指人形 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 114
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062931137

作品紹介・あらすじ

あなたは知らない。私の指がなにに使われているか―。団鬼六賞大賞受賞第一作「おばけ」を含む、女流官能小説家・花房観音の、止めどないエロスと隠微なユーモアに満ちた傑作官能短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 互いにおもちゃ

  • 花房観音さん2冊目。
    官能小説なのに、厭らしさとか生々しさのある官能という感じではなく(もちろんそういった場面もあるけれど)、心理描写がすごく腑に落ちて嵌っています。
    「(セックスは)なくても生きてはいけるけれど、あったほうがいいに決まってる。」(収録話「奥さん」より)
    ごもっともって感じです。

  • 2015年、38冊目は、花房観音の官能短編集。全七編収録。

    花房観音『黄泉醜女』を読んだ直後だったので、読み始めは『黄泉醜女』による術中にハマって、どうしても作者の顔がチラついて仕方がなかった。

    なお、今回は各々の「あらすじ」は省略させていただきます。しかし、七編それぞれベクトルの異なる話で面白かった。

    特に好きなのは官能場面のほとんど出てこない表題作、「指人形」。展開としては、「指人形」と「美味しい生活」以外はほぼ予想の範囲内だったが、嫉妬や復讐、性(さが)などの描き方は、「この人、上手いな」と思わされます。また、「おばけ」に見られる京言葉もイイ味付け。

    さらにはAV男優、森林原人(「妻の恋」のモデル)による解説は、必読(花房観音のツイッターで、作者本人も絶賛していた)。ただし、必ず、本編読了後にお読みください。

    評価は少し甘いかな(?)の★★★★☆。そして、この解説は★★★★★あげてもイイ。

  • 「女の庭」(http://booklog.jp/item/1/4344022920)が予想以上に面白かった第1回団鬼六賞受賞の女流作家の短編集。
    女装の男との情事、AV男優に夢中な妻を持つ夫、などちょっとひねった短編、・・・うまいなぁ。表題作なんて、バーのカウンターで男女の会話を女性視点で描いたものなんだけど、指のふれあいがなんともエロチック。よくある(いやないか)「奥さんいいじゃないですか」的な間男なシチュエーションも、花房観音にかかるとなんとも悲哀ある濡れ場になる。
    離婚した妻に嫉妬する男、昔の女の性技に翻弄される男、妻が夢中なAV男優に嫉妬する男など・・・出てくる男たちがなんとも情けなくて苦笑するしかない。

    この作家、あと10年以内に化けると思うので要注目だ。

  • 官能小説とは知らずに読んだ本。
    話としては表題よりも「おばけ」が好きかな。
    あとは「わるいうわさ」の愛子がかなり割り切っていて良かった。
    「妻の恋」は旦那はそれで良かったかもしれないけど、妻側はどうだったんだろう?
    ファンでいたかった「夢」のままにしていたかった妻を「現実」にしてしまうのはなあ、と。
    この夫婦がその後どうなったのかは気になる。

  • 文章がスラスラとほんと流れるような作品で、本当読みやすいです。情景と、心情などのバランスが絶妙で読みやすい。

  • p.2015/12/15

  •  花房観音は京都が舞台じゃなければエロさが半減する。

  • 7編からなる短編集。
    やっぱり花房さんは京都ものがいいよね、ってことで冒頭の2編押しでw

  • 2016 9 12

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著者プロフィール

兵庫県豊岡市生まれ。
京都女子大学文学部中退後、映画会社や旅行会社などの勤務を経て、2010年に『花祀り』で団鬼六賞を受賞しデビュー。男女のありようを描く筆力の高さには女性ファンも多い。
著書に『寂花の雫』『花祀り』『萌えいづる』『女坂』『楽園』『好色入道』『偽りの森』『花びらめぐり』『うかれ女島』『どうしてあんな女に私が』『紫の女』など多数。
現在も京都でバスガイドを務める。

「2020年 『京都に女王と呼ばれた作家がいた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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