新装版 阿片戦争 (三) (講談社文庫)

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  • 講談社 (2015年10月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (560ページ) / ISBN・EAN: 9784062932011

作品紹介・あらすじ

広州の防備を固め英国海軍を迎え撃つ林則徐だったが、敵は守備の薄い定海まで北上、難なく占領する。北京では政敵の軍機大臣・穆彰阿が林の排除を道光帝に献策、これにより林は欽差大臣を罷免される。その後停戦が成立するが、香港割譲を含む諸要求を突きつけられ、皇帝は激怒、再び兵を起こす。(全4巻)


広州の防備を固め英国海軍を迎え撃つ林則徐だったが、敵は守備の薄い定海まで北上、難なく占領する。北京では政敵の軍機大臣・穆彰阿が林の排除を道光帝に献策、これにより林は欽差大臣を罷免される。その後停戦が成立するが、香港割譲を含む諸要求を突きつけられ、皇帝は激怒、再び兵を起こす。(全4巻)

みんなの感想まとめ

歴史の深淵を探る物語が、緻密なキャラクター描写と巧みな視点の切り替えによって展開されます。単なる歴史書ではなく、創作の力が加わることで、林則徐や英国海軍との対立を通じて、清朝の衰退とその背景にある複雑...

感想・レビュー・書評

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  • 単なる歴史書でもなく、大いに創作がくみこまれているのだが、これこそが歴史小説というような圧倒的パワーをもって読者をひきつける物語展開は素晴らしい。

    複数の登場人物の視点を巧みに組み合わせたり、話したりしながら総合的な歴史のうねりのようなものを実感できる。

    単に林則徐の世界というわけでも、英国側の事情というわけでもなく、複雑に絡み合った世界を立体的に構成するのだ。

    そこで大きな役割を果たすのが脇で物語を進める脇役たちである。歴史上に登場しない人物も巧みに語らせ、庶民の立場、わいろを要求する立場の人間の所作が物語に拡がりをもたせているのだ。

  • 戦闘行為が始まった。しかし、清は衰退期でしかも異民族政権という状態。先の歴史を考えるとやはり漢民族の民族意識(または地域意識)というものは大きいか。イギリス側は帝国主義な時代。実利よりも栄光を求めるという考え方。この時代からある意味では中国側はしたたかなのかも。しかし次の時代を見えていたという(この人物は作者の設定?)商人のような人物はどこまでいたのだろうか

  • いよいよ清英開戦の第四部。首都への英軍接近のおそれで皇帝の命令がハト派に傾いたり、戦地が南方に定まると喉元過ぎればでタカ派に傾いたり、内でごちゃついている間に、林則徐更迭後のハト派外交で下手をこいて英軍の侵攻をみすみす許すといった、清側の自滅ぶりがいたたまれない。
    タカ派の盛り返しに加え、時折戦争後のことに意識が向けられる第五部に差し掛かっていて、最終巻も気になる。

  • ★★★2017年7月レビュー★★★

    組織が古びてくる、というのは恐ろしい事だ。優秀な人間が排除され、無能な人間が跋扈する。清国の末期もまさにその状態だったようだ。第3巻では、林則徐が左遷され、英国に対して媚びるだけ媚びて、何としても戦争を回避しようとするだけの琦善(チシャン)が赴任。


    戦争は回避するに越したことはないのだが、相手の言い分を聞くだけでは、結局傷口を広げてしまうことになる。準備不足で戦争に挑むことになり、優秀な指揮官を失ってしまう。


    英国側も、林則徐を好敵手として尊敬していたようだ。
    下関戦争の際の高杉晋作を思わせる話だ。

  • 日本の幕末・明治維新との対比で日本と中国と何が違ったのか考えると興味深い。

  • 広州の防備を固め英国海軍を迎え撃つ林則徐だったが、敵は守備の薄い定海(ティンハイ)まで北上、難なく占領する。北京では政敵の軍機大臣・穆彰阿(ムチャンア)が林の排除を道光帝に献策、これにより林は欽差大臣を罷免される。その後停戦が成立するが、香港割譲を含む諸要求を突きつけられ、皇帝は激怒、再び兵を起こす。(全4巻)

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著者プロフィール

1924年-2015年。神戸市生まれ。大阪外国語大学印度語部を卒業し、終戦まで同校西南亜細亜語研究所助手を務める。61年、『枯草の根』によって江戸川乱歩賞を受賞し、作家活動に入る。その後、93年、朝日賞、95年には日本芸術院賞を受賞する。主な著書に『青玉獅子香炉』(直木賞)、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』(日本推理作家協会賞)、『実録アヘン戦争』(毎日出版文化賞)、『敦煌の旅』(大佛次郎賞)、『茶事遍路』(読売文学賞)、『諸葛孔明』(吉川英治文学賞)、『中国の歴史』(全15巻)などがある。

「2018年 『方壺園 ミステリ短篇傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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