天山の巫女ソニン(4) 夢の白鷺 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062930604

作品紹介・あらすじ

大嵐に襲われた江南。江南を取り込もうとやってきた巨山のイエラ王女と、イウォルやクワンの駆け引きが繰り広げられることになり――

感想・レビュー・書評

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  • このシリーズの魅力は登場人物。
    ソニンをはじめ4巻では、イェラ王女の存在感が圧倒している。歴史に残る名王女になりそう。
    クワン王子は、セオという名参謀により江南を素晴らしい国にすると思う。

    イウォル王子とソニンは、沙維というより3国の均衡を保つために活躍する。

    ソニンの存在感は、イウォル王子がいるから。
    いよいよ最終巻。楽しみです。

    • 9nanokaさん
      4巻も忙しい時期にすみませんでした(^_^;)
      恋模様を期待していましたが、どうも、無いようです笑。
      私はイウォルよりクワン派なのですが...
      4巻も忙しい時期にすみませんでした(^_^;)
      恋模様を期待していましたが、どうも、無いようです笑。
      私はイウォルよりクワン派なのですが、、どうでしたでしょうか(^^)
      2015/05/06
  • さて、ここまでで沙維・江南・巨山、それぞれの国の事情が分かったところで第4巻に入る。

    そこで本作では、江南が未曽有の大嵐に見舞われ、その復興を巡って色々な思惑が交錯する。
    図らずも江南の王宮に、クワン王子はもとより、その妹リアン王女を訪ねたソニン、江南の状況を確認する役割になったイウォル王子、巨山からの使者イェラ王女が勢揃い。
    クワン王子vsイェラ王女はまさに竜虎相打つ(本の中では虎と狼だが…)。
    どちらも国を思い民を護らんとする気持ちは強く、しかし立場は異なるが故のぶつかり合いだけに、なかなかの見物だが、事情は違えど身を置く立ち位置や複雑な心境は似た者同士ってところがミソ。
    間に立つソニンとイウォル王子も含めて駆け引きの中で4人の心が動いていく様が今回の読みどころになって、早く彼らの時代になり3つの国が仲良く発展していくようになったら良いと思わせた。

  • シリーズ第4巻

    巨山のイエラ王女と、江南のクワン王子、沙維のイウォル王子が一同に集まる。そしてその場にいるソニン。
    ソニンに影響を受けた三国の王子・王女。そして人として成長するソニン。このまま突き進むと、ソニンが三国のキングメーカー(フィクサー)になる?

    「無欲」から「欲を制御する」に変わろうとするソニン。
    ここに作者の意図(そこら中に「欲」が表出している現代に対する批判)があるだろうか?

  • やっと四巻が文庫に!早速購入して、すぐ読みました。
    いよいよ三人の王子と姫が出会って、ソニンとともに江南に集いました。
    イェラは、前回ソニンに出会って、色々思い切ることができたようで、一皮剥けた感じですね。柔軟になりました。
    その反面、クワンはイェラに対しては同族嫌悪もあるのか、キーキーしてますな…嫌悪感むき出しで子供みたいですな。
    ぶっちゃけイウォルが空気すぎで哀れです。イェラとクワンが全部持ってっちゃう人なので、仕方ないですが…。
    私がソニンなら、断然イェラにくっついてくと思うのだけど…。彼女の器はでかすぎる。三人の中ではダントツで一番大器ですよ。三国統一しても驚きませんよ。
    でも、そんなイェラもクワンも、イウォルは言うも及ばずですが、ソニンに影響を受けてるよねぇ。巫女として12年下界に触れなかったからか、彼女は本当に真っさらで、どんなことにも、なぜ?どうして?と疑問を投げかける。それが、そんなこと当たり前だと諦めていた心に、一石投じるのだと思います。
    凝り固まった権勢欲の世界で生きてきた三人にとっては、ソニンはとても眩しい存在なのではないかな。だから、みんな彼女が欲しくなるのでしょう。
    次は本編の最終巻かな。あとは外伝が2冊ですか。楽しみですね。早く文庫になってー。

  • 978-4-06-293060-4
    ソニンの仕えるイウォル王子と仲の良いクワン王子の国、江南が大嵐の被害に遭う。クワン王子と共に江南を訪れたソニンは、被害と変わらない王室の様子を悲しむ。仲の悪い隣国の巨山から食料や医療の援助の申し出があり、クワン王子は侵略を疑う。そこに援助の知らせをイウォル王子が届けようとし、巨山のイェラ王女も江南を訪れ、江南で3人が集まる。イェラ王女とクワン王子の関わりが面白かったを

  • 台風で被災した江南に対する各国の態度、目先の欲に右往左往する民の浅はかさがよく見えた。
    次代を担う王子や姫が活躍していた。
    三国の関係がますます危うくなったけれどどうなることやら。

  • 図書館で。
    4巻。南の虎と北の狼の邂逅。じゃあソニンの国の王子は何だろう?ネコ科とイヌ科の中間だとすると…ウサギか?いや、それだと獲物になっちゃうな。ま、穀蔵庫として狙われているんだしあながち間違いでもないのかな。

    という訳で中々政治色強いお話。それにしても南の国はブレインは第二王子しかいないのか?まぁそういう事も踏まえて自分の私腹が肥やせればいいと黙っている臣下ばかりなのかもしれないけど。
    段々ソニンも人らしくなって何よりと言った感じ。次で最終巻なのかな?どう決着がつくのやら。

  • 『天山の巫女ソニン』第4巻。
    舞台は江南国。沙維、江南、巨山の微妙な緊張関係が、経済問題と災害からの復興を下敷きにして緻密に、しかし分かりやすく描かれていて読み応えがある。
    ソニンとイウォル王子だけでなく、江南国のクワン王子と巨山国のイェラ王女という食えないふたりに関しても、成長が丁寧に描かれていて魅力的。

  • この第4作は秀逸でした。

    イウォル、クワン、イェラ。
    三つの国の命運を握るこの3人が
    初めて一堂に会し、三国の未来を
    決めてしまいかねない大事を
    収めてしまう。それぞれの正しさと
    それぞれの欲望の狭間で揺れながらも。

    彼らの心を救った者はやはり、ソニン。

    策謀を自ら引き上げて戻ったイェラは
    父王に問い詰められる。

    「お前はあの娘といると自分らしくない
    行動をとる。あの娘が持つ、おまえや
    わたしにはないものとは何だ?」

    イェラは
    『ソニンには確かに何かがある。しかし
    それは何なのかわからない…』
    と逡巡する。

    ソニンが天山の巫女であったことの
    重要な意味が、わかったような気がする。

    ソニンは何かを持っているのではない。
    欲望を持たないのだ。

    欲望は時に人の感情にさざ波を立て
    さらに大波となって自らを翻弄しさえする。

    ソニンにはそれがない。だから彼女の
    判断はいつもその時に応じて
    最良のものになる。しかもそれは
    人間として生まれ、王族として生き、
    多くの人々の欲望にまみれた生き様に
    触れ続けてきた3人には決して
    たどり着けない判断なのだろう。

    真の聡明さ。
    欲望に裏打ちされることのない判断が
    できるとしたら、ソニンが持つものを
    言葉にすればそれなのかもしれない。

    感情も欲望も持つことは許されず
    夢見に正しい判断を下すために
    膨大な知識をおさめた天山の巫女。

    ソニンが天山で過ごした12年は
    下界で生きる者には計り知れないほどの
    尊い時間なのかもしれない。

    だからこそこの第4作は読み落とせない。
    なぜならソニンは人間として成長を始め
    今は「自分の幸せ」は何かを探し始めている。

    私が「不吉な伏線」だと思っていた、
    下界に戻されたもう1人の天山の巫女レンヒは
    実はソニンが欲望や感情をその心に育みつつも
    聡明な判断を見失わないために、
    なくてはならない存在…ソニンの
    鏡なのかもしれない。

    いよいよ第5作。
    この物語を読み始めてよかった。

  • 2016.8

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著者プロフィール

1969年、福島県南相馬市生まれ。2002年、「橋の上の少年」で第36回北日本文学賞受賞。2005年、「ソニンと燕になった王子」で第46回講談社児童文学新人賞を受賞し、改題・加筆した『天山の巫女ソニン1 黄金の燕』でデビュー。同作品で第40回日本児童文学者協会新人賞を受賞した。「天山の巫女ソニン」シリーズ以外の著書に、『チポロ』3部作(講談社)、『羽州ものがたり』(角川書店)、『女王さまがおまちかね』(ポプラ社)、『アトリと五人の王』(中央公論新社)、『星天の兄弟』(東京創元社)がある。ペンネームは、子どものころ好きだった、雪を呼ぶといわれる初冬に飛ぶ虫の名からつけた。


「2023年 『YA!ジェンダーフリーアンソロジー TRUE Colors』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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