駅物語 (講談社文庫)

著者 : 朱野帰子
  • 講談社 (2015年2月13日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062930376

作品紹介

偶然と偶然が接続し、奇跡が生まれる場所――駅。新人駅員・若菜の日常は驚きに満ちていた。行き交う人の数だけ駅には物語がある。

駅物語 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 東京駅に駅員として就職する、若き女性若菜直の物語。

    こういう話は嫌いじゃないのですが、
    なんか、こんな奇跡が続くのは出来すぎじゃないのかと。

    それを差し引いても、ページをめくる手はとまりませんでした。

    駅員さんの仕事に頭が下がります。
    仕事へのプライド。妥協のないプロの仕事。
    事故や天候で遅延しても、
    駅員さんに不安をぶつけるのはやめようって思います。

    特に直の同僚のゆかぽん、格好良かったです☆
    変なことわざのたとえも、ツボでしたし。

    東京駅だからこその、さまざまな利用客の物語も
    全部全部目が離せませんでした。

    直の駅員スピリットが、輝く終わり方が好きです。

    この本にも書かれている通り、
    どんどん機械化して、人間の駅員さんは削減されていくのでしょうか?

    人間だからこその、気遣い、心配り。
    ぬくもりがない駅なんて魅力ないと思いますけどね…。

  •  若菜直は、大学を卒業して駅員として就職した。働くのは東京駅。
     社内でもトップで入社したが、総合職ではなく、現場の駅員である。東京駅勤務となった。
     同期入社の犬塚、同い年だが先輩の橋口由香子、藤原一成などと同僚として東京駅で働き始める。
     直の弟は、病弱だが電車が大好きで、直と電車で出掛けるときはいつも先頭車両から夢中になって見ていたくらい。その弟のことも直に影を落としているようで。

     東京駅のなかの仕事や、鉄道員のそれぞれの心情が感じられました。現場の叩き上げで働く側の人、本社の管理職の立場の人。
     登場人物たちの成長の物語ですが、鉄道をめぐって、都市の様々な人の問題なども感じられました。

  • 若干冒険活劇的なところもあるけど
    駅で繰り返される出来事を考えると、日常でも十分ありうる事件。
    日常を粛々と紡ぎだすことの大事さ、大変さが伝わってきます。

    駅員という仕事の描写の細かさもすごいけれども
    職場の人間関係の描き方は秀逸だと思います。
    同い年の先輩で、勉強はできないけれど仕事はできる とか
    学歴ばっかり見る上司 とか
    一番はやっぱり、松本さん!
    読み始めでは、よくいる事なかれ主義上司か~という印象やけど、実は。。
    「部下を守ること」を一番に据えてくれる上司って、今なかなかすくないんじゃないでしょうか

    「駅員を夢見ることはなかった。それが現実。
    でも、私は、今の自分がとても好きだ。それでいい。
    現実はいつかきっと、誰かの夢と接続する。」

    最後の最後、いい言葉です。
    こんな心持で、今日も仕事がんばります。

  • 書名からは、勝手に「駅を利用するいろんな人たちのドラマ」を想像していた。ここまで真剣に鉄道員を描いているとは…がつん、と来た。

    ひとりひとりのエピソードよりも、駅員、車掌、運転手といった現業職が抱える仕事の重みと苦しみにひきつけられた。内容はかなり深刻だが、描かれている人たちの言動が自然に心に吸い込まれていって、一気に読み終えていたのには自分でも驚いている。鉄道に興味があろうがなかろうが、この物語は人の心のどこかを必ず揺らすに違いない。

    抱えているものの重さから自分を守るためには、逃げるのもありだと思う。逃げなくてはいけない時は、必ずある。でもずっと逃げ続けるだけでは、生きていることの喜びには出会えない。勝手にそんなメッセージを読み取った。

    駅では死なせない…だったか。主人公・若菜の一言が強く心に残っている。職場だからでも仕事だからでもないような気がする。若菜にとって、駅はもっと重い…それゆえに神聖な場所だからだと思うのだ。本人が自覚しないままに、ではあるが。

    実は…叔父がJR東海の新幹線・新大阪駅の助役のひとりだった。ぼろぼろになって定年を迎えた叔父を見れば、この物語が誇張に満ちた虚構ばかりではないと信じられる。

    なにひとつ自分に重なるものがないのに物語に入りこんでしまった、私にはレアな作品である。

  • 裏側の話を読んだら現実にも興味がわいてくる不思議。
    とりあえず駆け込み乗車はなるべくやめたいと思う。
    なるべく。

    藤原さんがとてもすき。

  • 東京駅で働くことになった新人の話。鉄分多量。電車の運転手というのは昔も今も鉄な男の子の将来の夢だったりするけれど、運転手も車掌も駅員も、現実はそんな生易しいことではない。おそらくどんな職場でも新人は打ちのめされながら成長する。子どもの頃からなんとなく仕事が見えているように思えている業務だからこそ、ギャップは大きいかも。そしてある目的を持っていた主人公も、揺れ動きながら毎日が戦い!

  • 行き交う人々には物語があって、他の人から見たら私も行き交う人々のひとり。当然なのに、なんだか不可思議。

  • 駅や駅員さんの見方が変わる小説。

  • 本書に登場する首都圏通勤線は、中央線だと思う
    。私はその中央線沿線にここ何年か住んでいて、電車で出かける時はお世話になっているし、東京駅から乗り換える事もよくあるので親近感が湧いた。今まで駅員さん=駅にいる人。ぐらいにしか思ってなかったけど。すごく色々な業務があるんだなぁって。そして、駅員さんそれぞれにドラマがあって、駅にやってくる乗客にもまたドラマがあって。駅って、それぞれのドラマを抱えた人達が交差する駅という名前の舞台なんだね。

  • タイトルにつられて購買した一冊であります。
    主人公の若菜直は新米駅員として、東本州鉄道株式会社(いふまでもなく、JR東がモデル)の東京駅に勤務します。なぜわざわざ駅員を志したのかは、弟と関係があるやうですが、おひおひ明らかになります。
    彼女は駅を「奇跡が起こる場所」としてとらへ、以前駅で自分を助けてくれた五名の人物を探すのでありますが、さううまくいきますかどうか。全5章からなつてゐるので、それぞれ一章に一人、といふ勘定ですね。すでに結末が読めるやうな。

    上司や同僚はまともな人が少ない。直属の上司は営業助役の松本。過去に不幸な出来事を経験してゐるらしく、それが原因か足をひきずつてゐます。
    副駅長の吉住は制服を着用せず、お前ら駅員ふぜいとは人種が違ふんだよ、といふやうな態度がありありの嫌な奴。
    直と同期入社の犬塚。通称ワンタン。筋金入りのテツだが、鉄道会社がテツを嫌ふことを過剰に意識してゐるため、それをひた隠す。全く誰とも打ち解けないが、徐々に直とは心を開いていきます。こんな奴をよく採用したもんだ。
    直の教育係として担当する藤原。とにかく態度が悪い。上司にも敬語が使へません。その強引な接客態度が悪質な乗客対策に重宝するとして、「必要悪」としてやむを得ず雇用してゐるさうです。そんなことあり得るのかね。現実感がないですが。
    犬塚の教育係は由香子。通称ゆかぽん。慣用句やことわざを多用しますが、その使用法がどことなくずれてゐる。

    駅員は激務であります。きついシフトだし、乗客はわがままで自分勝手。実際に駅員への暴言暴力は多いと、報道でも明らかにされてゐます。本書でも、普段はクレーム対応を仕事としてゐる男が、酔つぱらつて毎日駅員に嫌がらせをし、暴言を吐くことで鬱憤を晴らす場面がありました。
    他にも、犬塚がいきなり殴られたり、人身事故の遺体処理をしたり、非常識な撮り鉄との格闘があつたり、若い女性をストーカーから守つたり......
    さて、駅員として日々奮闘し成長する直ですが、果たして奇跡を起こせたのでせうか。多分「ライトノベル」とやらの読者にはウケるのではないかと。わたくしの正直な感想は差し控へませう。
    デハデハ。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-737.html

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