窓ぎわのトットちゃん 新組版 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062932127

作品紹介・あらすじ

戦後最大のベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』。単行本、文庫、絵本の累計は800万部!35カ国以上で愛読されています。本書はその新組版。字が大きく絵も鮮やかになりました!トットちゃんがユニークな教育のトモエ学園で、友達とのびのび成長していく自伝的物語。深い愛情で子どもたちの個性を伸ばしていった校長先生が、トットちゃんに言い続けた言葉「きみは、本当は、いい子なんだよ」は、今も黒柳徹子さんの宝物です。

感想・レビュー・書評

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  • 私が学生の頃、うちの積読本と化していた本。
    時を経てどこかに消え、それでもやっぱりまた今手にする機会を得た本。

    あの時読んでおけばよかった、と軽く後悔。

    きっとどの時代でも、どの年齢でも、どの国でも、どのシチュエーションでも、通じるものがあるのだろう。そう『人を育てる』ということ。

    本人の意識を「明言化」して示すのではなく、これからの生きていく上での指針となる言葉、経験を与えて、考える余地をあげなければいけなかった。今回はトットちゃんを通じて痛切に感じた。

    そしてこの本、読むタイミングで感じ取るものが違いそう。時間を置いてまた読んでみたい。

    あああ...でももううちの子供達、世間的に言えば成人してるよ...いいや!今からでも素敵な言葉のシャワーを!受け取って!母の想い、感じ取って!
    ...聞いてる?そこのスマホ見てる人達...。

  • 昔、子ども達に毎日一話ずつ読んでいた本。
    ひとつひとつにトットちゃんのビックリとわくわくと涙があふれている。
    教育に携わるすべての人達、そして子ども達にもこの本を薦めたい。
    他の小学校では、はみ出してしまったトットちゃん。
    彼女の話を4時間聴いてくれた校長先生が素敵だ。
    運動会には生まれつき足が短いという子が一位になれるような競技をつくり、ハンディキャップを感じさせない。
    担任の先生が、不用意な一言でその子を傷つけた時は、人のいないところで叱る。心の底からの哀しみで向かい合って叱る。
    教育の真髄がここにある。
    自然のリズムを大切にして、野外で繰り広げられる学習の数々に子ども達の目は輝く。
    明日が待ち遠しい学校。
    そんなスローガンなどいらないくらいトモエ学園はキラキラわくわくが詰まっている。
    周りの学校の子達が、「ボロ学校」と囃し立てても
    「トモエ学園、いい学校」と歌声が大きくなっていくさまに感動をおぼえる。
    一番嬉しかったのは校長先生だろうけど。

    トモエ学園が空襲で焼けた時
    次はどんな学校を創ろうかと思い巡らす小林校長
    教育愛は熱く深い

  • 「きみは、本当は、いい子なんだよ!」
    小林宗作先生は、トットちゃんを見かけると、いつもそう言った。トモエ学園の個性を伸ばすユニークな教育と、そこに学ぶ子どもたちをいきいきと描いた名作エッセイ。

    続編が発売されたと知り、そういえばまだ読んだことがなかったなと一作目の新組版を手に取った。ぼくにとって黒柳徹子さんと言えば『徹子の部屋』でおなじみの伝説的司会者。その徹子さんがトモエ学園で過ごした小学校低学年の日々を丁寧に綴っている。純真な子ども心そのもののような文章の中に、大人としての視点がさりげなく織り込まれている。それがとても自然で読みやすい。大人から子どもまで、読む年齢や環境によって味わいが変わりそうな宝物のような一冊。

    無邪気すぎる行動が原因で退学になってしまったトットちゃん。次の受け入れ先を必死に探し、本人には退学のことを内緒にしたお母さんに心を打たれた。さらに、小林宗作先生の「きみは、本当は、いい子なんだよ」という言葉に加え、生徒たちを“子ども”の前に“一人の人間”として接するのも素敵だった。こういう誠実さが自尊心や自立心を育てるんだよね。

    さらに、教室は払い下げしてもらった電車!ロマンありすぎる!しかも、時間割が決まっているわけじゃなく、その子の好きな教科から自由に学習していいってスタイルが面白い(もちろん、嫌いな教科も学校が終わるまでにやる必要がある)。こういう自由さが自主性を形作るんだろうね。木登りの話は、ぼくも小学校の木に登って隠れ家みたいにしていたことがあって懐かしくなった。泰明(やすあき)ちゃんとの木登り大冒険もあったかくて切なくて、心に残る話だった。

    というか、こんなに細やかに記憶している徹子さんすごすぎる。それだけ強く思い出として残っていたんだなと。ぼくの小学校の思い出なんて、こんなにも浮かばない。そんなぼくに徹子さんが小学校の思い出をおすそ分けしてくれたように感じる。感謝しかないです、ありがとうございます。こういう学校が現代にこそ求められているんだろうけど、現実的には難しいんだろうな。その代わりに、この本が体験を共有して助けになりますように。

    p.80,81
    本当は、その満足の中に、『校長先生が、自分のしたことを、怒らないで、自分のことを信頼してくれて、ちゃんとした人格をもった人間として、あつかってくれた』ということがあったんだけど、そんな難しいことは、トットちゃんには、まだ、わからなかった。
    ふつうなら、このトットちゃんの、してる事を見つけた時、「なんていうことをしてるんだ」とか「危ないから、やめなさい」と、たいがいの大人は、いうところだし、また、反対に、「手伝ってやろうか?」という人もいるに違いなかった。それなのに、
    「終わったら、みんな、もどしておけよ」
    とだけいった校長先生は、(なんて、素晴らしい)と、ママは、この話をトットちゃんから聞いて思った。

    p.165
    「いいんだよ、それで。君が朝起きた、ってことが、これで、みんなにわかったんだから。面白いことや、笑わせること話したから偉いっていうことじゃないんだ。『話が無い!』っていった君が、話を見つけたことが、大切なんだよ」

    p.246,247
    でも校長先生は、そういう事件が起きたときに、絶対に、パパやママを呼び出すことはなかった。他の生徒でも同じことだった。いつも、それは、校長先生と、生徒との間で解決した。初めて学校に来た日に、トットちゃんの話を、四時間も聞いてくれたように、校長先生は、事件を起こした、どの生徒の話も、聞いてくれた。その上、いいわけだって、聞いてくれた。そして、本当に、「その子のした事が悪い」とき、そして、「その子が自分で悪い」と納得したとき、
    「あやまりなさい」
    といった。でも、おそらく、トットちゃんに関しては、苦情や心配の声が、生徒の父兄や、他の先生たちから、校長先生の耳にとどいているに違いなかった。だから、校長先生は、トットちゃんに、機会あるごとに、
    「君は、本当は、いい子なんだよ」
    といった。その言葉を、もし、よく気をつけて大人が聞けば、この「本当は」に、とても大きな意味があるのに、気がついたはずだった。

    p.349
    「子供を先生の計画に、はめるな。自然の中に放り出しておけ。先生の計画より子供の夢のほうが、ずっと大きい」

  • 小学一年生で退学になったトットちゃんだったが、トモエ学園の校長先生との出会いから、学園生活を通してかけがえのない経験を積み重ねていく。個性を尊重すること。どんな時でも希望を持つこと。たくさんの教えがあった。
    トットちゃんの目線で描かれており、彼女の好奇心旺盛で純真で可愛らしく、のびのびと自由に動き回る姿には、ほっこりした。だから余計に戦争の悲惨さも伝わってきた。
    これは、子どもから大人まで楽しめる名作。
    また、オーディブルでのご本人の朗読は最高によかった。でも涙声はだめですよ徹子さん。もらい泣きしてしまうではないですか~

    • ひろさん
      まつ~!おつかれさま!大盛り上がりだったんだね!!
      娘ちゃんたちホラー漫画好きだったもんね!そりゃぁ喜ぶよね♪
      ふふっ♪怖がりのまつが家族の...
      まつ~!おつかれさま!大盛り上がりだったんだね!!
      娘ちゃんたちホラー漫画好きだったもんね!そりゃぁ喜ぶよね♪
      ふふっ♪怖がりのまつが家族のために頑張って車で怪談を流す…なんて微笑ましい(◍´꒳`◍)
      トットちゃんに癒されてね♪今夜よく眠れますように✩.*˚
      2022/10/16
    • aoi-soraさん
      ひろちゃん、こんばんは^⁠_⁠^

      トットちゃん、懐かしいなぁ。
      小学生の頃、夢中になって何度も何度も読みました。
      トモエ学園に入学したくて...
      ひろちゃん、こんばんは^⁠_⁠^

      トットちゃん、懐かしいなぁ。
      小学生の頃、夢中になって何度も何度も読みました。
      トモエ学園に入学したくて、
      チンドン屋に遭遇してみたくて、
      海のものと山のもののお弁当が食べたくて(笑)
      今も大切に実家の本棚にあるよ。
      (だから、読めない)

      徹子さん御本人の朗読だなんて、贅沢だね!
      2022/10/19
    • ひろさん
      あおちゃん、こんばんは(*^^*)
      トットちゃん、感性豊かで、ほんと毎日がキラキラして楽しそうで、読んでる方もわくわくドキドキしますよね♪
      ...
      あおちゃん、こんばんは(*^^*)
      トットちゃん、感性豊かで、ほんと毎日がキラキラして楽しそうで、読んでる方もわくわくドキドキしますよね♪
      私も食べたくなりましたよ~海のものと山のもののお弁当(*´˘`*)
      あおちゃんのたいせつな本を読めたことが嬉しいなぁ。
      小学生の頃に夢中になれる本に出会えるなんて、うらやましいです!
      ご本人の朗読だからと選びましたが、読めて(聴けて)ほんとによかったです♪
      2022/10/19
  • 小学生時代に帰れる本。
    ママのやさしさに、心癒される。

  • 某番組にゲスト出演していた徹子さんの話を聞き、読まねばと購入。
    トットちゃんの好奇心旺盛、天真爛漫な姿に、ハラハラドキドキ。楽しさも悲しみもすごく伝わってきた。
    そして、小林先生の大きいこと。同じ目線に立ち、信じ行動される姿はもう尊敬しかない。トットちゃんのご両親もすごいなと思った。
    自分を信じてくれる人がいる、それは人を強くし、思いやりの心を育んでくれるのだと思った。
    この本と同い年な事を知り、勝手に縁を感じる。今まで読まなかっことを後悔。映画も観にいこう。

  • 短編集のようにさまざまなストーリーがギュッと詰まっておりますので、初心者や小説を読みたい方、小説を読むのが苦手な方にも是非ともオススメ致します。

  • もっと早く読みたかったなぁ、、、
    子供達はいつの時代も変わらずいると思います。
    新しい事に目を輝かせたり、思った事を素直に言葉にしたり。
    子供なりに色々考えていて、それを活きたものにする事はやはり周囲の大人が大事なんだろうなって改めて思いました。
    くすっと笑える、ほのぼのする、悲しくなる話もありますが、最後は読んで良かったと思える本です。
    子供には是非読んでもらいたいかな。

  • 続編が出たのに まだ読んだことがなかったので 、オーディオブックで聞きました。 何度も 吹き出しそうになり 、何度も目頭が熱くなりました。 続編を読むのが楽しみです。

  • 窓際の…というタイトル。彼女自身、天真爛漫な少女時代を送ってこられたけれど、どこかに疎外感を感じていた、と、当時窓際族、という言葉が流行っていたので、そのためにこんなタイトルになった、と巻末にありました。人知れず、子供ながらに気がついて、傷ついているのかもしれません。
    我が子も二人発達凸凹の子と不登校の子がいるせいか、様々なエピソードが自分に問いかけているようで、涙流しながら読みました。

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著者プロフィール

女優・ユニセフ親善大使。東京都生まれ。自伝的著書『窓ぎわのトットちゃん』でも描かれたトモエ学園から香蘭女学校を経て東京音楽大学声楽科を卒業、NHK放送劇団に入団。NHK専属のテレビ女優第1号として、現在にいたるまで大活躍している。『窓ぎわのトットちゃん』(1981年)は、800万部というベストセラーの日本記録を達成し、全世界で2500万部を売り上げている。アジア初のユニセフ(国連児童基金)親善大使として、長年にわたりアフリカ、アジアなどを各国を訪問、めぐまれない子どもたちのことを知ってもらうための活動に力を入れている。

「2023年 『トットちゃんの 15つぶの だいず』 で使われていた紹介文から引用しています。」

黒柳徹子の作品

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