ハゲタカ4 グリード(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 899
感想 : 74
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062930789

作品紹介・あらすじ

ストラスバーグにアメリカン・ドリーム社買収の妨害工作を仕掛けられた鷲津政彦は、アメリカに宣戦布告する。AD社破綻のXデーに向けてウォール街が混乱する中、ワシントンDCもついに動き始めた。強欲の坩堝に身を置き、闘い続ける鷲津。その胸に秘められた衝撃の戦略とは。「ハゲタカ」シリーズ第四弾

感想・レビュー・書評

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  • 感想
    AD社がどこがモデル企業か気になる。GEかと思ったが??

    あとは鷲津が目立つが、やはりリンの存在無くしては語れない。締めるところは締めるリン最高!

    日本はアメリカを仲良しだと思っているが、アメリカでは中国の話題はあっても日本の話題なぞない。まさにその通りすぎて悲しくなる。どこまでお追従主義なのか。

    いつも最後は勝ってきた鷲津が今回は、表面上は負けたが、実は勝つ!そんなパターンがあったんだ。しかも、大統領まで巻き込むなんて。

    ハゲタカシリーズを読めば読むほど、自分の仕事のちっぽけさに打ちひしがれる。

    あらすじ
    リーマンの破綻のXデーは今か今かと騒がれていた。そんななかADのCPの償還日が来て、サムライ・キャピタルが救済に手をあげるも、別の投資家がADを助ける。彼は実は裏で鷲津と繋がっていた。

    GCは資金調達に必死で混乱を極めていた。ジャッキーは、ストラスバーグの言いつけを守って鷲津に張り付く。ADの手助けも行う。CGは現CEOのマシューを辞任させて、経営陣を交代し、ADにTOBを行うことで資金を集めて困難を乗り切ろうとしていた。そんなADを鷲津は虎視眈々と狙っていた。

    CGの救済は飯島にお願いしてUTB銀行を巻き込んで行い、AD陣はストラスバーグとアルバートまで引っ張り出して、アメリカを守る精神に訴えかけた。鷲津は追い込まれるが、実は全て彼が描いたシナリオ通りだった。アメリカ企業を日本人が買い叩くなどアメリカでは心情的に受け入れられないため、表向きはADに全て株を売却するが、実質の経営権は鷲津が握ることになった。今回もビックディールを成功させたのだった。

  • 滑り出しは嵐の前の静けさのように伏線が淡々と進みます。リーマンショックに向かっているのがわかっているので、ゆっくりXday に歩を進める描写に逆に不気味な印象を受けます。中盤から下巻はAD社買収劇とリーマン倒産を軸に一気に読ませます。
    真山氏の圧倒的な取材力は素晴らしいと思います。
    政治家、金融機関、老舗企業、記者、一般人など様々な立場、職位、人種の米国人気質、行動だけでなく、DCとNYのビジネス手法の違い、政治的介入の考え方、金持ちの強かさ、貧富の差、自由と競争といった米国の様々な顔が描かれていてとても面白い国際経済小説と思います。

  • 途中かなり、大丈夫かと心配になりましたが、一気読み。架空のストーリーながらリーマンショックというものがよくわかり、弱気を助け強気を挫くを地で行く痛快ストーリーでした。

  • アメリカの国民性が分かりやすく描かれていて、アメリカから見た日本はこんなものなんだろうな…と思った。
    パールハーバーアタックという会話が出てきて、タイムリーすぎた。

    リーマンブラザーズ破綻のXデーに向けて、記者側からの視点が物足りない気持ちもしたけど、
    買収合戦の結末は清々しくて良かったです。

  • 僕は投資家ではないのでほとんど実感なくリーマンショックを眺めていましたが、グリードを読んでいて当時の大騒動を思い出しました。創作でありながらすごくリアルで、のめり込むようにして読みました。面白かったー!ハゲタカシリーズ、これで4作目ですが、出ているだけ全部読むぞーっ!

  • 今度のハゲタカはリーマンショックネタ。
    ちょっと今更感がないこともないけど、話の展開も絶妙で面白かった。休みだったのもあるけど、上下巻あっという間に読んでしまいましたw。

  • ハゲタカシリーズ第四弾。
    下巻はかなり痛快な終わり方だった。
    これまでの中で一番好きなシリーズになった。

  • テンポ良く進んでいくが、しっかりと重みもあるので、経済エンターテイメント小説として、読み応えがあった。
    そして日本人の心の琴線に触れる読後感が素晴らしい。

  • 上巻で感想を述べたが面白かった。順序は変わるがレッドゾーンも読む。

  • 中国と戦っている裏でアメリカと戦っていた。
    日本のバブル崩壊から始まったハゲタカ
    シリーズ。
    今回は、アメリカの金融危機を題材に、
    アメリカで戦う。

    鷲津の周りの人々も面白い。
    とくに、鷲津にいいように使われた
    新聞記者の北村。
    彼の、
     大事件を取材する際、モノを言うのは筋読み
     今後どう発展するか、キーパーソンは誰か
     先行きを左右する不確定要素は何か
     事件発生後に得た情報とそれまでに
     積み上げてきた経験値を土台にして
     さまざまな可能性を考えつつ予想図を
     作り上げていく
    は、戦略そのものに通じる極意だろう。

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著者プロフィール

1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』でデビュー。映像化された「ハゲタカ」シリーズをはじめ、 『売国』『雨に泣いてる』『コラプティオ』「当確師」シリーズ『標的』『シンドローム』『トリガー』『神域』『ロッキード』『墜落』『タングル』など話題作を発表し続けている。

「2023年 『それでも、陽は昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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