奇面館の殺人(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062930840

作品紹介・あらすじ

すべての登場人物の”顔”は鍵のかかった仮面の下に。幾多の仮面が壁一面を覆う〈奇面の間〉に転がっていた死体は、本当に主人・影山逸史のものなのか。数々の館を手がけた建築家中村青司の手になる奇面館で、名探偵・鹿谷門実の推理の果てに見えたものとは? 本格ミステリを牽引する名手・綾辻行人が放つ「館」シリーズ、読者待望の直球勝負。

感想・レビュー・書評

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  • 探偵役、作家鹿谷の明確な推理に促されて、なぜ6人が集められたのか、なぜ主人は殺されなければならなかったのか、謎解きが楽しめます。

    ドッペルゲンガー的もうひとりの自分を探す。
    生年月日が近い人の存在は、現実的。
    登場人物の名前のトリック(なのかな)は、多少の無理があるかも。
    館の設計を考え、孤立状況を生み出し、殺人トリックを考える。ほんとうに大変なお仕事ですね。

    私は、10年ほどの付き合いの友人がいまして、
    共通の知人を介して知り合いました。
    初めて会った時、お互いに あれ?って思っていたのですね。なんか似てるかもと。
    すぐに名前が同じと知り、苗字も似てるので名前が80%ほど同じでした。
    そして誕生日が、一日違い。時間にすれば24時間内の差でした。
    徐々に知ってくると、家族構成が同じ。お互い一人っ子で、夫は転勤族、娘が二人。同じような人生パターンで、しかもあちらの方が数段ランクが上なんですけど。
    お互い転々としたあと、偶然、同じ場所に来たと。
    当然、趣味等も似通っているので、すでに遠距離友人ですが、それでも定期的に何処かの美術館で待ち合わせします。
    とまあ、6人はいないけど自分に似た人は3人くらいは居そうですね。

    • おびのりさん
      体型は、ほぼ同じ。
      初めて会った時、なんかびっくりした。
      言動も似てるのよね。
      体型は、ほぼ同じ。
      初めて会った時、なんかびっくりした。
      言動も似てるのよね。
      2024/03/28
    • ゆーき本さん
      すご!
      事実は小説よりも奇なり!
      すご!
      事実は小説よりも奇なり!
      2024/03/28
    • 1Q84O1さん
      自分とそっくりさん、会ってみたいようなみたくないような…w
      自分とそっくりさん、会ってみたいようなみたくないような…w
      2024/03/28
  • 事件の真相が分かって、ほっとしています。
    鹿谷さんの謎解きが思う存分味わえて満足です。
    奇面館も面白かったです。

    いよいよ館シリーズ9作品、読み終えてしまいました。
    私が一番好きなのは、暗黒館。次に迷路館かな?
    次作「双子館の殺人」がすごく楽しみです。
    鹿谷さんはもちろん、江南くんにも登場してほしいです。

  • 今回はしっかり推理の原点回帰で直球ストレート
    館の見取図をみると興奮します

    提示される3つの謎が鹿谷門実の語りで氷解してゆく、
    ここまで鹿谷門実一人称っていままで無かったような?
    9冊目にきて立派な探偵になりました

    これで館シリーズ既刊すべて読んでしまった…
    達成感の中に哀愁を感じる
    次巻が待ち遠しい
    それまでにミステリー経験値を蓄えておこう

  • 頭部と指の切断された死体の謎、中村青司の館のカラクリ、そして館の主人曰く『上っ面の記号』に関する招待客との共通点。
    色々な謎を一気に解き明かしていくのを読むのはやっぱりわくわくして面白い。言葉の端々の齟齬に気付けば犯人を特定出来そうだけど、全く分からなかった。
    今回は暗黒館やビックリ館等に比べてホラー要素が少なく、より王道の推理小説っぽい。謎が残ることもなかったので読了後もスッキリ。
    早く次回作が出て欲しい!

  • 『館』シリーズ第9段。

    『奇面館』の主人・影山逸史が殺害された。
    首と指10本を切断されて…
    そして、影山逸史に集められた、日向京助の代わりに参加した鹿谷門実を含めた6人はそれぞれの仮面を被らせられたまま…

    鹿谷門実は真相を探り始める…

    影山逸史は本当に殺害されたのか…

    確かに影山逸史は生きていた…
    そんなことだったなんて…
    でも、ヤマさんって、言われたら、山本とか、山崎とかって、思うけど…
    同姓同名、生年月日も同じなんて…
    そんなにいるのだろうか⁇

    なかなか思いつかない結末だった…

    『館』シリーズ終了。
    『館』シリーズはこれで終わりなんだろうか…

  • 2015年(発出2012年) 347ページ

    鹿谷門実と一緒に推理していく過程が楽しめました。一つネタバレ。実は私も途中で日向京助犯人説を考えたのですが、これは否定されましたね。

    推理小説って、文章から映像を、頭の中にクリアに想像できる人じゃなければ謎解きできないんじゃないかって、最近よく考えます。私はこういうクリアな想像力があまりなくて、だから図画工作の成績はからきしダメ。
    この奇面館のカラクリを解くのが、なんというか無理筋すぎる。まあ、本格推理をするには早読みせずじっくり取り組む必要もあるとは思いますが。

    下巻は読むのも爽快な推理が展開されます。
    ま、ちょっと思うのは、これもネタバレ注意。
    奇面館の主人・影山逸史の名前をもっとありふれた名前にしないと、いまいち説得力に欠けるかな。珍しい名前の部類じゃない?
    そして、読んでいて気持ちがいいのは、鹿谷門実の誘導で、自分も瞳子と同じところで分かったこと。読者へのサービス満点!

    館シリーズ、読んでないのは『時計館』と『暗黒館』。いつになるかわからないけど、読むのが楽しみです。

  • シリーズ物だったから買った一冊。

    奇面館で起きた殺人事件を解決する話だった。

    事件の犯人がわかるまではよく理解できた。

    事件の真相というか背景というか
    同じ名前の人が何人も出てくると理解しづらい。

    小説の中にも書いてあったが、同じ名前、同じような誕生日、同じような容姿、こんな共通点を持つ人が何人も集まるのは都合がよすかぎるなと感じた。

    主人公はわかりやすく、順序よく、丁寧に事件の真相の推理を説明するが、勿体ぶった説明がなんだか、イライラする。

    否定的な事をいくつか書いたが、それらがあっても読み応えがあり、想像外の事件の真相だったので楽しめた話だった。

    久々に読んだ館シリーズ。
    次の話が出るかわからないが、出るなら読みたいなと感じた小説でした。

  • 十角館の殺人の実写映画化を記念して読了!というわけではないけど、上を読んでしばらく経ちつつ気になってたので。
    同姓同名で同一誕生日が集まり、仮面をつけてひと時を過ごすという違和感しかない場面で起きた殺人事件。
    館の秘密、犯人、動機、トリック・・というより鹿谷がどうやって解き明かしていくかを辿るのが楽しい。
    2015年だととっくにスマホが出てるはずだけど、そういったものがない状態での話の展開、古くも思えるけど心地よい。
    319冊目読了。

  • S図書館 2012年
    講談社ノベルズ

    《あとがきより》
    400枚くらいのコンパクトな長編本格というのが構想段階でのイメージ
    「暗黒館の殺人」 的なゴシック趣味・怪奇幻想趣味はなるべく控えめにして、シリーズ初期の 「迷路館の殺人」のようなある意味遊びに徹した軽やかなパズラーをこの辺で一つ、というイメージがあった
    プロット作りに3ヶ月、執筆に1年3ヶ月、800枚超
    内容的には当初のイメージに近い形に仕上げられたのではないか

    《内容》
    鹿谷門実は、顔立ちがそっくりの日向京助に、代理としてある会合に金銭目的で参加してほしいと依頼された
    奇面館の影山逸史に招待された6名
    部屋から出る際は鍵がかかる仮面をかぶる決まりだ
    翌日目を覚ますと全員 仮面をかぶって外せない状態になっていた
    さらに殺人がおきていた…

    《感想》
    皆さんの感想を見たら怪奇系でないことがわかり読むことにした
    ページ数を気にせず、すらすら読め、解説や謎解きが鬱陶しくなく流れがいい
    プロローグのアナグラムも、しゃれがきいていてよかった

    癖がない探偵役の鹿谷門実の描き方が常々いいと思っていた
    ひとえに綾辻氏の力量だ
    鹿谷は難解な推理が解けてすごいでしょという鼻についた所がなく、推理おたくで、解かざるを得ない気質を持っている
    それがいい
    シャーロックホームズやコナン君に負けず劣らずのおたく気質はとてもいい

    折角読もうと決めたからには犯人捜しをしたく、消去法で探っていった
    まず本人かどうかの確認
    真っ先に疑わねばならないのは鹿谷門実
    人形館のように、実は会ってないとか名前だけ登場ではないかと疑った
    これは折り紙で解決、本人だ
    (シリーズにちょこちょこ登場していた折り紙を、ここで使うとはセンスがいい)
    次に鹿谷に依頼した日向はどうか?
    会合に登場しておらず、話通り入院していた、本人だ
    次に殺されたのは影山本人なのかどうか?
    仮面を外して本人だった
    あとは3回も来ている人を疑うが、手がかりなしで犯人捜しはここまでだった
    名前がキーポイントだったとは恐れいった

    次回作品の連載は始まったそうだ
    「完結して本にまとまるのを待つ方はスルーしてください。
    シリーズを遡って復習しなければさっぱりわからん!という書き方はしないつもりですのでご心配なく。○○館のネタに触れざるを得ないところもあるので、これはご了承ください」
    20230725綾辻行人Twitterより

  • これで既刊の館シリーズは終わりと思うと寂しい。
    最終刊は気長にお待ちしております。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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