希土類少女 (講談社文庫)

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  • 講談社 (2015年4月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784062930727

作品紹介・あらすじ

高純度のレアメタルを生成する能力を持つ冴矢。症状が発見された少女は、産業を潤わせる一方、25歳までしか生きられない。そんな冴矢の絶望的な日常は施設職員・江波との出会いで変わり始める。だが、やがて二人はコミュニティ全体の命運を左右する決断を迫られるのだった――。限られた時間を生き、運命と対峙する少女の、儚くも美しいSF長編。

みんなの感想まとめ

限られた時間を生きる少女の物語は、閉塞感とさみしさが漂う中、複雑な人間関係や社会の裏側を描き出します。レアメタルを生成する能力を持つ主人公は、産業に貢献しながらも、運命に翻弄される姿が印象的です。恋愛...

感想・レビュー・書評

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  •  それまで普通の生活を送っていた少女たちが、突然に体から高純度のレアメタルを生成する能力が生まれる。
     レアメタル生成症候群。
     国は少女たちを隔離して高純度のレアメタルを手に入れることによって経済はさらに発展した。
     しかし、レアメタル生成症候群の少女たちは短命で、25歳までしか生きられない。

     冴矢はレアメタル生成症候群を発症して施設に送られてきた。
     誰をも寄せ付けない雰囲気を持つ彼女だったが、管理官の江波と心を通わせるようになる。
     だが、ある事がきっかけで彼女は二度と出られない外界を目指そうともがき始める。


     というわけで、久々の青柳碧人の本。
     この人は小説に環境問題や時事問題のテーマ性を盛り込んでることが多い。

     今回はレアメタルについて。小説書かれた3年前はレアメタルがどうだの、って確かに騒いでたな(最近は聞かないけど)。

     中盤までの設定は面白い。レアメタルを体から精製する力と短命を運命づけられた少女たちの葛藤と諦めが醸し出す雰囲気が良い。

     後半の盛り上がりの内容と、その動機が弱い。

     終わり方はとても良かった。運命にはあらがえずどうしようもないが、少なくとも希望で締めくくられてるラストシーンが読後に好印象だった。


     関係ないけど、体からレアメタルを生成するという設定にエレメンタル・ジェレイドを思い出すのは俺だけじゃないと思うがオッサンやな。

  • どこにも行き着かない閉塞感と、そこはかとないさみしさが漂う作品でした。これが本当に国の経済を支える規模で成り立つとすれば、立派に戦争の火種になりますね。

  • 物語のアイディアと結末はなかなかによかった。形や発想を変えた『わたしを離さないで』。その淡々とした無機質な物語世界も悪くない。
    ただ、どうしてこれが少女にだけ出てくるのか? そういったところが気になってしまうのは野暮だろうか。SFであればそういったところに目を向けても良かったのではないだろうか。こういった調子なので前半は単調で退屈なシーンに頁を割きすぎな印象が強かった。
    ミステリ的なアイディアも入っているものの、物語を盛り上げるため程度なのでストーリーを大きく動かす事はしない。物語の都合上、仕方ないとはわかっているものの、アイディアは悪くないからもう少しどうにかなったのではないか、そんな気持ちになった。

  • 「恋愛×SF×サスペンス」

    レアメタルを製造する女の子たちの物語です。
    ごちゃ混ぜになってて焦点が当てにくい…
    政府が関連していたり、レアメタルやレアアースについての知識がかなりある辺り、どこか浜村渚の計算ノートシリーズの作者らしい物語でした。

  • 発想は面白いけど。体内錬金術ともいうべきそのバックグラウンドが述べられていないため、荒唐無稽感がぬぐえないまま、物語が進み、なんとなく切ないエンディングへと向かってゆく。漫画レベルなら結構いいのだけれど小説になってしまうと、なんとなく元素本を参考にするだけではなかなか難しいかなと思いました。着想と読後のせつなさだけはいいと思いました。

  • レアメタルを身体の一部から生成するレアメタル生成症候群の少女たちが暮らす施設を舞台に、管理者の中年男・江波とレアメタル生成症候群の少女・冴矢の交流と破滅(?)を描くSFちっくなラブ・ストーリィ。冒頭から際どい描写で、しばしば性的な表現が出てくるのでその辺りは読者によっては要注意。終盤以降の展開についてもそうしたセクシャルな事象が直截的に関わってくるため、泥々した印象は否めない。二人の行く末についても、余りに苦すぎる救い。それだけに、物語の中心となる江波と冴矢よりも、江波の後輩である高松の存在が逆にピュアにも思え、最後まで彼の好感度だけが上がり続け、高松ならばきっと将来この「夢」を現実にしてくれるだろう、という信頼感。

  • 20190316読了。
    公共図書館勤務時代に気になっていた本が文庫化していたから、買ったと思われる本。
    ハッピーエンドを期待して読んだけど、この物語の主人公のハッピーエンドとは何ぞやと考えるはめになりました。
    解説で書かれていた「甘くて、ほろにがい結末」というフレーズがぴったり来る終わり方でした。

  • 設定が面白かった。登場人物は機械的という訳ではなく充分に人間が描かれている感じがしたけれど、全体的にどこか良い意味で無機質な雰囲気が心地好かった。でもいまいち盛り上がれなかった。

  • 切ないです。最後まで・・・。

  • 高純度のレアメタルを生成する能力を持つ冴矢(さや)。症状が発見された少女は、産業を潤わせる一方、長くても25歳までしか生きられない。そんな絶望的な日常は江波(えなみ)との出会いで変わり始めるが、やがて二人はコミュニティの命運を左右する決断を迫られるのだった。苛酷な宿命に立ち向かう少女の、儚く美しいSF長編。

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著者プロフィール

1980年千葉県生まれ。2009年『浜村渚の計算ノート』で第三回講談社birth小説部門を受賞しデビュー。「ブタカン」「西川麻子」「猫河原家の人びと」などシリーズ多数。2019年刊行の『むかしむかしあるところに、死体がありました。』が各ミステリーランキングや書店年間ランキングにランクインし、本屋大賞にもノミネートされた。

「2023年 『あかがみんは脱出できない(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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