- 講談社 (2015年9月15日発売)
本棚登録 : 284人
感想 : 16件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784062931977
作品紹介・あらすじ
幸福寺の小さな本屋さん「アロワナ書店」。三代目のハッコウは店長とは名ばかりで店内をぶらぶらするばかり、ともに育ったいとこの昼田はIT企業に勤めていた。しかし正月早々大事件が起き、書店は存続の危機に。昼田とハッコウは、二人でゆっくり立ち上がる。自分と世界のつながりを考える、著者渾身の長編。
みんなの感想まとめ
日常の中に潜む深い思索を描いた作品は、主人公たちの成長と自己探求の旅を通じて、読者に共感を呼び起こします。書店「アロワナ書店」の三代目店長ハッコウといとこの昼田が直面する困難は、彼らの生き方や社会への...
感想・レビュー・書評
-
書店員の日常を描くのと同時に、「昼田」によって、山崎ナオコーラさんが常日頃感じている、生き方や政治社会についての思いを「徒然なるままに」語らせているエッセイ風小説だと思う。
誰とも競争せずフリーにフラットに生きていきたい、という思いは多くの共感を得られるのでは。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
やらなければならないことが明確になって、読書にあまり時間を割けず、今年初の読了が今ごろになってしまった。
心のケアのためにも細く長く読書していきたいなぁ。
以下、抜粋。
p.116
「(略)オレは、本を読んで、自分の考え事が枠に収まっちゃうのが嫌なんだよ」
「そうかもしれない。言葉になる前の世界に、暴力的に枠組みを与えるのが、小説なのかもしれない。いやだね、小説って」
ちょっと考えてから、オレは頷いた。
しかし、オレはその暴力が好きなのだ。世界に暴力をふるいたい。言葉以前の世界はもやもやしている。はみ出しそうなものを無理やりぎゅうぎゅうに器に収めてやる、あるいは、世界を切り取って、残りは屑に。曖昧なものに名前を付けてしまう強大な力、微妙な力加減でそのパワーを操る人々。そのふざけ具合と、切なさが。
p.214
子ども時代は「いつか社会に出る時のために」あるのではない。老年時代はいたわられるためにあるのではない。今だけが光っているのだ。
p.261
コーチングというのは、相手の良さを引き出すものである。ティーチングとは違う。教え育てるのではなく、引き出すのである。たとえば浅田真央ちゃんのコーチは真央ちゃんよりも能力が高いということはまずないだろうが、真央ちゃんの能力の引き出し方を知っている。そういうことだ。
装丁、栞ともにこだわりが詰まっていてめちゃくちゃ
素敵です。 -
昼田によって語られる自分の存在や社会に対する考察が興味深く、時間をおいてまた読み返してみるのもまた良いかもしれないなーと感じた。
自分でもうまく噛み砕けずに抱えたままになっている蟠りや、自覚してさえいなかった不安や生きていくことへの心許なさまでも、易々と目の前に並べられた気がしてストーリーそっちのけで少し感動してしまったほど。どれもこれも、語彙力のない自分では到底しっくりいく言葉が見つからなかったものばかりだ。 -
昼田とハッコウってなんだろう…魅かれないタイトル…
と思って何度もスルーしていました。
でも、
『舞台は「町の本屋さん」。続いていく毎日を描く物語家族じゃない人と、家族のように繋がれるだろうか。』
っていうオビの言葉が目に入り…
うん?もしかして私の好きな類の話かも、と思って読んでみました。
結果、予想とは少し違ったけれど、「町の本屋さん」のことがわかって興味深く読めました。
それに、平台の展示にかける思いとか、図書館の仕事と相通じるところもあったりして。
昼田とハッコウ(人の名前でした。二人はいとこ)を中心に繰り広げられるゆるやかな人間関係も、クスッと笑えて、ちょっと切なくて、秋の夜長にゆるゆる読むのにはオススメの一冊でした。
図書館スタッフ(東生駒):ほっこり
----------
帝塚山大学図書館OPAC
https://lib.tezukayama-u.ac.jp/opac/volume/820256 -
本に挟まっていたアロワナ書店のしおりが嬉しくて、ブックカバーについている紐を無視して紙のしおりを使い続けて、アロワナ書店で買いました感に浸ってみました。下巻についてたしおりは記念に取っておいてます。
-
これね、面白い。 タイトルからあんまりよく分からないのもいい。 やはり書店とは面白い。
-
うーん面白い。
山崎ナオコーラさんの小説は独特の魅力があって、すごく淡々としているんやけど面白い。
小説の展開としては、そんなに濃いわけではないので、なんというかスッと進むんやけども、
登場人物同士の会話であったり、主人公昼田の心理描写とかが結構いろいろ面白いなと思う。
主人公である昼田が、主人公でなくてもいいと考えている面白さ。
傍観者でありたいという思いは私もあるかもしれないなと思う。でもそう思う一方で、人に絡まっていない自分をちょっと刹那的に思ったりとか。
必ず成長しなくちゃいけないのか、社会で働くときには必ず利益追求しなきゃいけないのか、
私も日々疑問に思うことがあるので、共感できたし、どういう着地点に落ち着くのかなと思う。
ハッコウ、変なやつやけど面白い。
ハッコウと銀次は、全くの繋がりのない人間だったけど、そんなの問題なしに関係を築いていってる。
続きどうなるのか気になる。 -
下巻にて。
-
「淡くて遠い関係でも、かきあつめたら生きていける」
わけありな生い立ちの昼田くんと、その家族の物語。
男兄弟たち(−ハッコウ)で熱海に行った帰りの瞳(弟)の形而上の忍者の話、よくわかる。
「新幹線で景色見るときとか、走って車からものを見るときとか、いつも形而上の忍者がいる」
「こう、視点が、山の稜線とか、建物の屋根の上を、ぴょんぴょん飛び跳ねるみたいに動いていって、それから電線の上をたったったと走ったり」
男たちはおせちもつくる
火の用心をする
平穏な日々の中で突然だれかが死ぬ。
子どもができる。
…子どもが出現したあたりから、急速に物語への温度が冷めてしまった。
あるひとの死の瞬間は、一周まわって、リアリティを感じたのだけど、それ以降がちょっとドラマティックすぎた。
いささか突拍子もない展開が続き、それを必然と思えなかった。
また、兄弟たちの会話の説明的なところとリアリティの低さが気になってしまって気になってしまって。女性が書いてるせいかそういう性格にしたかったのか不明瞭だが、主人公の女々しさのようなものが好もしくなかった。
要するに相性の問題かとおもいます。
この作品、ナオコーラさんの描く会話劇が大好きなひともいるだろうし。
花とゆめや、ラノベを読んでいた高校時代の自分であったら許容できた空気感。
下巻は読了せず。
設定は好きでした。 -
昼田とハッコウp.270
会社を辞める時、挨拶まわりして、夜は送別会。無感動、無関係な人にみえる。会社にいたけど、「役割」としてだけで、人間といた気がしない。花束は邪魔でゴミ箱に捨てた。
p.275
「昼田って、自分のことを、聞き上手だと思ってるだろ?」 -
(2015.10.27)
(320P) -
とにかくハッコウが謎過ぎる。
何か障害がある設定なのか?と思っていたら、後半ちゃんと本を読んでみたり、今まで世話をしていた側の昼田の真似事をしてみたり少しづつ変わってきている。
とりあえず、今後が気になるので下巻読んでみようと思うけど、全体的に色々な事に説明が少ない小説な気がする。
2015.10.3 -
幸福寺の小さな本屋さん「アロワナ書店」。三代目のハッコウは店長とは名ばかりで店内をぶらぶらするばかり、ともに育ったいとこの昼田はIT企業に勤めていた。しかし正月早々大事件が起き、書店は存続の危機に。昼田とハッコウは、二人でゆっくり立ち上がる。自分と世界のつながりを考える、著者渾身の長編。
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
山崎ナオコーラの作品
