ルカの方舟 (講談社文庫)

  • 講談社 (2015年10月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784062932271

作品紹介・あらすじ

火星隕石に生命の痕跡が見つかった。世紀の発見を取材する記者・小日向に“ルカの末裔”と名乗る隕石論文の偽装告発メールが届く。研究室には、偽装疑惑の教授の遺体と、方舟型に固められた隕石が残されていた。火星隕石が秘めた、地球生命の“出身地”。偽装が隠す真実とは。すべての謎の証明は“天才”百地教授に託された! 東大院卒作家が研究の栄光と暗部を描く、傑作理系ミステリ!

みんなの感想まとめ

科学サスペンスミステリーの本作は、火星隕石にまつわる生命の痕跡発見を背景に、捏造疑惑が浮上した研究室での不可解な事件を描いています。主人公の記者小日向と天才科学者百地教授が織りなす物語は、緊張感とユー...

感想・レビュー・書評

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  • 伊与原新さんの科学サスペンスミステリーですね。
     実はこのミステリーは、江戸川乱歩賞に投稿して、惜しくも受賞を逃した作品を加筆訂正して、デビュー前から温めていた作品との事です。ですから、伊与原新さんの科学ミステリーの『原点』の作品ですね。

     「帝都工科大学アストロバイオロジー研究センター」のセンター長の笠見教授が、実験室で死亡した。
     どうやら有毒ガスを吸った為と思われるが、死因に不審な点がみられる。同時に同センターが、研究中の火星の隕石に「FFP(捏造・改ざん・盗用)」の疑いが有るとメールが、科学雑誌社と大学の関係者に送られてきていた?
     帝都工科大学の大学本部の研究公正委員会が開かれて、真相解明の予備調査委員会を立ち上げることになる。そして、その委員長に天才科学者の百地教授が任命される。補助として、火星の隕石の取材をしていて、笠見教授の遺体を発見した科学雑誌『プリズム』の記者の小日向が加わることになるが…………?

     素敵に面白いミステリーです。
     百地教授のユニークさが、硬質な物語をユーモアを込めて和らげてくれるのが良いですね。探偵は、この百地教授、ワトスン役が小日向記者。
     「火星の隕石が涙滴型磁鉄鉱、すなわち生物の痕跡があると認められる」というコンセプトで、地球の生命誕生のロマンが語られて、それがミステリーのキーワードになっています。
     伊与原新さんの登場人物は、個性がしっかりしていて、物語をそれぞれもり立てるので、飽きがこないですね。それに、別の次元の科学的興味を引き当てるので、好奇心をくすぐられます。
     とにかく、読み出すと止まらなくなるのが嬉しくなるのが、伊与原新さんです。
     他の作品が気になって仕方がなくなる愉しい作家さんです(=゚ω゚=)
    (メメさん、『ルカの方舟』夢中で読んでしまいました。これは、ますます病みつきになりますね。次に読む本が楽しみです♪)

    • メメさん
      ひだまりトマトさん、こんにちは!(*´︶`*)
      いつもありがとうございます。
      伊与原新さんの「ルカの方舟」も楽しまれたご様子で、私も嬉しいで...
      ひだまりトマトさん、こんにちは!(*´︶`*)
      いつもありがとうございます。
      伊与原新さんの「ルカの方舟」も楽しまれたご様子で、私も嬉しいです。題材も、登場人物たちも(ひだまりトマトさんのおっしゃる通りですね)、考察も、何とも魅力的な理系ミステリでした。

      今年は学びの方にも時間をとっていて、感想をあげられていなくて反省と寂しさを感じております。(コメントが遅くなりました(>人<;)(学び少し、娘との遊び大かもしれませんが、、f^_^;)
      愉しい本との出会いはupしていきたいと思っていますので、拙い内容にはなりますが、まだまだよろしくお願いします。m(._.)m

      秋の心地よい読書の時間をお過ごしください。(*´ω`*)
      2025/10/08
    • ひだまりトマトさん
      メメさん、こんにちは(´ー`).。*・゚゚
      ほんとうに、いつもありがとうございますm(_ _)m
      『ルカの方舟』には、惹き付けられました♪
      ...
      メメさん、こんにちは(´ー`).。*・゚゚
      ほんとうに、いつもありがとうございますm(_ _)m
      『ルカの方舟』には、惹き付けられました♪
      実は『トムキンス』をギブアップしてしまいまして、私には図解がないと理解不能ですね(辛)
      伊与原新さんの小説を、楽しむのに留めておくのが一番です♪ヽ(´▽`)/
      幸いまだまだ読む本がありますから、楽しみが続きます(笑)

       関東は台風が大変ですね( >Д<;)
       気をつけてお過ごしください!

       マイペースで読書を楽しまられて、秋の夜長をお過ごしください………(’-’*)♪
      2025/10/08
  • 伊与原新さんの原点と言われる本作、愉しみました!!(理系ワードはよく理解りませんがf^_^;)一気読みでした!!面白さは皆さんの感想にある通りですね。(笑)

    帯より、
    「この理系ミステリがすごい‼︎
    キーワードは「火星」「隕石」「地球外生命体」、
    そして「論文捏造」ー」

    伊与原新さんは、どの作品を読んでも真摯に向き合ってらっしゃると感じられて、それぞれに深みがあり、読了後にまた他の作品を手に取りたくなってしまいます。
    本作は帰省の時間を利用して一気に愉しむことができました。(下の子と二人、田舎の夏休みを楽しんできました(笑))色々読みたい本が溜まっていますが、まだまだ伊与原作品も読みたいです♪

  • 火星隕石から発見された生命の痕跡として、『ネイチャー』の表紙を飾った〈HYADES1201〉。
    一躍時の人となった笠見教授の研究室に、FFP(捏造・改ざん・盗用)の疑いが出て……。

    研究室にまつわる事件を、〈天才〉百地理一郎が解いていく、ミステリ。

    今回も、理系要素満載。

    生命の起源にかかわる、スケールの大きな話。
    磁鉄鉱など、知らなかったことも多く、興味深かった。

    天才と何度も言われる百地教授が、それほど強烈なキャラクターではなかった。

  • ----------------------------------
    人類史を変える謎。真相の解明は、
    一人の天才科学者に託された。

    この理系
    ミステリがすごい!!

    キーワードは「火星」「隕石」「地球外生命体」
    そして「論文捏造」
    ----------------------------------
    伊与原さんの作品は何作か読んでいますが、
    これはミステリ+理系偏差値低めの私には
    ちょっと難しい部分もあり(苦笑)、
    それでもゆっくり読め進めました。

    火星隕石に生命の痕跡が見つかった。
    その発表が捏造だという告発メールが記者に届く。
    そして研究室の教授が謎の死を遂げる。

    早い段階で事件が起こり、
    物語の中にぐんと引き込まれ、
    そこからどう謎を解いて行くのか…

    テーマは壮大だけど、
    人間にフォーカスが当たると
    途端に狭い世界の話のように見えて。

    終盤は、愛犬の診察待ちで読んでましたが、
    不覚にもあるっときて、慌てて読むのやめました。苦笑

    純粋な好奇心と探究心だけで生きていけたら良いのに。
    と読後に思いました。

  • 伊予原新の未読作品
    作者18番の理系エンタメ小説で、本筋は殺人事件の半便探しだが、語られる舞台は壮大。地球生物起源説に話が及び、ことがことならSF作品としての展開もできただろうに。

    日本の研究機関に対する予算配分の少なさ等に触れており、少々語るすそ野を広げすぎたか…。探偵役の天才教授百地の天才っぷりも、とってつけたような感じがするし。粗削りさは否めないかな。

    それにしても、日本の教育研究分野への資本投下の少なさはなんとかならんもんかなぁ、と思う。消費税も上がり、他の税金も結構持ってかれてると思うのに、年金も足らん、保育予算も足らん、ライフラインの維持費用も足らん、文化への投資も足らん…。ほんならどこに金使ってるんよ?と思うなぁ。

  • 所謂偏差値的に必要十分な人間、時に実績という名の運機に恵まれる人間だけで上澄みが構成されるように、多分に作為的に足切りされ続け出来上がる狭い世間は、小賢しく人間性の歪んだ我利我利亡者がのさばり、口裏を合わせ、不器用な人間が裏の事情さえ知られずに爪弾きに遭う悪環境の浄化を常とはしない。物語の始まりから終わりまで、国外からの組織的な悪意には触れられない処は多少ナイーブで理想郷的な面もあるのかもしれないけど、日本人社会の生来的な欠陥が描かれてると思いました。百地先生、小日向記者、弥生さん、有里ちゃんに栄光あれ。

  •  科学系は苦手だが、著者の作品は知的好奇心を刺激され、読み進めるのが楽しい。専門外の一般人向けにわかりやすく且つ面白く書かれており、その手腕はお見事。今作は火星の隕石に纏わる物語。ミステリーなのでもちろん人が死ぬのだが、舞台が大学研究室が多く、主人公が刑事ではないので牧歌的な雰囲気。犯行予告やら大事な隕石が方舟の形に変形させられるやら、なかなか一昔前のミステリーっぽいことをする犯人が好き。ロマンを感じることはほぼない私が、珍しく心動かされワクワクした。

  • 地球惑星科学の知識とアカデミアを取り巻く環境を明瞭に描写しながらも伏線が紛れ込んでおり、読み進める度に物語の進行に意外性を感じることができる。巧妙なトリックの数々を駆使するミステリも良いが、読者に高度な情報を与えつつ奥行きのある物語を味わえる物語も良いなと感じた。

  • 地球の生命起源が火星からの隕石かもっていう説。壮大なテーマがわくわくさせてくれた。教授が言ってたセリフ「宇宙は渡れない海ではないですから。」はロマンがあって素敵だな。

  • いわゆる人類の成り立ちを巡るロマンと現実に起こる事件が絡みあいながら二転三転しながらいろいろなミステリの仕掛けもありながら解けていく様は美しいと思いました。

    2893冊
    今年121冊目

  • 初、伊与原新。
    隕石と火星と40億年前のお話(違うか?)
    同じ理系の人として、研究者になるほど一つの事にのめり込める事が羨ましくもあり、同時に仕事にする事の難しさと、独特の閉塞感を感じる。

    少しワクワクする終わり方がイイね。

  • 専門的な言葉のオンパレードでめっちゃ読むのが疲れる。最後の伏線が繋がっていく所は面白かったし、百地のキャラも好きだった。でも、そこまでがダルすぎる。
    この本、梅田三番街のでかい本屋の小説コーナーでかなり目立つ場所で売り出してた。有名なのかなって思って買ったけど、ブクログの登録数も少ないし、評価も高くないから、ただ本屋の店長が好きなだけだったのかも。

  • 面白かった。百地先生の飄々とした感じが良かった。研究者として身を立てていく事の大変さがよく分かった。

  • 2読目。大学の論文に携わる仕事に転職したので、前回はさらっと読み流していた(著書の得意分野だと思われる)研究者目線のリアルさがとても面白く感じた。

  • 鉱物のことも宇宙のこともわからない私もおいてきぼりにされることもなく読み進められました。
    研究者って本当に好きな仕事を出来て羨ましく思っていたのですが、けっこう大変な仕事なんですね そして悲しかった。

  • パンスペルミア説。本当だとしたらかっこいいし、ワクワクする。

  • 理系の修士課程を修了しているため、大学の雰囲気や風変わりな先生など、容易に想像でき面白かった。生命の起源などの話も興味深い。ただ、謎解きがすこしわかりにくい。

  • 火星隕石に生命の痕跡が見つかった。世紀の発見を取材する記者・小日向に“ルカの末裔”から隕石論文の偽装告発メールが届く。研究室には、教授の遺体と方舟形に加工された隕石が残されていた。小日向は“天才”百地教授と謎の解明に乗り出す。東大院卒作家が研究の栄光と暗部を描く、傑作理系ミステリ!

  • 伊与原新「ルカの方舟」読了。地球生命の起源となる痕跡が隕石から発見される。そこから始まるサイエンスミステリーにグイグイ引き込まれた。一概に信じるのはどうかと思うけどパンスペルミア説はおもしろいしそうであっても不思議でないかも。研究室のドロドロしたところも妙にリアルで読み応えあり!

  • ちょと難解な感じがした

    小西が笠見とカレーラを殺害していた
    告発メールは桐本さんが出していた
    カレーラは 隕石の産地偽装
    情報が詰め込まれすぎていた感じ

    誰にも読まれず、誰の役にも立たず、誰にも検証されない論文が、日夜大量に生み出され、無名雑誌という暗い泥沼に埋もれていく

    LUCA Last Universal Common Ancestor 最古の共通祖先

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著者プロフィール

1972年、大阪府生まれ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻し、博士課程修了。2010年、『お台場アイランドベイビー』で第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー。19年、『月まで三キロ』で第38回新田次郎文学賞を受賞。20年刊の『八月の銀の雪』が第164回直木三十五賞候補、第34回山本周五郎賞候補となり、2021年本屋大賞で6位に入賞する。近著に『オオルリ流星群』がある。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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