ルカの方舟 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062932271

作品紹介・あらすじ

火星隕石に生命の痕跡が見つかった。世紀の発見を取材する記者・小日向に“ルカの末裔”と名乗る隕石論文の偽装告発メールが届く。研究室には、偽装疑惑の教授の遺体と、方舟型に固められた隕石が残されていた。火星隕石が秘めた、地球生命の“出身地”。偽装が隠す真実とは。すべての謎の証明は“天才”百地教授に託された! 東大院卒作家が研究の栄光と暗部を描く、傑作理系ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • 火星隕石から発見された生命の痕跡として、『ネイチャー』の表紙を飾った〈HYADES1201〉。
    一躍時の人となった笠見教授の研究室に、FFP(捏造・改ざん・盗用)の疑いが出て……。

    研究室にまつわる事件を、〈天才〉百地理一郎が解いていく、ミステリ。

    今回も、理系要素満載。

    生命の起源にかかわる、スケールの大きな話。
    磁鉄鉱など、知らなかったことも多く、興味深かった。

    天才と何度も言われる百地教授が、それほど強烈なキャラクターではなかった。

  • 伊予原新の未読作品
    作者18番の理系エンタメ小説で、本筋は殺人事件の半便探しだが、語られる舞台は壮大。地球生物起源説に話が及び、ことがことならSF作品としての展開もできただろうに。

    日本の研究機関に対する予算配分の少なさ等に触れており、少々語るすそ野を広げすぎたか…。探偵役の天才教授百地の天才っぷりも、とってつけたような感じがするし。粗削りさは否めないかな。

    それにしても、日本の教育研究分野への資本投下の少なさはなんとかならんもんかなぁ、と思う。消費税も上がり、他の税金も結構持ってかれてると思うのに、年金も足らん、保育予算も足らん、ライフラインの維持費用も足らん、文化への投資も足らん…。ほんならどこに金使ってるんよ?と思うなぁ。

  • 2読目。大学の論文に携わる仕事に転職したので、前回はさらっと読み流していた(著書の得意分野だと思われる)研究者目線のリアルさがとても面白く感じた。

  • 鉱物のことも宇宙のこともわからない私もおいてきぼりにされることもなく読み進められました。
    研究者って本当に好きな仕事を出来て羨ましく思っていたのですが、けっこう大変な仕事なんですね そして悲しかった。

  • パンスペルミア説。本当だとしたらかっこいいし、ワクワクする。

  • キャラや物語作りの方は弱い感じ…研究界の赤裸々な痛々しい現状はとても伝わってきたけど。

  • 理系の修士課程を修了しているため、大学の雰囲気や風変わりな先生など、容易に想像でき面白かった。生命の起源などの話も興味深い。ただ、謎解きがすこしわかりにくい。

  • 火星隕石に生命の痕跡が見つかった。世紀の発見を取材する記者・小日向に“ルカの末裔”から隕石論文の偽装告発メールが届く。研究室には、教授の遺体と方舟形に加工された隕石が残されていた。小日向は“天才”百地教授と謎の解明に乗り出す。東大院卒作家が研究の栄光と暗部を描く、傑作理系ミステリ!

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著者プロフィール

1972年、大阪府生まれ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻し、博士課程修了。2010年、『お台場アイランドベイビー』で第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー。19年、『月まで三キロ』で第38回新田次郎文学賞を受賞。20年刊の『八月の銀の雪』が第164回直木三十五賞候補、第34回山本周五郎賞候補となり、2021年本屋大賞で6位に入賞する。近著に『オオルリ流星群』がある。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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