは、もう少し長くても良かったかも!?
『プラトン』の魅力の一つには、ソクラテスが詭弁を弄しての言い負かしや、話をごちゃまぜにしての未解決放置プレイ、古代ギリシャ人の感覚に今一ついていけない議論の非常識ぶりなどがあると思いますが(笑)、そのソクラテスに敢然と立ち向かう人物が登場し、対話相手の方を応援したくなる『ゴルギアス』などもお薦めです。(笑)
コメントいただきありがとうございます!(^o^)/
私は毎回『プラトン』を読むと可笑しくて仕方がないで...
コメントいただきありがとうございます!(^o^)/
私は毎回『プラトン』を読むと可笑しくて仕方がないですが、仰られる通り登場人物たちはいたって真面目なんでしょうね。(笑)
なるほど、ギリシャ文学では一般的にこういう傾向があるということでしょうか。
私はルキアノスやアリストパネスは読んだことがありませんので、逆に興味を持ちましたよ。(^o^)
こちらこそいろいろと教えて頂きありがとうございます!(^o^)/
今後ともよろしくお願いいたします。m(_ _)m