天翔る (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 249
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062931779

作品紹介・あらすじ

札幌に住む看護婦の貴子は、学校に行けなくなった11歳の少女、まりもと知り合う。自分が通う牧場(ランチ)にまりもを誘うが、そこで待っていたのは、風変わりな牧場主と、エンデュランスという乗馬耐久競技だった。馬をいたわりながら、野山にめぐらされたルートをたどり、長距離を翔けぬける。競技に魅せられた者たちだけが見ることのできる世界とは? それぞれに喪失感を抱えた男女たちが生きることに向き合っていく感動作。

感想・レビュー・書評

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  • 馬が好きゆえ、馬術の中でも割合マイナーな競技であるエンデュランスを扱った小説、というだけで、不幸な過去を持つ登場人物が集結し過ぎじゃね、とか、トントン拍子でデカい大会まで出れ過ぎじゃね、とか、この手のドラマにありがちなご都合主義的要素には多少目を瞑れる。にしても、最後のポエチックな2ページは余計かなと思う。

  • 物語のメインがエンデュランスではないところが、最近読んだサーフィンの作品(坂木司『大きな音が聞こえるか』)を思い出させた。ただ、そちらの作品と、大きな喪失と傷を抱えた登場人物たちによるこの物語とでは、重さはだいぶ違う。神はどこにいるのだろうか。そして、「この物語の神」とは。前から考えていることのヒントになった。

  • 面白かった。昔の作者の作風で、私はこちらのストーリーのほうが好み。最近のドロドロはやっぱり重たすぎて・・・。
    読んで良かったと思える作品でした。ありがとう。

  • 不登校になってしまった繊細な少女が、馬に接することで強くなっていくお話。とは言え、彼女が自分を取り戻していくことよりも、エンデュランスという馬術競技に出場することを描いている。こんな競技があるんだ!というところがとても興味深い。人馬一体とはまさにこのことなんだと感じさせる。やっぱり乗馬っていいなぁ。

  • さすが村山由佳。

  • 村山さんが描く、傷ついた人たちがたくさんの痛みや悲しみを経た末に、静かに救われていく物語が好き。

  • 確かジャケ買いに近かった。購入して一年経って開いた。そして次から次へ楽しくページをめくった。一人の少女と馬との出会い。そして馬との日常の中で少女が逞しく成長していく様子。それが楽しくそして嬉しかった。もっと早く読めば良かった。
    今も少女は成長を続けているような気がする。立派に成長し続けているはず。

  • 身近じゃないから、ドラマチック。そして、それこそ物語を読む醍醐味なんだ、とあらためて気づかされた。
    北海道、馬、いじめに不登校・・・共感ポイントほぼなしのストーリーだけど、だからこそ感動できたんだと思う。
    まりもがぐんぐん成長していく様子が、ほんとうに輝かしくて、愛おしくて。サイファと人馬一体になっていく過程もほんとう~に感動的だった。
    闇の先には光がある、というとありきたりだけど、でもまさにそれを描いた物語。
    まわりの、しどさんや貴子さんもそれぞれに抱えるものがあり読ませるけど、やはり少女の成長ぶりが何より輝いて見えた。

  • 石狩の少女が馬と成長する話。

    良識のある大人に囲まれていれば
    苦しみながら学校なんて行かなくてもいいと思う。

    しかし少女にこんな過酷なレースができるんだろうか。
    TVで放送された後に騒ぎ立てられないことを願います。

  • 遥かなる水の音から続けて文庫で。
    読みやすくて、響きが心地良くて、読後の余韻もとても優しい。

    作品を読んで、で、結局?という人がいるけれど、結末が必要な作品とそうでない作品があって、明確な結末がないところに、〜かもしれないという癒しがある。

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著者プロフィール

村山由佳(むらやま ゆか)
1964年7月10日生まれ、立教大学文学部日本文学科卒業。不動産会社、塾講師などの勤務を経て作家となる。
1991年 『いのちのうた』でデビュー。1991年『もう一度デジャ・ヴ』で第1回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞佳作、1993年『春妃〜デッサン』(『天使の卵-エンジェルス・エッグ』に改題)で第6回小説すばる新人賞、2003年『星々の舟』で第129回直木三十五賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学賞、第22回柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞している。ほか、代表作として『おいしいコーヒーのいれ方』シリーズがある。

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