- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062931137
作品紹介・あらすじ
あなたは知らない。私の指がなにに使われているか―。団鬼六賞大賞受賞第一作「おばけ」を含む、女流官能小説家・花房観音の、止めどないエロスと隠微なユーモアに満ちた傑作官能短編集。
感想・レビュー・書評
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官能小説がこんなことになっているとは知らなかった!
もちろん、たったの1冊を読んだだけで、判断できるものではないのだが、それにしてもこの短編集のインパクトは凄まじかった。
本当に面白かった。極上のエンタテインメントだ。
文章も端正だし、登場人物たちの造形もよくできているし、エロを毛嫌いしている方にこそ、手に取ってもらいたい1冊だ。
ミステリの趣がある最初の「おばけ」で完全にやられてしまった。
そして、その次の「花灯路」も素晴らしかった。この二作は美しい古都を舞台にした幽玄な官能作品だ。
この作品を読んで、京都に行きたくなった!
二年坂の石畳を歩いたからといって、こんなに美しくも刺激的な体験はできなくても。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
互いにおもちゃ
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花房観音さん2冊目。
官能小説なのに、厭らしさとか生々しさのある官能という感じではなく(もちろんそういった場面もあるけれど)、心理描写がすごく腑に落ちて嵌っています。
「(セックスは)なくても生きてはいけるけれど、あったほうがいいに決まってる。」(収録話「奥さん」より)
ごもっともって感じです。 -
「女の庭」(http://booklog.jp/item/1/4344022920)が予想以上に面白かった第1回団鬼六賞受賞の女流作家の短編集。
女装の男との情事、AV男優に夢中な妻を持つ夫、などちょっとひねった短編、・・・うまいなぁ。表題作なんて、バーのカウンターで男女の会話を女性視点で描いたものなんだけど、指のふれあいがなんともエロチック。よくある(いやないか)「奥さんいいじゃないですか」的な間男なシチュエーションも、花房観音にかかるとなんとも悲哀ある濡れ場になる。
離婚した妻に嫉妬する男、昔の女の性技に翻弄される男、妻が夢中なAV男優に嫉妬する男など・・・出てくる男たちがなんとも情けなくて苦笑するしかない。
この作家、あと10年以内に化けると思うので要注目だ。 -
p.2015/12/15
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花房観音は京都が舞台じゃなければエロさが半減する。
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7編からなる短編集。
やっぱり花房さんは京都ものがいいよね、ってことで冒頭の2編押しでw -
2016 9 12
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京都が舞台の冒頭二話がエロい。「お香→エロ」「生け花→エロ」という力技の結合が笑える。最近、京都の殊に特権主義的閉鎖性に嫌気が差しているのだが、京都という閉じた空間とエロは相性が良い。あと、この人のエロの中に漂う哀しみ。思わず我が身を振り返る類の哀しみが行間にひそむ。
著者プロフィール
花房観音の作品





