駅物語 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062930376

作品紹介・あらすじ

偶然と偶然が接続し、奇跡が生まれる場所――駅。新人駅員・若菜の日常は驚きに満ちていた。行き交う人の数だけ駅には物語がある。

感想・レビュー・書評

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  • 特に電車にも興味はないけど、朱野帰子さんの本を前に読んで面白かったので、手に取りました

    朱野さんの本はやっぱり面白い
    すぐに引き込まれました

    若菜直がどうして駅員になったのか
    5人の恩人

    同僚
    いろんな角度から駅にいる人たちを観察できる本です

    駅員さんたちの苦労も知れて、安全に毎日運行してもらっていることに感謝しなきゃと思いました!

  • 東京駅に駅員として就職する、若き女性若菜直の物語。

    こういう話は嫌いじゃないのですが、
    なんか、こんな奇跡が続くのは出来すぎじゃないのかと。

    それを差し引いても、ページをめくる手はとまりませんでした。

    駅員さんの仕事に頭が下がります。
    仕事へのプライド。妥協のないプロの仕事。
    事故や天候で遅延しても、
    駅員さんに不安をぶつけるのはやめようって思います。

    特に直の同僚のゆかぽん、格好良かったです☆
    変なことわざのたとえも、ツボでしたし。

    東京駅だからこその、さまざまな利用客の物語も
    全部全部目が離せませんでした。

    直の駅員スピリットが、輝く終わり方が好きです。

    この本にも書かれている通り、
    どんどん機械化して、人間の駅員さんは削減されていくのでしょうか?

    人間だからこその、気遣い、心配り。
    ぬくもりがない駅なんて魅力ないと思いますけどね…。

  • 東京駅で働く駅員の話。鉄分はそれなりにあるのだが、謎解き、ミステリー要素が多い。目的の5人を探しだしても、イマイチスッキリしないのは何故だろう?

  • 東京駅で働く新人駅員さんのお話。
    登場人物のキャラが濃い。濃すぎる。
    そして新人さんの扱いってほんとにこんな感じなの?いまだったら確実にパワハラで訴えられるよな…?
    というような内容ではあった。
    前半はそんな感じで、あんまり入っていけなかったかな。

    直と同期の犬塚が仲良くなったあたりからは、だいぶ読みやすかった。
    スピード感はありつつ、駅の利用者と駅員さんひとりひとりにスポットをしっかりあてて描かれていておもしろかった。
    駅員さんの苦悩は、現実でも沢山あると思う。でも、そういうことを今まで考えたことってなかった。
    この作品を読むと、駅員さんのことを見る目は間違いなく変わる。駅員さんも私たちと何ら変わらない、1人の人間であることに気付かされた。

  • 手軽に読めて心温まる1冊でした。

    駅で起きる奇跡って、ただのお涙頂戴的な内容の詰め合わせかと思って読み始めたけれど、
    いい意味で私にはそこまで奇跡に思えなかったというか、もっと人間味溢れていて読みやすかったです。

    駅員に本当にこんな派手だったりヤンキー気質の人いるのか?という疑問はあるものの、
    若菜の周りの人達がいいキャラしていて、スピンオフも読みたくなる。

    若菜の成長していく様がよかった分、最後の方がちょっとあっさりしすぎた気もしました。
    もっと悩んでもがいて成長していくところも見てみたかった。

  • 駅にまつわるそれぞれの人の想い、ストーリーがあることを改めて気付かせてくれる本。

    ゆっくり時にグサッと心に訴えかけてくる言葉もあり、一気に読めた。
    この本を読みながら、自分は仕事に対してこういう裏側のことまでしっかりと想像を巡らせているのか、自問自答することもあった。
    また、普段駅を利用していて、駅員の人たちに質問はしても、その人たちの顔や声をしっかり覚えているのか、自分もこの小説の中のその他大勢の人のようになっていないか、考えさせられる本だった。

    駅を通して、それぞれの人たちの心にスポットを当てた感動と深い思慮を与えてくれる本。

  • すごく読みやすい。
    映像化されてほしいと思う本NO.1

    文学としては薄さも感じるけど、娯楽や映像化脚本的にはこれくらいの軽さがちょうどいい。

    軽い移動時間に読むのにちょうどいい一冊。

  • 「わたし、定時で帰ります。」の著者が描く駅を舞台としたお仕事小説。
    駅での出会いを描いた作品かと思いきや、若菜直と言う女性の駅員の成長の物語。
    東京駅に配属になった若菜直は、1年前に東京駅で倒れた時に助けてくれた5人の人を探す為に、内定の決まっていた大手企業から東本鉄への入社を決めた。
    最初は駅員の仕事にそれほど興味のなかった直だったが、鉄オタを隠して駅員になった同期の犬塚、見た目は派手だけど、実は努力家の同い年の由香子、ぶっきらぼうで少し乱暴な先輩・藤原たちと接するうちに、駅員としての自覚が生まれて来る。
    後半の駅員の人格を無視したSNSへの誹謗中傷などに傷つく様子などは、ここ数週間話題になっている自殺した女性へのSNSへの書き込みを思い浮かべずにはいられなかった。
    確かに毎日駅を利用していても、駅員さんの人格などを意識したことなど、今まで一度もないかもしれない。
    1人1人の駅員さんの努力で、日本の、特に首都圏の緻密なダイヤでの運行が守られていることを考えさせられた一冊。

  • タイトルに惹かれて購入。
    東京駅を舞台にした女性駅員の物語です。客とのトラブル、人身事故、案内など普段駅で目にする駅員の裏側を描いています。
    朱野さんは、「今日、定時で帰ります」「海に降る」など、働く女性を主人公にしている物語が印象的です。本作品でも女性が主人公で一見、駅に駅員に憧れをもっていると思いきや、どこか秘密を抱えています。
    連続ドラマっぽい仕上がりになっていて、ドラマ化になってもアリなんじゃないかと思うくらい、楽しめました。
    ニュースで聞く人身事故や他のトラブルの裏では、壮絶な現場だということが、マイルドに描かれてはいますが、駅員さんには頭が下がる思いでした。
    私も接客業をしていますが、まぁ自分勝手な人が多すぎるなと改めて読んで思いました。同じ人間なのにムカつくったらありゃしない。怒る理由はわからないでもないですが、こちら側も努力しているんですからと思わず言いたくなります。
    この本を読んで、駅員の苦労を理解してほしいと思ってしまいました。
    登場人物も個性あふれる人たちで、飽きさせませんでした。
    どこの職場でも嫌な人、ソリが合わない人がいます。また、なんとなく入社した、好きだから入社した、入ったきっかけは様々で、仕事の向き不向きがあります。
    すぐに辞める決断もありますが、悔いのない人生を一生懸命送って欲しいなと思います。
    一生懸命がんばっている姿に自分も頑張らなきゃなと思わせてくれました。

  • 連作短編だったかな(記憶をたどってかいているので)
    鉄道のお仕事は思えば大変なお仕事で
    サービス業なんだなぁと読んでいて実感できました。
    読後から、駅員さんや駅に携わるかたがたへの
    まなざしが変わった気がします(笑)

    色々あっても設定が若い年代なので、
    爽やかな印象の物語でした。

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著者プロフィール

東京都中野区生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。2009年、『マタタビ潔子の猫魂』(「ゴボウ潔子の猫魂」を改題)でメディアファクトリーが主催する第4回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞し、作家デビュー。13年、『駅物語』が大ヒットに。15年、『海に降る』が連続ドラマ化された。現代の働く女性、子育て中の女性たちの支持をうける。主な作品に『賢者の石、売ります』『超聴覚者 七川小春 真実への潜入』『真壁家の相続』『わたし、定時で帰ります。』など。

「2022年 『くらやみガールズトーク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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